貯蔵容器及び起動用ガス容器は、令第16条第6号並びに規則第19条第5項第5号イ、第6号から第6号の3まで、第8号から第10号まで、第13号及び第24号の規定によるほか、次による。
(1) 品質
貯蔵容器又は起動用ガス容器は、高圧ガス保安法に基づく検査に合格したもの(高圧式の容器にあっては容器保安規則(昭和41年通商産業省令第50号)第8条の規定による刻印及び同規則第10条の規定による表示のあるもの、低圧式の貯蔵容器にあっては特定設備検査規則(昭和51年通商産業省令第4号)第56条の規定による表示のあるもの)で、高圧式貯蔵容器にあっては24.5メガパスカル以上、低圧式貯蔵容器にあっては3.75メガパスカル以上の圧力に耐えるものであること。
(2) 設置場所
(ア) 貯蔵容器等が、1の防護区画ごとに専用のものであること
(イ) 貯蔵容器等は、不燃材料で造られた箱に格納されていること
(ウ) 制御盤組込みの貯蔵容器等は、防護区画外に設けられていること
(3) 圧力警報装置
低圧式貯蔵容器に設ける圧力警報装置は、防災センター等に音響及び灯火により警報を発することができるものとすること。ただし、規則第12条第1項第8号の規定により総合操作盤が設けられている場合にあってはこの限りでない。
(1) 容器弁開放装置は、手動直接操作によっても作動できるものとすること。
(2) 電気式容器弁開放装置により、起動用ガス容器を介することなく貯蔵容器の容器弁を開放するもので、同時に開放する貯蔵容器の設置本数が7以上となるものにあっては、2以上の貯蔵容器の容器弁に当該電気式容器弁開放装置を取り付けること。
選択弁は、規則第19条第5項第11号の規定によるほか、次による。
(1) 原則として、貯蔵容器の設置場所と同一の場所に設けること
(2) 床面からの高さが0.8メートル以上1.5メートル以下の位置に設けること
配管は、規則第19条第5項第7号イ、ロ(イ)、ハ(イ)、ニ及び第24号の規定によるほか、次による。
(1) 不活性ガス消火設備(二酸化炭素)の配管である旨の表示を行うこと。
(2) 起動用ガス容器と貯蔵容器の間の操作管には、不必要な選択弁又は貯蔵容器容器弁の誤作動を防止するための圧力逃し弁(リリーフ弁)を設けること。
噴射ヘッドは令第16条第1号並びに規則第19条第2項第1号、第2号イ、第3号イ及び第4号の規定によるほか、ガス圧力損失計算により求められた等価噴口面積に対応するコード番号(不活性ガス消火設備等の噴射ヘッドの基準(平成7年消防庁告示第7号)中別表に掲げるものをいう。)を有するものを用いるものとする。
防護区画は、規則第19条第5項第3号及び第4号イの規定によるほか、次による。
(1) 防護区画には、安全に避難することができる出入口を設けること
(2) 出入口には、消火剤放出時においても防護区画内から直接手動で開放できる、幅、高さ及び下端の床面からの高さが、それぞれ75センチメートル以上、1.8メートル以上及び15センチメートル以下の戸又はくぐり戸を設けること
(3) (2)により設ける戸又はくぐり戸は、当該防護区画の内側から外側に開放される構造で、ガス放出による室内圧の上昇により容易に開放しない措置を講じたものとすること
(4) (1)、(2)及び(3)のほか、防護区画の開口部は、次によること
(ア) 防護区画の床面から開口部の下端までの高さが、防護区画の高さの3分の2以下の位置にあるもの
(イ) (ア)以外で、立体駐車場等、防護区画内の防護対象物が防護区画の高さの3分の2を超える部分に存する場合の当該部分に位置する開口部
(ウ) 居室(建基法第2条第4号に規定するものをいう。以下第9節において同じ。)及び人が近づくおそれのある場所に面したもの
(5) 1の防護区画は、2以上の室にわたって設定しないこと。ただし、次に適合する場合にあっては、この限りでない。
(6) 防護区画内には、避難経路を明示することができるよう誘導灯を設けること。ただし、令第26条又は条例第45条の規定が適用されない防火対象物又はその部分で、非常用の照明装置(建基令第126条の5に規定するものをいう。以下同じ。)が設置されているなど十分な照明が確保されている場合にあっては、誘導標識によることができる。
制御盤は、規則第19条第5項第19号の3の規定によるほか、次による。
(1) 原則として、貯蔵容器と同一の場所に設けること。
(2) 操作箱が制御盤に組み込まれているものは隣接部分に設けないこと。ただし、隣接105 部分が13.(8).アからウまでのいずれかに該当する場合にあってはこの限りでない。
(1) 次の表示灯及び音響装置を設けた火災表示盤を、防災センター等に設けること。ただし、規則第12条第1項第8号の規定により総合操作盤が設けられている場合又は自動火災報知設備の受信機でこれらの表示を行い、及び警報を発することができる場合にあっては、この限りでない。
(2) (1)の表示等は、防護区画ごとに行えるものとすること。ただし、同号の表示のうち、ア、イ若しくはオ又は次のいずれかに該当するカ並びに音響装置にあっては、この限りでない。
