第3条〔防火管理に係る消防計画〕


防火管理者は、令第三条の二第一項の規定により、防火対象物の位置、構造及び設備の状況並びにその使用状況に応じ、次の各号に掲げる区分に従い、おおむね次の各号に掲げる事項について、当該防火対象物の管理について権原を有する者の指示を受けて防火管理に係る消防計画を作成し、別記様式第一号の二の届出書によりその旨を所轄消防長(消防本部を置かない市町村においては、市町村長。以下同じ。)又は消防署長に届け出なければならない。防火管理に係る消防計画を変更するときも、同様とする。

 

 令第一条の二第三項第一号に掲げる防火対象物及び同項第二号に掲げる防火対象物(仮使用認定を受けたもの又はその部分に限る。)

  • イ 自衛消防の組織に関すること。
  • ロ 防火対象物についての火災予防上の自主検査に関すること。
  • ハ 消防用設備等又は法第十七条第三項に規定する特殊消防用設備等(以下「特殊消防用設備等」という。)の点検及び整備に関すること。
  • ニ 避難通路、避難口、安全区画、防煙区画その他の避難施設の維持管理及びその案内に関すること。
  • ホ 防火壁、内装その他の防火上の構造の維持管理に関すること。
  • ヘ 定員の遵守その他収容人員の適正化に関すること。
  • ト 防火管理上必要な教育に関すること。
  • チ 消火、通報及び避難の訓練その他防火管理上必要な訓練の定期的な実施に関すること。
  • リ 火災、地震その他の災害が発生した場合における消火活動、通報連絡及び避難誘導に関すること。
  • ヌ 防火管理についての消防機関との連絡に関すること。
  • ル 増築、改築、移転、修繕又は模様替えの工事中の防火対象物における防火管理者又はその補助者の立会いその他火気の使用又は取扱いの監督に関すること。
  • ヲ イからルまでに掲げるもののほか、防火対象物における防火管理に関し必要な事項

 

 令第一条の二第三項第二号に掲げる防火対象物(仮使用認定を受けたもの又はその部分を除く。)及び同項第三号に掲げる防火対象物

  • イ 消火器等の点検及び整備に関すること。
  • ロ 避難経路の維持管理及びその案内に関すること。
  • ハ 火気の使用又は取扱いの監督に関すること。
  • ニ 工事中に使用する危険物等の管理に関すること。
  • ホ 前号イ及びトからヌまでに掲げる事項
  • ヘ イからホまでに掲げるもののほか、防火対象物における防火管理に関し必要な事項

 防火管理上必要な業務の一部が当該防火対象物の関係者(所有者、管理者又は占有者をいう。以下同じ。)及び関係者に雇用されている者(当該防火対象物で勤務している者に限る。第四条第一項第二号、第二十八条の三第四項第二号ハ及び第二十九条第二号において同じ。)以外の者に委託されている防火対象物にあつては、当該防火対象物の防火管理者は、前項の消防計画に、当該防火管理上必要な業務(法第十七条の三の三の規定による消防用設備等又は特殊消防用設備等についての点検を除く。以下この項において同じ。)の受託者の氏名及び住所(法人にあっては、名称及び主たる事務所の所在地。第四条第一項第二号において同じ。)並びに当該受託者の行う防火管理上必要な業務の範囲及び方法を定めなければならない。

 

 その管理について権原が分かれている防火対象物にあつては、当該防火対象物の防火管理者は、第一項の消防計画に、当該防火対象物の当該権原の範囲を定めなければならない。

 

 大規模地震対策特別措置法(昭和五十三年法律第七十三号)第三条第一項の規定により地震防災対策強化地域として指定された地域(以下「強化地域」という。)に所在する令第一条の二第三項第一号に規定する防火対象物のうち、大規模地震対策特別措置法施行令(昭和五十三年政令第三百八十五号)第四条第一号、第二号、第十三号、第十四号及び第二十三号に規定する施設(同法第六条第一項に規定する者が管理するものを除く。)の防火管理者は、第一項の消防計画に次に掲げる事項を定めなければならない。

  1.  大規模地震対策特別措置法第二条第十三号に規定する警戒宣言(以下「警戒宣言」という。)が発せられた場合における自衛消防の組織に関すること。
  2.  大規模地震対策特別措置法第二条第三号に規定する地震予知情報及び警戒宣言の伝達に関すること。
  3.  警戒宣言が発せられた場合における避難誘導に関すること。
  4.  警戒宣言が発せられた場合における施設及び設備の点検及び整備その他地震による被害の発生の防止又は軽減を図るための応急対策に関すること。
  5.  大規模な地震に係る防災訓練の実施に関すること。
  6.  大規模な地震による被害の発生の防止又は軽減を図るために必要な教育及び広報に関すること。

5 強化地域の指定の際現に当該地域に所在する前項の施設の防火管理者は、当該指定があった日から6ヶ月以内に、第一項の消防計画に前項各号に掲げる事項を定めるものとする。

 

6 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成十四年法律第九十二号)第三条第一項の規定により南海トラフ地震防災対策推進地域として指定された地域(次項及び第四条第四項において「推進地域」という。)に所在する令第一条の二第三項第一号に規定する防火対象物のうち、南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法施行令(平成十五年政令第三百二十四号)第三条第一号、第二号、第十三号、第十四号及び第二十四号に規定する施設(同法第五条第一項に規定する者が管理するものを除き、同法第二条第二項に規定する南海トラフ地震(以下「南海トラフ地震」という。)に伴い発生する津波に係る地震防災対策を講ずべき者として同法第四条第一項に規定する南海トラフ地震防災対策推進基本計画で定める者が管理するものに限る。)の防火管理者は、第一項の消防計画に次に掲げる事項を定めなければならない。

  1.  南海トラフ地震に伴い発生する津波からの円滑な避難の確保に関すること。
  2.  南海トラフ地震に係る防災訓練の実施に関すること。
  3.  南海トラフ地震による被害の発生の防止又は軽減を図るために必要な教育及び広報に関すること。

 推進地域の指定の際現に当該地域に所在する前項の施設の防火管理者は、当該指定があった日から6ヶ月以内に、第一項の消防計画に前項各号に掲げる事項を定めるものとする。

 

 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成十六年法律第二十七号)第三条第一項の規定により日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域として指定された地域(次項及び第四条第六項において「推進地域」という。)に所在する令第一条の二第三項第一号に規定する防火対象物のうち、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法施行令(平成十七年政令第二百八十二号)第三条第一号、第二号、第十三号、第十四号及び第二十四号に規定する施設(同法第六条第一項に規定する者が管理するものを除き、同法第二条第一項に規定する日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震(以下「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震」という。)に伴い発生する津波に係る地震防災対策を講ずべき者として同法第五条第一項に規定する日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画で定める者が管理するものに限る。)の防火管理者は、第一項の消防計画に次に掲げる事項を定めなければならない。

  1.  日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に伴い発生する津波からの円滑な避難の確保に関すること。
  2.  日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る防災訓練の実施に関すること。
  3.  日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震による被害の発生の防止又は軽減を図るために必要な教育及び広報に関すること。

9 推進地域の指定の際現に当該地域に所在する前項の施設の防火管理者は、当該指定があった日から6ヶ月以内に、第一項の消防計画に前項各号に掲げる事項を定めるものとする。

 

10 令別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ又は(十六の二)項に掲げる防火対象物の防火管理者は、令第三条の二第二項の消火訓練及び避難訓練を年二回以上実施しなければならない。

 

11 前項の防火管理者は、同項の消火訓練及び避難訓練を実施する場合には、あらかじめ、その旨を消防機関に通報しなければならない。

 

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