第6 加圧送水装置等


令第29条第2項第4号ロの規定により加圧送水装置を設ける場合は、規則第31条第6号イ(規則第12条第1項第7号ハ(ニ)を除く。)、第8号及び第10号の規定によるほか、次による(図5-3-4)。 

 

11階以上の建築物に設置する連結送水管に加圧送水装置を設ける場合
図5-3-4 11階以上の建築物に設置する連結送水管に加圧送水装置を設ける場合

1 高さの算定


規則第31条第6号イに規定する建築物の高さは、地盤面から最上階の屋上スラブの下面までの高さをいう。

 

2 設置場所


加圧送水装置の設置場所は、地盤面からの高さが70m以下の位置に、屋内消火栓設備の基準(第4.1)を準用して設けるものとする。ただし、設計送水圧力を1.5㎫とし、加圧送水装置への押込み圧力が0.1㎫以上となる場合は、70mを超える位置に設置することができる。

 

3 種別


加圧送水装置専用の中継ポンプを用いるものとする。

 

4 中継ポンプの全揚程


中継ポンプの必要全揚程を算定する際は、第3.2.(1)、(3)及び(4)の例によるほか、次による。 

  • (1) 全揚程の算定にあたっては、中継ポンプの一次側に設けられる放水口のうち送水口からの圧力損失が最大となる放水口において、ノズルの先端における放水圧力が0.6㎫となる設計送水圧力により送水した場合に、中継ポンプにかかる押込み圧力を加算することができる。
  • (2) 摩擦損失計算は、放水口のホース接続口1個当り800ℓ 毎分の水量が流れるものとして行うこと

 

5 中継ポンプの構造等


中継ポンプの締切圧力に4.(1)の押込み圧力を加算した圧力がかかった場合でも異常を生じないものとする。

 

6 付属装置


(1) 中間水槽を次により設けること 

  • ア 水源の水位が中継ポンプの位置以上となるように設け、当該ポンプの一次側に専用の配管をもって接続すること
  • イ 自動給水装置を設け、かつ、有効水量は8㎥以上とすること
  • ウ 中間水槽を他の消火設備の中間水槽と兼用する場合は、連結送水管の規定水量及び他の消火設備の規定水量のうち、その大なる量以上の量とすること

(2) 制御盤 

 

7 配管の構造等


中継ポンプの吸水側配管と吐出側配管との間にはバイパス配管(逆止弁を設けた配管をいう。)を設けること。

 

8 起動装置


規則第31条第6号イ(ハ)の規定によるほか、防災センター等に設けられた操作部から遠隔操作できるものとして差し支えない。

 

9 起動表示


屋内消火栓設備の基準(第4.6)を準用する。

 

10 警報装置の表示


屋内消火栓設備の基準(第4.7)を準用する。

 

11 連絡装置


中継ポンプの制御盤の直近、中継ポンプの二次側に設ける放水口の直近及び送水口の直近に、防災センター等との間で直接通話することのできる連絡装置を次により設けるものとする。 

  • (1) 中継ポンプの制御盤の直近及び送水口の直近の連絡装置に非常電話を設ける場合は、非常警報設備(放送設備)の起動装置とならないようにすること。
  • (2) 非常電話と兼用する場合は「非常電話」又は「連絡装置」と表示し、連絡装置のみの場合は「連絡装置」と表示すること。

 

12 標識


加圧送水装置の設置室等の出入口には、連結送水管用の中継ポンプが設置してある旨を表示した標識を設けること。