起動装置は、規則第19条第5項第14号イ、第15号並びに第16号イ、ロ及びニの規定によるほか、次による。この場合において、規則第19条第5項第14号イに規定する「手動式によることが不適当な場所」とは、無人となる時間帯のある防護区画又は防護対象物のある場所(自動火災報知設備が専用の警戒区域を設定して設けられ、かつ、防災センター等に受信機が設置されているものを除く。)をいう。
(1) 手動式の起動装置
(ア) 火災又は点検のとき以外は、当該手動起動装置に絶対に手を触れてはならない旨
(イ) 手動起動装置を設置した場所は、防護区画において放出された消火剤が流入するおそれがあるため、不活性ガス消火設備(二酸化炭素)を起動した後、速やかに安全な場所へ退避することが必要である旨(当該場所について、消火剤が流入するおそれがない場合又は保安上の危険性がない場合を除く。)
(2) 自動式の起動装置
(ア) 1の火災信号は自動火災報知設備の感知器から制御盤に、他の火災信号は消火設備専用に設ける感知器から制御盤に入る方式又は消火設備専用として設ける感知器から複数の火災信号が制御盤に入る方式とすること。
(イ) 1の火災信号を自動火災報知設備の受信機又は中継器からの移報信号とする場合は、警戒区域と防護区画を一致させること。
(ウ) 異なる種類の感知器による、AND回路制御方式(2以上の感知器回路により制御する方式をいう。)とすること。
ただし、高さ20メートル以上となる立体駐車場(垂直循環方式、エレベーター方式、エレベーター・スライド方式のものに限る。)に、差動式分布型感知器が設置されている場合は、同一種類の感知器とすることができる。
(3) 空調設備等との関係
防護区画に空調設備、給排気設備又は排煙設備等(以下「空調設備等」という。)が設置されている場合は、規則第19条第5項第3号の規定によるほか、次のいずれかによること
音響警報装置は、規則第19条第5項第17号及び第19号の2ハの規定によるほか、次による。
(1) 音質は、暗騒音と明らかに区別できるものとすること
(2) 防護区画又は隣接部分を経由しなければ避難することのできない部分が存する場合は、当該部分にも、防護区画の起動装置の作動と連動して警報を発することのできる音響警報装置を設けること。
(3) 防護区画の各部分から音響警報装置までの水平距離が25メートル以下となるよう反響等を考慮して設けること。なお、暗騒音により、音響警報装置のみでは効果が期待できないと認められる場合には、赤色の回転灯を付置すること。
(4) 音響警報装置から音声メッセージが発せられている間は、当該防護区画及び隣接部分については、放送設備又は共同住宅用自動火災報知設備の鳴動を自動的に停止し、又は設置位置、音圧レベルの調整等により、音声メッセージ等の内容の伝達に支障をきたさないよう措置すること。
規則第19条第5項第18号及び第19号の2イに規定する「消火剤を安全な場所に排出するための措置」は、次による。
(1) 自然排出又は機械排出により、屋外又は屋上等人のいない場所で、排出された消火剤等が当該防火対象物又は周囲の防火対象物への流入や、排出先で著しく局部的滞留を起こさない安全な場所に排出できること。
(2) 自然排出を行う場合は、直接外気に開放することのできる開口部を次により設けること。
(3) 機械排出を行う場合は、次によること。
保安措置は、規則第19条第5項第19号イ及び第19号の2の規定によるほか、次による。
(1) 次により、閉止弁を設けること
(ア) 貯蔵容器と選択弁の間の集合管
(イ) 起動用ガス容器と貯蔵容器の間の操作管
(2) 自動火災報知設備の感知器との連動となっている場合は、その旨の注意文章を自動火災報知設備の受信機及び不活性ガス消火設備(二酸化炭素)の制御盤に表示すること
(3) 規則第19条第5項第19号イ(ハ)及び第19号の2ロに規定する「消火剤が放出された旨を表示する表示灯」(以下「放出表示灯」という。)は、次によること。
(備考)
(4) 鍛造場、ボイラー室、乾燥室その他多量の火気を使用する部分に設ける消火設備にあっては、当該火気使用設備の熱源(液体燃料、気体燃料又は電気に限る。)の供給を停止する機構を次により設けること。
(5) 防護区画内及び当該防護区画の出入口部の見やすい位置に、次の注意銘板を設けること。
(備考)
(備考)
(6) 呼吸保護具を次により備えておくこと◆
(7) 隣接部分は、次による安全対策を講じること。
(ア) 隣接部分専用の排出ファンの容量は、1時間当たりおおむね防護区画の体積を2回(ポータブルファンにあっては4回)以上換気できるものとすること。ただし、1時間当たりおおむね隣接部分の体積を5回(ポータブルファンにあっては10回)以上換気できる場合は、これによらないことができる。
なお、隣接部分の排出時に、防護区画からの影響を受けないように、隣接部分の外側に給気用ガラリを設けるなどの措置を講じること
(イ) 隣接部分と防護区画と兼用する排出ファンの容量は、同時に排出した場合、防護区画にあっては第2.11.(3).ウの基準を、隣接部分にあっては上記(ア)の基準をそれぞれ満足するように設けること。
なお、同時に排出しないような措置を講じている場合は、防護区画の排出の基準に適合していれば足りる。
(備考)
(8) 隣接部分が次のいずれかに該当する場合は、規則第19条第5項第19号の2ただし書に適合するものとして取り扱う。