設置方法は、令第29条の3第2項及び規則第31条の2の2の規定によるほか、次による。
(1) 無線通信補助設備の設備方式は、次のいずれかによること
漏えい同軸ケーブル、同軸ケーブル、分配器、接続端子、その他これらに類する器具で構成されているもの
漏えい同軸ケーブル、空中線、同軸ケーブル、分配器、接続端子、その他これらに類する器具で構成されているもの
空中線、同軸ケーブル、分配器、接続端子、その他これらに類する器具で構成されているもの
(2) 無線通信補助設備は、次に掲げる通信設備以外のものと共用しないこと
- ウ ア及びイ以外の用途に使用するもので、総務大臣又は近畿総合通信局長が認める無線通信設備又は有線通信設備
(3) (2)の通信設備と共用する場合には、共用器を設けること。ただし、共用器を設けなくとも使用周波数から感度抑圧、相互変調等による相互の妨害を生じないものにあっては、この限りでない。
(4) 接続端子に無線機を接続し、当該防火対象物内を移動する無線機と通信を行った場合、全区域にわたり無線通信ができること。ただし、次に掲げる部分については、この限りでない。
- ア 耐火構造の壁若しくは床又は特定防火設備である防火戸で区画された床面積100平方メートル以下の倉庫、機械室、その他これらに類する部分
- イ 室内の各部分から1の出入口までの歩行距離が20メートル以下の室で、各出入口のシャッター及び扉が閉じられた状態における当該室内の部分
- ウ 柱、壁、金属物等のある場所のうち電波が著しく遮蔽されるきん少な部分
(5) 無線機を1の接続端子に接続した場合、他の同一周波数の接続端子に接続した無線機と通話ができること
(6) 無線通信補助設備を設置した防火対象物以外への電波の漏えいは、できる限り少なくし、他の無線局の運用に支障を与えないものであること
(7) 無線通信補助設備は、放送受信設備に妨害を与えないものであること
(8) 無線通信補助設備は、有線電気通信設備令(昭和28年政令第131号)に定める規定に適合するものであること
漏えい同軸ケーブル及び同軸ケーブルについては、次による。
- (1) ほこり、湿気等によって機能に異常を生じないこと
- (2) 腐食によって機能に異常を生じるおそれのある部分は、防食措置を講じること
- (3) 接続部には、防水措置を講じること。ただし、防水措置を講じた箱内に収納する場合は、この限りでない。
- (4) 接続部分には、接栓を用い、かつ、接栓相互間の接続には、可とう性のある同軸ケーブ ルを用い適度な余裕をもって接続すること
- (5) 露出して設ける場合は、避難上及び通行上障害とならない位置とすること
- (6) 漏えい同軸ケーブル及び同軸ケーブルの性能及び材質は、別記1「漏えい同軸ケーブル、同軸ケーブル及び空中線の性能及び材質」に適合すること
- (7)
漏えい同軸ケーブル及び同軸ケーブルは、当該ケーブルに石綿若しくはけいそう土等を巻く方法又は当該ケーブルを不燃材料で区画された天井裏に布設する方法その他これらと同等以上の耐熱措置を講じること。ただし、別記2「耐熱形漏えい同軸ケーブル、耐熱形同軸ケーブル及び耐熱形空中線の性能及び材質」に適合するものとして一般社団法人電線総合技術センターの評定を受けたものにあっては、この限りでない。
- (8) 漏えい同軸ケーブル及び同軸ケーブルは、金属製又は磁器製等の支持具で5m以内ごとに壁、天井、柱等に堅固に固定すること。ただし、不燃材料で区画された天井裏に設ける場合は、この限りでない。
- (9) 漏えい同軸ケーブル及び同軸ケーブルの曲げ半径は当該ケーブル等の外径の30倍以上とすること
- (10) 漏えい同軸ケーブル及び同軸ケーブルは、特別高圧又は高圧の電路から1.5m以上離すこと。ただし、当該電路に静電遮蔽を有効に施している場合は、この限りでない。
- (11) 漏えい同軸ケーブルの終端末には、無反射終端抵抗器(ダミー抵抗)を堅固に取り付けること
- (12) 漏えい同軸ケーブル及び同軸ケーブルの設置状態での電圧定在波比は、使用周波数において1.5以下であること
空中線は2.(1)、(2)及び(10)の例によるほか、次による。
- (1) 空中線の性能及び材質は、別記1「漏えい同軸ケーブル、同軸ケーブル及び空中線の性能及び材質」に適合すること
