避難口誘導灯の設置は、令第26条第2項第1号並びに規則第28条の2第1項並びに第28条の3第1項、第2項、第3項第1号、第4項第1号から第3号まで、第6号から第8号まで及び第12号並びに誘導灯及び誘導標識の基準(平成11年消防庁告示第2号。以下この節にお
いて「告示第2号」という。)の規定によるほか、次による。
(1) 出入口が通路等に平行して設けられている場合は、矢印を付した避難口誘導灯を当該出入口の前面通路等の上部に設けること。(図3-2-1)
(2) 屋内に設ける直通階段の避難階の出口には、避難口誘導灯を設置すること。ただし、階段が避難階で乗り換え構造になっていること等により、避難階であることが容易に判断できる場合には、設けないことができる。
(3) 廊下等の曲り角のうち、避難口からの歩行距離が5メートル以下となる位置にあるもので、次に適合する場合は、矢印を付した避難口誘導灯を当該曲り角に設置することをもって足りる(図3-2-2)。
(4) 廊下等に防火設備があり、当該防火設備のある場所から2方向に避難できる場合は、避難口誘導灯を当該防火設備の両側の上部又はその直近の避難上有効な箇所に設けること。ただし、防火設備が主要な避難口から20m以内の距離にある場合にあっては、当該避難口の側には設けないこと。(図3-2-3)
(5) 居室が連続し、他の居室を通らなければ廊下等に出られない場合は、各居室の出入口ごとに避難口誘導灯を設けること。ただし、居室の出入口が次に適合する場合は、この限りでない。
(6) 居室の出入口が、連続して2以上設けられている場合は、10mにつき1個以上設置することをもって足りる(図3-2-4)。
注1 2以上の出入口が断続的にある場合は、出入口ごとに設けること
注2 可動式の間仕切りにより2以上に区画されている場合は当該区画をそれぞれ1の居室とみなす。
(1) 避難口誘導灯を壁等に埋め込む場合にあっては、当該壁等の強度及び耐火性能に支障をきたさないように設けること 。
(2) 避難口誘導灯には、次により耐震措置を講じること。
誘導灯の消灯は、次による。
(1) 規則第28条の3第4項第2号に掲げる、消灯することができる場合又は場所とは、次によること 。
用 途 | 使 用 状 態 |
遊園地のアトラクション等の用に供される部分(酒類、飲食の提供を伴うものを除く。)など常時暗さが必要とされる場所 | 当該部分における消灯は、営業時間中に限り行うことができるものであること。従って、清掃、点検等のため人が存する場合には、消灯はできないこと |
劇場、映画館、プラネタリウム、映画スタジオ等の用途に供される部分(酒類、飲食の提供を伴うものを除く。)など一定時間継続して暗さが必要とされる場所 | 当該部分における消灯は、映画館における上映時間中、劇場における上映中など当該部分が特に暗さが必要とされる状態で使用されている時間内に限り行うことができること |
集会場等の用に供される部分など一時的(数分程度)に暗さが必要とされる場所 | 当該部分における消灯は、催し物全体の中で特に暗さが必要とされる状態で使用されている時間内に限り行うことができること |
(2) 消灯方法は、次によること
(ア) (1).イに掲げる場所に設置する場合であって、警備員、宿直者等が常駐せず手動で消灯することが困難な場合は、光電式自動点滅器により消灯を自動で行う方式とすることができる。
(イ) (1).ウに掲げる場所に設置する場合であって、当該必要性の観点から誘導灯の消灯時間が最小限に設定されているときは、消灯を自動で行う方式とすることができる。
(ア) 誘導灯が消灯されること
(イ) 火災の際には誘導灯が点灯すること
(ウ) 避難経路について
(3) 点灯方法は、次によること
消 灯 対 象 | 点 灯 方 法 | |
自 動 | 手 動 | |
当該防火対象物が無人である場合 |
照明器具連動装置 扉開放連動装置 施錠連動装置 赤外線センサー 等 |
防災要員、警備員、宿直者等により、当該場所の利用形態に応じて、迅速かつ確実に点灯することができる防火管理体制が整備されていること |
外光により避難口又は避難の方向が識別できる場所に設置する場合 |
