この基準は、消防法第17条第1項の規定に基づく消防用設備等のうち、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、屋外消火栓設備及び連結送水管に用いる加圧送水装置(コンクリート等の固定床に直接設置され、かつ、ポンプを用いるものに限
る。)の吸込側及び吐出側周辺配管に使用する可撓 とう 管継手の構造、性能等の技術上の基準を 定めるものとする。
この基準を適用する可撓 とう 管継手の種類は、別図に示すベローズの外周にブレードを設けたブレード型及びベローズの外周にタイロッドを設けたロッド型の構造のものとする。ただし、複式ベローズのものを除くものとする。
可撓 とう 管継手の一般的構造、強度及び材質は、次に定めるところによるものとする。 (1) 機能に支障を及ぼすおそれのある亀裂、損傷等のないものであること 。
(2) 可とう管継手の内面は、滑らかで異物等の付着がないものであること (3) ロッド型のものは、緩衝材を用いる等の方法により、振動を絶縁する構造であること 。
(4) (3)の緩衝材は、JISK6386(防振ゴムのゴム材料)に規定するもの又はこれと同等以上の耐油性及び耐老化性を有するものであること 。
(5) 可とう管継手の各部の部品で、次表の左欄に掲げるものに用いる材料は、それぞれ当該右欄に掲げるもの又はこれらと同等以上の強度、耐食性及び耐熱性を有するものであること。
部 品 | 材 料 | |
規 格 | 記 号 | |
ベローズ | JIS G 4305(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯) |
SUS 316 SUS 316L |
ブレード |
JIS G 4305(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯) JIS G 4309(ステンレス鋼線) |
SUS 304 |
フランジ タイロッドナット |
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材) SS 400 | SS 400 |
JIS G 3201(炭素鋼鍛鋼品) SF 390A、SF 440A | SF 390A、SF 440A | |
JIS G 4051(機械構造用炭素鋼鋼材) | S20C、S25C | |
JIS G 4303(ステンレス鋼棒) JIS G 4304(熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯) JIS G 4305(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯) |
SUS 304 SUS 304L SUS 316 SUS 316L SUS 321 |
|
JIS G 5501(ねずみ鋳鉄品) | FC 200、FC 250 | |
JIS G 5702(黒心可鍛鋳鉄品) | FCMB 340 | |
接続管等 付属品 |
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材) | SS 400 |
JIS G 3201(炭素鋼鍛鋼品) | SF 390A、SF 440A | |
JIS G 4051(機械構造用炭素鋼鋼材) | S20C、S25C | |
JIS G 4303(ステンレス鋼棒) JIS G 4304(熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯) JIS G 4305(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯) |
SUS 304 SUS 304L SUS 316 SUS 316L SUS 321 |
|
JIS G 5501(ねずみ鋳鉄品) | FC 200、FC 250 | |
JIS G 5702(黒心可鍛鋳鉄品) | FCMB 340 | |
JIS G 3459(配管用ステンレス鋼鋼管) |
SUS 304TP SUS 304LTP SUS 316TP SUS 316LTP |
|
JIS G 3448(一般配管用ステンレス鋼鋼管) |
SUS 304TPD SUS 316TPD |
|
JIS G 3452(配管用炭素鋼鋼管) | SGP | |
JIS G 3454(圧力配管用炭素鋼鋼管) | STPG 370 |
(6) 可とう管継手の流体通過部分の内径は、次表の左欄に掲げる呼び径に応じ、それぞれ当該右欄に掲げる値以上であること 。
呼び径(A) | 最小内径(mm) |
32 | 30.5 |
40 | 36.8 |
50 | 49.0 |
65 | 62.0 |
80 | 74.7 |
100 | 99.6 |
125 | 118.0 |
150 | 140.0 |
200 | 188.0 |
250 | 234.0 |
300 | 280.0 |
可撓 とう 管継手は、次の性能を有するものとする。
(1) 耐震性能
ここで
Y :許容軸直角変位量(㎜)
q :ベローズの波形ピッチ(㎜)
W :ベローズの波形高さ(㎜)
N :ベローズの波形数 Eb :ベローズ材料の縦弾性係数(N/㎜2)
t :ベローズ一層の呼び板厚(㎜)
dp :ベローズの有効径(ベローズの内径+2・t+W)(㎜)
P :最高使用圧力(MPa)
n :ベローズの層数
(注)べローズの耐圧補強等のために調整リング等を用いる構造のものは、上式のうちP・W²/2・t²をP・W/tに代えて適用するものとする。
(2) 振動耐久性能 ア 一端を固定し、他端に軸方向に全振幅0.3㎜、振動数1,000回毎分の振動を105回加えた後において、最高使用圧力の1.5倍の水圧力を3分間加えた場合、漏れ等の異常がないこと イ 一端を固定し、他端に軸直角方向に全振幅0.6㎜、振動数1,000回毎分の振動を105回加えた後において、最高使用圧力の1.5倍の水圧力を3分間加えた場合、漏れ等の異常がないこと 。
。
(3) 耐変位性能
次表の左欄に掲げる呼び径に応じそれぞれ当該右欄に掲げる使用軸直角変位量を変位させた状態で、最高使用圧力の1.5倍の水圧力を3分間加えたときに漏れ等の異常がないこと。
呼び径 (A) |
使用軸直角変位量(mm) | |
ブレード型 | ロッド型 | |
32 | 3.5 | 1.5 |
40 | 2.0 | |
50 | 5.0 | |
65 | ||
80 | ||
100 | 2.5 | |
125 | ||
150 | ||
200 | ||
250 | ||
300 |
(4) 耐圧性能
(5) 等価管長
等価管長は、次式により求めた値とすること
なお、
ここで
L0 :等価管長(m)
D :ベローズの最小内径(m)
△P:直線状ベローズの圧力損失(Pa)
λ :管摩擦係数
L :べローズの長さ(m)
γ :20℃における水の比重量 998.2(㎏/㎥) g :重力の加速度(9.8m/sec2)
q :べローズの波形ピッチ(m)
Q :次表の左欄に掲げる呼びに応じそれぞれ当該右欄に掲げる値(㎥/sec)
呼び径(A) | 水量(㎡/sec) |
32 | 0.0040 |
40 | 0.0067 |
50 | 0.0133 |
65 | 0.0150 |
80 | 0.0225 |
100 | 0.0350 |
125 | 0.0550 |
150 | 0.0800 |
200 | 0.1417 |
可とう管継手には、次の表示をその見やすい箇所に容易に消えないように表示すること。
【別図】
1 ブレード型可とう管継手
2 ロッド型可とう管継手