第9 特例基準


連結送水管を設置しなければならない防火対象物又はその部分のうち、次のいずれかに該当するものについては、令第32条又は条例第47条の規定を適用し、それぞれ当該各項に定めるところによる。 

 

1 屋内消火栓設備の基準(第12.1((6)を除く。))に適合するものについては、連結送水管を設置しないことができる。 

 

2 地階を除く階数が7以上の建築物のうち、延べ面積が2,000㎡未満で、7階以上の階の部分を昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類するものに使用し、かつ、当該部分に電動機以外の可燃物を収容又は使用しないものについては、連結送水管を設置しないことができる。 

 

3 延長50m以上のアーケードのうち、道路の片側又は両側に設けるもの、又は屋根が定着していないものについては、連結送水管を設置しないことができる。 

 

4 仮設建築物で、屋内消火栓設備の基準(第12.2.(1)から(4)まで)に適合するものについては、連結送水管を設置しないことができる。 

 

5 階段室型共同住宅等(個々の階段室等(地上若しくは避難階に通じる直通階段又はその階段室をいう。以下同じ。)を連結する廊下を有するものを除く。)において、放水口を次により設置する場合は、令第29条第2項第1号の規定によらないことができる。 

  • (1) 階段室等ごとに、3階に設けること
  • (2) (1)により設けるものを含み、階段室等ごとに、それぞれ階数が3(メゾネット型住戸(1の住戸でその階数が2以上にわたるものをいう。)の階数は1とみなす。)以内ごとに、かつ、3階以上の階の各部分から1の放水口までの歩行距離が50m以下となるように設けること 

6 スキップフロア型又はメゾネット型共同住宅等において、放水口等を次により設置する場合は、令第29条第2項の規定によらないことができる。 

  • (1) 放水口は双口形とし、廊下階の階段室、非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類する場所で、消防隊が有効に消火活動を行うことのできる位置に設けること
  • (2) 当該防火対象物の3階以上の階の各部分から、1の放水口までの歩行距離が50m以下であること
  • (3) 放水口の設置階の最下階は4階以下とすること
  • (4) 放水口の上部には、赤色の位置表示灯を設けること 

7 次のいずれかに該当するものについては、条例第46条第4項の規定による放水口を設置しないことができる。 

  • (1) 連結送水管の設置を要する部分が地階だけとなるもの
  • (2) 防火対象物の屋根が片流れ又は切妻屋根等であり陸屋根部分がなく消防活動が困難であるもの
  • (3) 屋上に上がるための階段が設けられていないもの 

条例第46条第1項第3号の規定のみにより連結送水管の設置を要することとなる自動車駐車場のうち、1層2段の自走式自動車駐車場にあっては、次の(1)及び(2)に、その他のものにあっては、次に適合するものについては連結送水管を設置しないことができる。

  • (1) 当該部分の床面の高さが、地盤面から7m以下の位置にあること
  • (2) 1面以上が道(幅員が現に4m以上であるものに限る。以下同じ。)又は道に通じる幅員4m以上の通路その他の空地(以下「道路等」という。)に面しており、かつ、当該道路等から、梯子を架梯し、又は屋外階段、屋外傾斜路を使用することなどにより、消防隊が当該部分に容易に進入できること
  • (3) 当該部分の一辺の長さがいずれも40m以下であり、かつ、その床面積が1, 000㎡以下であること 

9 地階を除く階数が11の防火対象物で、11階の各部分から1の放水口までの歩行距離が25m以下である場合は、規則第31条第6号ロの規定にかかわらず、ホースの格納本数は2本以上とすることができる。 

 

10 最上階(条例第46条第1項第3号に掲げる屋上を含む。)に設ける放水口の地盤面からの高さが70mを超えないものにあっては、規則第31条第6号イの規定にかかわらず、加圧送水装置を設置しないことができる。