次に掲げる場所にあっては、設置場所の環境状態に応じて感知器を選択するものとする。
(1) 多信号感知器又は複合式感知器(熱複合式スポット型感知器、煙複合式スポット型感知器、熱煙複合式スポット型感知器及び炎複合式スポット型感知器をいう。以下同じ。)以外の感知器。
(2) 多信号感知器及び複合式感知器
多信号感知器及び複合式感知器については、その有する種別、公称作動温度又は当該感知回路の蓄積機能の有無の別に応じ、そのいずれもが(1)により適応感知器とされるものを設置すること。
(1) 短辺の長さが3m未満の細長い居室及び1.(1)により熱感知器を設置する廊下、通路等(幅員3m未満のものに限る。)にあっては、次表の数値(歩行距離)につき感知器を1個以上設置すること。
(2) 取付け面の下方0.5m以上の部分に、短辺が3m以上で、かつ、面積が20㎡以上の棚、張出し等がある場合は、異なる感知区域として感知器を設置すること。
(3) 押入又は3.3㎡以下の物入(以下「押入等」という。)の感知器の設置については、次によること。
押入等の感知器の設置例
① 押入等の感知器を省略できる場合
② 押入等の感知器が省略できない場合
(a) 天井が不燃材料の場合
(b) 天井が不燃材料以外のもので天井裏に感知器があるもの
③ 一箇所の押入等をそれぞれA室とB室で使用している場合
(4) スポット型感知器は、1の感知区域内で極端に偏在しないように設置すること。
(5) 取付け面の高さは、次式により計算し、適応感知器を設置すること(図2-1-4)
(6) 次のいずれかに該当する場合は、規則第23条第4項第8号の規定にかかわらず、換気口等の空気吹き出し口から1.5メートル未満に感知器を設置することができる(図2-1-5)。
(7) 感知器を他の設備の感知装置と兼用するものにあっては、火災信号を他の設備の制御回路等を中継しないで受信すること。ただし、火災信号の伝送に障害とならない方法で兼用するものにあっては、この限りでない。
(8) 取付け面の下方0.4m(差動式分布型感知器又は煙感知器にあっては0.6m)以上1m未満のはり等による小区画が連続する場合は、使用場所の構造、感知器の取付け面の高さ及び感知器の種別に応じ、次表で定める範囲内において感知器を設置する区画とこれに隣接する区画を1の感知区域とすることができる。
(9) 取付け面の下方0.4m(煙感知器にあっては0.6m)以上1m未満のはり等により区画された5㎡(煙感知器にあっては10㎡)以下の小区画が感知器を設置する区画に1つ隣接する場合は、当該部分を含めて1の感知区域とすることができる。
(10) 床面積に算入されない免震ピット内における感知器の設置場所は、電気配線、オイル配管等が敷設される部分に設置することで足りるものとする。
(11) 感知器種別ごとの設置方法は、次によること
※ 感知器設置場所の空間に面している間仕切壁等の60%以上を開放すること。 よって、①又は②とし、①については2面のうち1面に対する割合でよい。
(ア) 空気管を布設する場合で、メッセンジャーワイヤを使用する場合(空気管とメッセンジャーワイヤのより合わせ及びセルフサポートによる場合等を含む。)は、ビニル被覆が施されたものを使用すること。
(イ)10分の3以上の傾斜をもつ天井に布設する場合は、図2-1-7の例により、その頂部に空気管を取り付けること。
(ウ) 図2-1-8の例により空気管を設けた場合は、規則第23条第4項第4号ハのただし書の規定に適合するものとする。
(エ) 空気管の露出長が20mに満たない場合は、図2-1-9の例により2重巻き又はコイル巻きとすること。
(オ) 検出部を異にする空気管が平行して隣接する場合は、その間隔を1.5m以内とすること
(カ) 規則第23条第4項第4号ニに規定する「空気管の長さ」には、検出部に接続するリード用空気管もその長さに含まれるものであること。