照明器具連動装置 光電式自動点滅器 等 |
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利用形態により特に暗さが必要である場所に設置する場合 |
照明器具連動装置 扉開放連動装置 等 |
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主として当該防火対象物の関係者及び関係者に雇用されている者の使用に供する場所に設置する場合 |
照明器具連動装置 等 |
注1 当該場所の利用形態に応じた点灯方法としては、上表に掲げるものからいずれかの方法を選択すればよい。
注2 自動を選択した場合にあっても、点滅器を操作すること等により、手動でも点灯できるものとすること。
(4) 配線等
(ア) (1).アに掲げる場所に設置する場合であって、次に掲げる消灯方式のもの
(イ) (1).ウに掲げる場所に設置する場合には、当該場所を見とおすことができる場所又はその付近に設けることができる。
(5) 誘導灯を消灯する場合の各装置の接続方法は、別記の例により施工して差し支えない。
誘導灯の点滅機能及び音声誘導機能は、次による。
(1) 設置推進防火対象物
次に掲げる防火対象物又はその部分のうち、自動火災報知設備を設置しているもので、主要な避難口に避難口誘導灯を設置する場合は、原則として、利用者又は設置場所の状況に応じて、点滅機能、音声誘導機能又は点滅・音声誘導機能を有するものとすること。
なお、ウに設置するものにあっては、点滅機能又は点滅・音声誘導機能を有するものとすること。
(2) 設置することが望ましい防火対象物
(1)に掲げるものを除き、次に掲げる防火対象物又はその部分のうち、自動火災報知設備を設置しているもので、主要な避難口に避難口誘導灯を設置する場合は、努めて点滅・音声誘導機能を有するものとすること。なお、利用者の状況に応じて、点滅・音声誘導機能を有するものに替え、点滅機能又は音声誘導機能を有するものとすることができる。
(3) 設置方法は、次によること
(ア) 音響により警報を発する自動火災報知設備が設置されている防火対象物又はその部分においては、感知器からの火災信号のほか、自動火災報知設備の受信機が火災表示を行う要件(中継器からの火災表示信号、発信機からの火災信号等)と連動して点滅機能及び音声誘導機能が起動するものであること。なお、この場合における自動火災報知設備は、十分な非火災報対策が講じられていること 。
(イ) 音声により警報を発する自動火災報知設備又は非常警報設備(放送設備)が設置されている防火対象物又はその部分においては、点滅機能及び音声誘導機能は、火災の発生が確認された場合に行う火災警報又は火災放送に合わせて起動すること 。
(ウ) 規則第24条第5号ハ及び第5号の2ロ(イ)に規定する自動火災報知設備の地区音響装置の区分鳴動を行うことができる防火対象物又はその部分並びに規則第25条の2第2項第3号チに規定する非常警報設備(放送設備)のスピーカーの区分鳴動を行うことができる防火対象物又はその部分においては、地区音響装置又はスピーカーの区分鳴動を行う階について、点滅機能及び音声誘導機能が起動するものとすること。また、一定の時間が経過した場合又は新たな火災信号を受信した場合に、地区音響装置又はスピーカーが区分鳴動方式から全館一斉鳴動方式に切り替わるように措置されているもの(音響により警報を発する自動火災報知設備が設置されている防火対象物又はその部分で、自動火災報知設備の基準(第6.11.(1))のただし書により全館一斉鳴動方式に切り替わるように措置されているものを含む。)にあっては、当該地区音響装置又はスピーカーの鳴動に合わせて、点滅機能及び音声誘導機能が起動すること。
(ア) 音声誘導機能が作動している時に、音声により警報を発する自動火災報知設備又は非常警報設備(放送設備)により火災警報又は火災放送が行われる場合には、自動火災報知設備の基準(第6.12)に準じて当該音声誘導機能が自動的に停止すること。ただし、誘導灯の設置位置、音圧レベルを調整すること等により、その火災警報又は火災放送内容の伝達が困難若しくは不十分となるおそれのない場合にあってはこの限りでない。
