防火対象物点検は、特定の用途に使用され、一定の規模・構造を有する建物の管理権原者が、火災予防に関する高度な知識と経験を有する者である防火対象物点検資格者に定期点検させ、その結果を所轄消防署または消防署長に報告する制度であり、消防法第8条の2の2に基づいて規定されています。
この制度は、平成13年に新宿歌舞伎町ビル火災で発生した死者44名を出す悲惨な火災を受け、防火管理の不徹底、防火・避難設備不備に加えて、建物使用の用途が多様化・複雑化しており消防機関だけでは実態の把握が難しいと結論付けられた為、管理権限者の責任において行わなければならない防火管理業務等を、防火対象物点検資格者によって専門的な観点から補強することが目的です。
防火対象物点検の点検報告の義務が生じる建物は、その「使用用途」と「収容人員」及び建物の「構造」によって規定されています。
建物の収容人員が300人以上で、かつ建物が以下の「特定防火対象物」の用途に該当する場合は防火対象物点検・報告の実施義務が生じます。
【特定防火対象物に該当する用途(消防法施行令別表第一)】
建物の収容人員が30人以上300人未満で、以下の条件に当てはまる場合は防火対象物点検・報告の実施義務が生じます。
また、階段が2つある場合でも、間仕切り等によって一つの階段しか利用できない場合も防火対象物点検・報告の実施義務が生じます。
建物の収容人員が10人以上30人未満でも、以下の条件に当てはまる場合は防火対象物点検・報告の実施義務が生じます。
※(6)項ロに用途変更した収容人員10人以上の建物は要注意!
防火対象物点検時に確認する事項は、以下の通りです。
消防法施行令第4条の2の2にて「防火対象物の管理権原者は、防火対象物点検資格者に1年に1回点検をさせ、その結果を所轄消防署へ報告しなければならない。」と規定されています。
ただし、所轄消防署への申請に基づいて「特例認定」を受けた防火対象物に関しては、その点検・報告の義務を3年以内に限り免除できるとされています。
【◎特例認定の要件】
上記の条件に当てはまる場合、防火対象物点検報告特例認定申請書に必要な書類を添えて、所轄消防署へ申請する事で、特例認定を受けて点検周期を長くすることが可能です。
“防火対象物点検” という消防用設備点検とは異なる点検報告の義務が、防火対象物全体の収容人員や、用途によって生じる場合があります。
防火対象物点検は、防火対象物の火災の予防に関し専門的知識を有する防火対象物点検資格者に行わせなければなりません。
(´-`).。oO(防火対象物点検資格者は、総務大臣の登録を受けた登録講習機関が行う講習を修了し、免状の交付を受けた者のことです…。。)
また、特例認定という点検が免除される規定もあります!
詳しくは[続き]に記していきます。……✍(´-`).。oO