(キ) 空気管は、ステープル、バインド線等(以下「止め金具」という。)により0.35m以内の等間隔に確実に固定すること。なお、バインド線は、ビニル被覆されたものを使用すること。
(ク) 接続部分又は屈曲部は、図2-1-10の例により止め金具によって固定すること。
(ケ) 空気管の屈曲半径は、5ミリメートル以上とし、かつ、つぶれ等がないように設置すること
(コ) 空気管の接続は、接続管(スリーブ)を用いてハンダ付けとし、かつ、接続部分を腐食しないように塗装すること
(サ) 壁体等の貫通部には、保護管、ブッシング等を設けること
(シ) 天井面の目地に空気管を設ける場合は、感熱効果が十分得られるよう天井面に露出して設けること
(ア) 熱電対部と接続電線との合成抵抗値は、1の検出部につき表示されている指定値以下とすること
(イ) 接続電線は、図2-1-11の例により、止め金具によって固定すること
(ウ) 壁体等の貫通部には、保護管、ブッシング等を設けること
(エ) 熱電対部と電線を接続する場合は、圧着接続した後、ビニルスリーブ等で圧着部を被覆すること
(オ) メッセンジャーワイヤにより布設する場合は、空気管式の例によること
(カ) 熱電対部及び検出部の接続は、各感熱部の起電力が累積されるように直列に接続すること
(ア) 感熱部と接続電線との合成抵抗値は、1の検出部につき表示されている指定値以下であること
(イ) 感熱部及び検出部の接続は、各感熱部の起電力が累積されるように直列に接続すること
(ア) 感知線の全長は、受信機の機能に支障のない長さとすること
(イ) 感知線の屈曲半径は、5センチメートル以上とすること
(ウ) 感知線は、各室ごと及び電線との接続箇所ごとに端子を用いて接続すること
(エ) 感知線は、止め金具により0.5m(感熱部が点在するもの又は垂れさがるおそれのあるものは0.35m)以内の等間隔に確実に固定すること
(オ) 感知線の屈曲部は、図2-1-12屈曲部分の例により止め金具によって固定すること
(カ) 端子部分の端子と止め金具の間隔は、図2-1-12端子部分の例によること
(ア) 廊下及び通路にあっては、図2-1-13の例により設置すること
(イ) 傾斜路で、歩行距離が30メートルにつき垂直距離が5m以下となる勾配のものにあっては、廊下及び通路に準じて設けること。
(ウ) 地階の廊下、通路に取付け面から1m以上の突き出したはり等がある場合は、規則第23条第4項第7号への規定によるほか、図2-1-14の例によること。
(エ) 風速が5m毎秒以上となるおそれのある場所に感知器を設ける場合は防風スクリーンを設ける等直接風圧がかからないような措置を講じること。
(オ) エスカレーター等の上部には、感知器を垂直距離15m(3種にあっては10m)につき1個以上設けること。
(カ) エレベーターの昇降路、パイプダクト等その他これらに類する場所(水平投影面積が1㎡以上のものに限る。)には、最上部に1個以上感知器を設けること。ただし、エレベーターの昇降路の上部に機械室があり、当該昇降路と機械室が完全に水平区画されていない場合は、当該機械室に感知器を設けることで足りる。
(キ) 間仕切壁等の上部(取付け面の下方0.6m未満の部分をいう。以下この項において同じ。)に空気の流通する有効な開口部(0.2m以上×1.8m以上)を設けた場合は、感知区域を1として感知器を設けることができる。
(ク) 間仕切壁等の上部に開口部(0.3m以上×0.2m以上)を設け、その開口部から0.3m以内の位置に感知器を設けた場合は、隣接する感知区域を1の感知区域として感知器を設けることができる。
(ケ) 廊下等の幅が1.2m未満の場合にあっては、廊下等の中心線上に感知器を設けること。
(コ) 天井の高さが2.3m以下の居室又は面積がおおむね40㎡以下の居室にあっては、入口付近に設けること。