(イ) 点滅機能及び音声誘導機能により誘導される避難口からの避難経路として使用される直通階段の階段室が煙により汚染された場合にあっては、当該誘導灯の点滅機能及び音声誘導機能が自動的に停止すること。ただし、次に掲げる場所に設置するものにあっては、この限りでない。
(ウ) (イ)において当該階段室には、当該部分の煙を感知し、誘導灯の点滅機能及び音声誘導機能を停止させるための煙感知器を規則第23条第4項第7号の規定の例により設けること。ただし、自動火災報知設備の煙感知器が当該階段室の煙を感知することができるように設けられており、かつ、適切に警戒区域が設定される場合にあっては、当該煙感知器と連動して停止させることで足りるものであること
(1) 次に掲げる出入口については、令第32条又は条例第47条の規定を適用し、避難口誘導灯を設置しないことができる。
(ア) 玄関ホール等の各部分から当該出入口を容易に見とおし、かつ、識別することができること 。
(イ) 当該出入口から屋外を容易に見とおすことができること。ただし、玄関ホール等の各部分から当該出入口までの歩行距離が5メートル以下のもので、かつ、玄関ホール等が開放式であるか非常用の照明装置が有効に設けられている場合は、この限りでない(図3-2-6)。
(ア) 居室の各部分から主要な避難口を容易に見とおし、かつ、識別することができること
(イ) 床面積が100平方メートル(主として防火対象物の関係者及び関係者に雇用されている者の使用に供するものあっては400平方メートル)以下である居室に設けられたもの
(ア) 各独立部分の床面積が100平方メートル以下であること
(イ) 各独立部分内の廊下等(就寝室(宿泊者又は入居者の就寝の用に供する居室をいう。以下同じ。)からの避難経路に限る。以下オにおいて同じ。)に建基令第126条の4及び5の規定の例により非常用の照明装置を設置し、又は、各就寝室に常時容易に使用可能な、次に適合する携帯用照明器具が設けられていること
(ウ) すべての宿泊室(直接外部又は第8章第7節第4.1.(1)に定める避難上有効なバルコニーに至ることができる宿泊室を除く。)から2以上の居室を経由せず、各独立部分の主たる出入口に通ずる廊下等に至ることができること。
ただし、他の居室を経由して避難することが必要な場合には、当該経由する居室に建基令第126条の4及び5の規定の例により非常用の照明装置を設置し、又は、他の居室を経由して避難することが必要な居室に(イ)に定める携帯用照明器具が設けられていること
(エ) (ウ)の廊下等に曲がり角又は扉が複数あり、避難に支障があると認める場合は、当該廊下等に誘導標識が設置されていること
(ア) 開放式の廊下等に接続し、次に適合する直通階段の出入口(図3-2-7)
×:避難口誘導灯の設置に関し特例を適用できる部分
(イ) 開放式の廊下等に接続された屋外直通階段の出入口
(ア) 日出から日没までの間のみ使用し、避難上採光が十分であること
(イ) 誘導標識が規則第28条の3第5項の規定により設置されていること
(ア) 冷凍室又は冷蔵室内の各部分から直近の出入口までの歩行距離が30メートル以下のもの
(イ) 出入口であることが識別することができる表示及び緑色の灯火が当該出入口に設けられており、かつ、冷凍室又は冷蔵室の作業に使用する運搬車等に付置された照明装置により十分な照度を得ることができるもの
(ウ) 通路部分の曲り角が1以下で、かつ、出入口であることを識別することができる表示及び非常電源を付置した緑色の灯火が容易に確認できるもの
(2) 規則第28条の3第4項第3号の規定により避難口誘導灯の区分がA級又はB級(表示面の明るさが20以上のもの又は点滅機能を有するもの)のものとしなければならない場所のうち、主として当該防火対象物の関係者及び関係者に雇用されている者の使用に供する部分については、令第32条の規定を適用し、A級、B級又はC級のものとすることができる。
(3) 消火器具の基準(第4.6)に適合するものについては、住戸ごとにそれぞれ別の防火対象物とみなし令第26条及び条例第45条の規定を適用することができる。