- (2) 空中線は壁、天井及び柱等に金属又は不燃材料の支持具で堅固に固定すること
- (3) 空中線は、当該空中線にけいそう土等を巻く方法又は当該空中線を不燃材料で区画された天井裏に布設する方法その他これらと同等以上の耐熱措置を講じること。ただし、別記2「耐熱形漏えい同軸ケーブル、耐熱形同軸ケーブル及び耐熱形空中線の性能及び材質」に適合するものにあっては、この限りでない。
- (1) 使用周波数において、電圧定在波比は1.5以下であること。ただし、共用器は除く。
- (2) 厚さ0.8mm以上の鋼板製又はこれと同等以上の強度を有する箱に収納すること
- (3) 設置位置は、保守点検及び取扱いが容易にできる場所であるほか、次のいずれかの場所に設けること。ただし、別記3「耐熱箱の性能及び材質」に適合する耐熱箱に収容されるものにあっては、この限りでない。
ア 防災センター、中央管理室、電気室等で壁、床、天井が不燃材料で造られており、かつ、開口部に防火戸を設けた室内
イ 不燃材料で区画された天井裏
ウ 耐火性能を有するパイプシャフト(ピット等を含む。)内
エ 建基令第123条に規定する避難階段又は特別避難階段の構造に適合する階段室内
オ その他アからエまでに類する場所で延焼のおそれの少ない場所
接続端子は、次による。
(1) 地上に設ける接続端子は、400MHz帯用1個と260MHz帯1個の合計2個を、1の保護箱内に設けること。
(2) 地上に設ける接続端子は、地下街において、1の出入口から他の最も離れた出入口までの歩行距離が300m以上となる場合は2箇所以上設けること。
(3) 接続端子は、JISC5411高周波同軸C01形コネクタのうちコネクタ形状が接栓座でコンタクト形状がめすのものに適合するものであること(図5-5-1)
(4) 接続端子には電気的、機械的保護のために無反射終端抵抗器(ダミー抵抗)及びキャップを設けること。ただし、第3.6.(6)に規定する接続用の同軸ケーブルを常時接続しているものにあっては、この限りでない。
接続端子を収納する保護箱は、次による。
(1) 保護箱の材質は、防錆加工を施した厚さ1.6mm以上の鋼板製又はこれと同 等以上の強度を有するものであること。ただし、屋内に設けるものにあっては、厚さ0.8mm以上とすることができる。
(2) 保護箱は、容易に開閉できる扉を有し、かつ、操作が容易に行える大きさのものであること。
(3) 地上に設ける保護箱は、施錠できる構造とすること
(4) 地上に設ける保護箱のかぎ穴及び扉部には、防滴及び防じん措置を講じること。
(5) 保護箱内の見やすい箇所に最大許容入力電力、使用できる周波数帯及び注意事項等を表示すること。
(6) 保護箱内には、次のものを設けること。
- ア 可とう性のある5D-2V又はEM-5D-2Eの接続用の同軸ケーブル(5m以上)を周波数ごとに設けること
- イ アの同軸ケーブルの両端には、JISC5411高周波同軸C01形コネクタ(通称「NP型」という。)及びMIL規格(米国軍用規格)TNC形コネクタ(通称「TNCP型」という。)を設けること(図5-5-2)
増幅器を設ける場合には、2.(1)、(2)及び4.(3)の例によるほか、次による。
- (1) 増幅器の外箱は、厚さ0.8mm以上の鋼板又はこれと同等以上の強度を有する金属で造ること。
- (2) 増幅器の内部に主電源回路を開閉できる開閉器及び過電流遮断器を設けること。ただし、遠隔操作で自動的に電源が入るものにあっては、開閉器を設けないことができる。
- (3) 増幅器の前面には、主回路の電源が正常であるかどうかを表示する灯火又は電圧計を設けること。
- (4) 増幅器は、双方向性を有するもので送信及び受信に支障のないものであること。
- (5) 増幅器の電源電圧が定格電圧の90%から110%までの範囲内で変動した場合、機能に異常を生じないものであること。
- (6) 非常電源及び非常電源回路の配線(内蔵型を除く。)並びに操作回路の配線は第6章「非常電源の基準」によること。
無線通信補助設備の非常電源回路等は、図6-22の例により非常電源から増幅器の入力端子までを耐火配線、操作回路を耐火配線又は耐熱配線とすること。