別記4 原動機出力係数(RE)の算出方法


1 定常負荷出力係数(RE₁)


RE₁=1.3D 

D:負荷の需要率

 

2 許容回転数変動出力係数(RE₂)


  • (1) 原動機がディーゼルエンジンの場合
許容回転数変動出力係数 原動機がディーゼルエンジンの場合 自家発電設備

d :ベース負荷の需要率 

 

ε :原動機の無負荷時投入許容量(PU(自己容量ベース)) 

 

ks:負荷の始動方式による係数 

 

Z’m:負荷の始動時インピーダンス(PU) 

 

cosθs :負荷の始動時力率

 

M₂’ :負荷投入時の回転数変動が最大となる負荷機器の出力(kW) 全ての{(負荷の始動入力(kW))-(原動機瞬時投入許容容量を考慮した定常負荷入力(kW))}の値が最大となる負荷出力(kW)

全ての{(負荷の始動入力(kW))-(原動機瞬時投入許容容量を考慮した定常負荷入力(kW))}の値が最大となる負荷出力(kW) 自家発電設備

を計算して、その値が最大となるmiをM₂’とする。 

 

a  :原動機の仮想全負荷時投入許容量(PU) 

 

ηb:ベース負荷の効率 

 

mi :個々の負荷機器の出力(kW) 

 

K   :負荷の出力合計(kW) 

 

fv₂   :瞬時周波数低下、電圧降下による投入負荷減少係数 別記6.2-1による。 

 

  • (2) 原動機がガスタービンの場合
原動機がガスタービンの場合 許容回転数変動出力係数 自家発電設備

ε    :原動機の無負荷時投入許容量(PU) 

 

ks    :負荷の始動方式による係数

 

Z’m  :負荷の始動時インピーダンス(PU)

 

cosθs :負荷の始動時力率 

 

M₂’   :負荷投入時の回転数変動が最大となる負荷機器の出力(kW)

 

K    :負荷の出力合計(kW)

 

fv₂    :瞬時周波数低下、電圧降下による投入負荷減少係数 

別記6.2-1による。 

 

3 許容最大出力係数(RE₃)


許容最大出力係数(RE3) 自家発電設備

fv₃:瞬時周波数低下、電圧降下による投入負荷減少係数 

別記6.2-1による。 

 

γ    :原動機の短時間最大出力(PU) 

 

d     :ベース負荷の需要率 

 

ks    :負荷の始動方式による係数 

 

Z’m  :負荷の始動時インピーダンス(PU) 

 

cosθs:負荷の始動時力率 

 

M₃’ :負荷投入時の原動機出力を最大とする負荷機器の出力(kW) 

 

全ての(始動入力(kW)-定格入力(kW))の値が最大となる負荷機器の出力(kW)

全ての(始動入力(kW)-定格入力(kW))の値が最大となる負荷機器の出力(kW) 自家発電設備

を計算して、その値が最大となるmiをM₃’とする。 

 

ηb  :ベース負荷の効率 

 

mi   :個々の負荷機器の出力(kW) 

 

K    :負荷の出力合計(kW)

 

4 原動機出力係数REの決定


REは、RE₁、RE₂及びRE₃の最大のものとする。 

 

RE=max.(RE₁、RE₂、RE₃) 

 

5 REの値の調整


4で求めたREの値が1.3Dの値に比べて著しく大きい場合には、対象負荷とバランスのとれたREの値を選定し、その値が1.3Dに近づくよう調整すること。

 

この場合における調整は、次により行うこと 

  • (1) REの値の実用上望ましい範囲 

1.3D≦RE≦2.2

  • (2) 昇降機以外の負荷が要因で過大なREの値となる場合、始動方式の変更を行って、(1)の範囲を満足するようにする。 
  • (3) 回生電力を生ずる昇降機がある場合 

(1)の範囲を満足するものであっても、回生電力を生ずる昇降機がある場合、この回生電力を吸収できることを確認する。

 吸収できない場合は、回生電力を吸収する負荷を設けること

 

6 原動機の軸出力


原動機の軸出力は、RE×K×Cp(kW)以上とする。

 

7 原動機出力係数(RE)の算出手順


原動機出力係数(RE)の算出方法は、前述のとおりであるが、その具体的算出に当たっては、様式4に示す計算シートを用いるものであること。

なお、計算シートを用いた算出の手順は、次によることとし、各算出式に用いる係数等については、別記6の諸元表によること。

 

(1) 原動機出力の算出と整合

負荷表及び発電機出力計算シートに基づいて様式4「自家発電設備出力計算シート(原動機・整合)」の所定欄に当該数値を記入し原動機出力を算出、さらに発電機出力と原動機出力の整合を確認して、自家発電設備出力を求める。

 

原動機出力係数(RE)の算出手順 自家発電設備

(3) 原動機種別によるRE₂ 

  • ア ディーゼルエンジンの場合 
原動機種別によるRE2  ディーゼルエンジンの場合 自家発電設備

⑲:M₂’      負荷表の⑲M₂’の値を記入する。 

 

㊳ :fv₂        別記6.2-1による。 

 

61:RE₂     上記の計算結果をRE₂とする。 

  • イ ガスタービンの場合
原動機種別によるRE2  ガスタービンの場合 自家発電設備
ガスタービンの場合 原動機種別による許容最大出力係数 自家発電設備
ガスタービンの場合 原動機種別による許容最大出力係数 自家発電設備2

 

(5) REを求める。

ガスタービンの場合 原動機種別による許容最大出力係数 自家発電設備3

 

(6) 原動機定格出力 

ガスタービンの場合 原動機種別による許容最大出力係数 自家発電設備4

 

(7) 整合 

消防用設備等の非常電源として、有効かつ適切な自家発電設備の選定のために、発電機出力と原動機出力には一定の関係があり、その適切な組み合わせを図る必要がある。発電機定格出力57と原動機定格出力69の値が次式の関係にある場合、当該出力を自家発電設備の定格出力とする。

ガスタービンの場合 原動機種別による許容最大出力係数 自家発電設備5

なお、MR<1.5となるように計画することが望ましいこと

様式4


 自家発電設備出力計算シート(原動機・整合)