(ア) 感知器は、壁、天井、はり等に確実に取付けるとともに、衝撃、振動等により、容易に光軸がずれないように措置すること。
(イ) 隣接する監視区域(1組の感知器が火災を有効に感知することのできる区域で、光軸を中心に左右に水平距離7m以下の部分の床から天井等までの区域をいう。)に設ける感知器の設置間隔が7m以下となる場合は、送光部と受光部を交互に設ける等相互に影響しないように設けること。
(ウ) 感知器の光軸の高さは、床から天井等の各部分の高さの80%以上とし、図2-1-15の例によること。
(エ) 傾斜等がある天井等(天井の室内に面する部分又は上階の床若しくは屋根の下面をいう。以下同じ。)又は、凹凸がある壁面を有する防火対象物等に感知器を設ける場合は、規則第23条第4項第7号の3の規定によるほか、図2-1-16の例によること。
(オ) 適応する受信機に接続すること
① 傾斜形天井等の光電式分離型感知器の設置例
A 軒の高さ(h)が天井等の高さの最高となる部分の高さ(H)の80%未満(h<0.8H)となる場合
B 軒の高さ(h)が天井等の高さの最高となる部分の高さ(H)の80%以上となる場合(h≧0.8H)。
この場合、光軸の設定は、棟方向と直角としてもよい。
② のこぎり形天井等の例
A 軒の高さ(h1、h2)が天井等の高さの最高となる部分の高さ(H1、H2)の80%未満(h1<0.8H1又はh2<0.8H2)となる場合
B 軒の高さ(h1、h2)が天井等の高さの最高となる部分の高さ(H1、H2)の80%以上(h1≧0.8H1、h2≧0.8H2)となる場合
③ 差掛形天井等の例
A 軒の高さ(h1、h2)が天井等の高さの最高となる部分の高さ(H1、H2)の80%未満(h1<0.8H1、h2<0.8H2)となる場合
④ 越屋根を有する傾斜形天井等の例
A 越屋根の幅(W)が1.5m以上の場合は、天井等の傾斜にかかわらず、当該越屋根部を有効に包含すること。だだし、越屋根が換気等の目的に使用するものにあっては、当該越屋根の基部にそれぞれ光軸が通るようにすること。
B 越屋根の幅(W)が1.5m未満の場合は、天井等の傾斜にかかわらず当該越屋根を支える大棟間の中心付近に光軸が通るようにすること
⑤ アーチ,ドーム形の天井等の例
アーチ形天井等の場合は、ア-チ形天井等の高さが最高となる部分を有効に包含できるようにすること。
⑥ 凹凸がある壁面の例
凹凸がある壁面と光軸との水平距離は、当該壁面の最深部から7m以下とすること。この場合凸凹の深さが7mを超える部分にあっては、当該部分にスポット型感知器を設けること。
⑦ 感知器の公称監視距離を超える空間を有する防火対象物
感知器の公称監視距離を超える空間に感知器を設置する場合にあっては、未監視部分が生じないように光軸を連続して設定すること。ただし、感知器の維持管理、点検等のために天井等の部分に通路等を設ける場合にあっては、隣接する感知器の水平距離は1m以内とすること。
(ア) 規則第23条第4項第7号の4ハに規定する「障害物等により有効に火災の発生を感知できないこと」とは、感知障害となり、かつ、床面から1.2mを超える障害物が設けられていることをいい、この場合の感知器の設置は図2-1-17の例によること
① 監視空間を超える障害物等がある場合
監視空間を超える障害物等により、監視空間内に未監視部分が生じる場合は、当該未監視部分を警戒する感知器を設置すること
② 障害物等が監視空間内の場合
監視空間内に置かれた高さ1.2m以下の物によって遮られる部分は、感知障害がないものとして取り扱ってもよい
(イ) 感知器は、屋内に設ける場合は屋内型を、屋外に設ける場合は屋外型を、道路トンネルに設ける場合は道路型を設置すること。ただし、文化財関係建造物等の軒下又は床下及び物品販売店舗等の荷さばき場、荷物取扱場、トラックヤード等の上屋の下部で雨水のかかるおそれがないよう措置された場所に設ける場合は、屋内型のものを設置することができる。