第6 音響装置


音響装置は、規則第24条第5号及び第5号の2の規定によるほか、次による。 

 

1 音響効果を妨げるような障害物のある場所には設けないこと

 

2 外傷を受けるおそれのある場所には設けないこと

 

3 ベルの鳴動により設備に振動を与えないように設けること

 

4 規則第24条第5号イ(ロ)及び第5号の2イ(ロ)に規定する「室内又は室外の音響が聞き取りにくい場所」とは、第3.5の例による。 

 

5 規則第24条第5号イ(ロ)及び第5号の2イ(ロ)に規定する「当該場所において他の警報音又は騒音と明らかに区別して聞き取ることができるように措置されていること」とは、第3.6の例による。

 

6 規則第24条第5号イ(ハ)及び第5号の2イ(ハ)に規定する「当該個室において警報音を確実に聞き取ることができるように措置されていること」とは、次に適合するものとする。

(1) 任意の場所で65デシベル以上の警報音を確保すること 

 

(2) 暗騒音(ヘッドホン等から流れる音を含む。)が65デシベル以上ある場合は、次のいずれかの措置又はこれと同等以上の効果のある措置を講ずること 

  • ア 個室における音響装置の音圧が、通常の使用状態においてヘッドホン等から流れる最大音圧(音響機器自体において一定以上音圧が上がらないよう制限されている場合や、個室内の見やすい箇所に、最大音圧で利用した場合、火災警報が確認できない旨を記載した標識を掲出することにより、利用者に音圧を一定以上に上げないよう周知徹底が図られている場合等においては、当該音圧をいう。)より6デシベル以上強くなるよう確保されていること
  • イ 自動火災報知設備の作動と連動して、音響装置の音以外の音を自動的に停止又は低減させること
  • ウ 常時人がいる場所に受信機又は火災表示盤等を設置することにより、音響装置が鳴動した場合に音響装置以外の音を手動で停止又は低減できるものであること。ただし、常時人がいる場所に火災が発生した際の音響装置以外の音の停止方法、避難誘導及び火災通報等のマニュアルを掲示したものに限る。 

(3) 警報音及び暗騒音が把握できない場合や、火災の報知に支障ないことが確認できない場合等は、次のいずれかの措置を講ずること 

  • ア 各個室に音響装置を設置すること
  • イ 自動火災報知設備の作動と連動して、音響装置の音以外の音を自動的に停止させること
  • ウ 常時人がいる場所に受信機又は火災表示装置等を設置することにより、音響装置が鳴動した場合に音響装置以外の音を手動で停止できるものであること。ただし、常時人がいる場所に火災が発生した際の音響装置以外の音の停止方法、避難誘導及び火災通報等のマニュアルを掲示したものに限る。 

7 屋上部分を多数の者が利用する遊技場、ビアガーデン、プール等に使用する場合又はガーデンテラス等常時人が利用する場合は、当該部分にも音響装置を設けること。

 

8 音色は、他の機器の音色と明らかに区別できること 

 

9 可燃性ガス、粉じん等の滞留するおそれのある場所に設けるものにあっては、防護措置を講じること 

 

10 雨水等が侵入するおそれのある場所に設けるものにあっては、防護措置を講じること。ただし、防滴型のものを設ける場合は、この限りでない。 

 

11 地区音響装置の鳴動方法は、防火対象物又はその部分の全区域に警報を発する方式(以下「全館一斉鳴動方式」という。)とすること。ただし、規則第24条第5号ハに掲げる防火対象物又はその部分にあっては、図2-1-18に示す鳴動方式(以下「区分鳴動方式」という。)を、同条第5号の2ロに掲げる防火対象物又はその部分にあっては、全館一斉鳴動方式又は区分鳴動方式とするほか、区分鳴動方式については次によること 

(1) 階段、傾斜路、エレベーターの昇降路その他これらに類するたて穴部分に設置した感知器(第4.2.(11).キ.(カ)ただし書によりエレベーター機械室に設置された感知器でエレベーター昇降路を警戒する場合のものを含む。)が作動しても地区音響装置は鳴動しないものであること。ただし、この場合において、次号による一定の時間が経過した場合又は新たな火災信号を受信した場合には、全館一斉鳴動方式に切り替わるように措置されていること 

 

(2) 規則第24条第5号ハ又は第5号の2ロ(イ)の規定により、一定の時間が経過した場合又は新たな火災信号を受信した場合には全館一斉鳴動方式に切り替わるものとするほか、次によること 

  • ア 一定の時間とは、出火階及びその直上階からの避難が完了すると想定される時間等及び防火対象物の用途、規模等並びに火災確認に要する時間等を考慮して、最大10分以内の時間で設定できるものとする。
  • イ 新たな火災信号とは、次のいずれかによるものとする。 

(ア) 感知器が作動した警戒区域以外の警戒区域からの火災信号 

 

(イ) 他の感知器からの火災信号(火災信号を感知器ごとに認識できる受信機に限る。)

 

(ウ) 発信機からの信号 

 

(エ) 火災の発生を確認した旨の信号

区分鳴動方式のマトリックス図
図2-1-18 区分鳴動方式のマトリックス図

 

12 放送設備が併設されている防火対象物にあっては、放送設備のマイクスイッチを入れることにより自動火災報知設備の地区音響装置の鳴動が停止し、また、マイクスイッチを切ることにより再び地区音響装置が鳴動すること。

 

13 光警報装置及び光警報制御装置

 

(1) 光警報装置及び光警報制御装置(以下「光警報装置等」という。)は、次に掲げる防火対象物又はその部分に設置することが望ましいこと 

  • ア 令別表第1(10)項に掲げる防火対象物のうち、大規模な空港、駅その他これらに類する防火対象物
  • イ 令別表第1(6)項ロ及びハに掲げる防火対象物のうち、主に聴覚障がい者が利用する防火対象物
  • ウ その他光警報装置等により積極的に火災を報知する必要性が高いと認められる部分 

(2) 光警報装置等を設置する場合にあっては、「光警報装置の設置に係るガイドラインの策定について」(平成28年9月6日付け消防予第264号。消防庁予防課長通知)中別添の光警報装置の設置に係るガイドラインによるほか、次によること 

  • ア 光警報装置等の電源を自動火災報知設備の受信機の電源から供給する場合の当該電源容量は、自動火災報知設備の受信機に必要な電源容量に光警報装置等が消費する電源容量を加えた容量以上とすること
  • イ 光警報制御装置の二次側(光警報制御装置以降の部分であって、当該光警報制御装置の機能不良により影響を受ける部分をいう。以下同じ。)には地区音響装置を設けないこと
  • ウ 自動火災報知設備の受信機から光警報装置までの配線は、自動火災報知設備の機能に影響を及ぼさないよう、規則第24条第5号ホの規定に準じて設けること。ただし、エの措置を講じた光警報制御装置の二次側の配線についてはこの限りでないが、同様とすることが望ましいこと
  • エ 光警報制御装置は、自動火災報知設備の機能に影響を及ぼさないよう、光警報制御装置の二次側の配線が短絡した場合でも短絡部分を切り離す措置が講じられていることが望ましいこと
  • オ 自動火災報知設備が区分鳴動方式となっている防火対象物に光警報装置等を設置する場合、区分鳴動方式の趣旨から、光警報装置も区分ごとに警報を発することが望ましいこと
  • カ 放送設備と地区音響装置を併用して設ける場合、当該放送設備の放送中に、光警報装置の作動が停止しないことが望ましいこと
  • キ 光警報装置等の接続例を図2-1-19に示す。 
図2-1-19 光警報装置等の接続例
図2-1-19 光警報装置等の接続例