スプリンクラー設備(次項に定めるものを除く。)の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は、次のとおりとする。
一 開放型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備の一斉開放弁又は手動式開放弁は、次に定めるところによること。
二 開放型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備の放水区域の数は、一の舞台部又は居室につき4以下とし、二以上の放水区域を設けるときは、火災を有効に消火できるように隣接する放水区域が相互に重複するようにすること。ただし、火災時に有効に放水することができるものにあつては、居室の放水区域の数を5以上とすることができる。
三 制御弁は、次に定めるところによること。
四 自動警報装置は、次に定めるところによること。ただし、特定施設水道連結型スプリンクラー設備にあっては自動警報装置を、自動火災報知設備により警報が発せられる場合は音響警報装置を、それぞれ設けないことができる。
四の二 閉鎖型スプリンクラーヘッドのうち小区画型ヘッドを用いるスプリンクラー設備の流水検知装置は、湿式のものとすること。ただし、特定施設水道連結型スプリンクラー設備にあつては、流水検知装置を設けないことができる。
四の三 ラック式倉庫に設けるスプリンクラー設備の流水検知装置は、予作動式以外のものとすること。
四の四 流水検知装置の一次側には、圧力計を設けること。
四の五 流水検知装置の二次側に圧力の設定を必要とするスプリンクラー設備にあつては、当該流水検知装置の圧力設定値よりも二次側の圧力が低下した場合に自動的に警報を発する装置を設けること。
五 呼水装置は、第十二条第一項第三号の二の規定の例により設けること。ただし、特定施設水道連結型スプリンクラー設備にあっては、呼水装置を設けないことができる。
五の二 閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備の配管の末端には、流水検知装置又は圧力検知装置の作動を試験するための弁(以下「末端試験弁」という。)を次に定めるところにより設けること。ただし、特定施設水道連結型スプリンクラー設備でその放水圧力及び放水量を測定することができるものにあつては、末端試験弁を設けないことができる。
六 送水口は、次に定めるところによること。
六の二 非常電源は、第十二条第一項第四号の規定の例により設けること。
七 閉鎖型スプリンクラーヘッドは、その取り付ける場所の正常時における最高周囲温度に応じて次の表で定める標示温度を有するものを設けること。
取り付ける場所の最高周囲温度
|
標示温度
|
39℃未満
|
79℃未満
|
39℃以上64℃未満
|
79℃以上121℃未満
|
64℃以上106℃未満
|
121℃以上162℃未満
|
106℃以上
|
162℃以上
|
八 起動装置は、次に定めるところによること。
(イ) 開放型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備にあつては、自動火災報知設備の感知器の作動又は火災感知用ヘッドの作動若しくは開放による圧力検知装置の作動と連動して加圧送水装置及び一斉開放弁(加圧送水装置を設けない特定施設水道連結型スプリンクラー設備にあつては、一斉開放弁)を起動することができるものとすること。
ただし、自動火災報知設備の受信機若しくはスプリンクラー設備の表示装置が防災センター等に設けられ、又は第十二号の規定若しくは第二十四条第九号において準用する第十二条第一項第八号の規定により総合操作盤が設けられており、かつ、火災時に直ちに手動式の起動装置により加圧送水装置及び一斉開放弁を起動させることができる場合にあつては、この限りでない。
(ロ) 閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備にあっては、自動火災報知設備の感知器の作動又は流水検知装置若しくは起動用水圧開閉装置の作動と連動して加圧送水装置を起動することができるものとすること。
(イ) 直接操作又は遠隔操作により、それぞれ加圧送水装置及び手動式開放弁又は加圧送水装置及び一斉開放弁(加圧送水装置を設けない特定施設水道連結型スプリンクラー設備にあつては、それぞれ手動式開放弁又は一斉開放弁)を起動することができるものとすること。
(ロ) 二以上の放水区域を有するスプリンクラー設備にあっては、放水区域を選択することができる構造とすること。
八の二 乾式又は予作動式の流水検知装置が設けられているスプリンクラー設備にあっては、スプリンクラーヘッドが開放した場合に1分以内に当該スプリンクラーヘッドから放水できるものとすること。
九 操作回路の配線は、第十二条第一項第五号の規定に準じて設けること。
十 配管は、第十二条第一項第六号(特定施設水道連結型スプリンクラー設備にあっては、ニからトまでを除く。)の規定に準じて設けるほか、次に定めるところによること。
十一 加圧送水装置は、第十二条第一項第七号イ(ロ)、ロ(ロ)及び(ハ)、ハ(ハ)から(チ)まで、ニ並びにトの規定の例によるほか、次に定めるところによること。ただし、前条第四項に規定する補助散水栓を設置する場合における加圧送水装置の落差、圧力水槽の圧力又はポンプの全揚程については、イ、ロ若しくはハ(ロ)により求められた値又は第十二条第二項第三号、第四号若しくは第五号ロの規定の例により求められた値のうちいずれか大きい方の値以上の値とすること。
H=h1+10m
Hは、必要な落差(単位 メートル)
h1は、配管の摩擦損失水頭(単位 メートル)
P=p1+p2+0.1MPa
Pは、必要な圧力(単位 メガパスカル)
p1は、配管の摩擦損失水頭圧(単位 メガパスカル)
p2は、落差の換算水頭圧(単位 メガパスカル)
ハ ポンプを用いる加圧送水装置は、次に定めるところによること。
(イ) ポンプの吐出量は、前条第二項第一号から第四号までのスプリンクラーヘッドの個数に90ℓ毎分(閉鎖型スプリンクラーヘッドのうち小区画型ヘッドを用いる場合にあつては六十リットル毎分、ラック式倉庫に設けるものにあつては百三十リットル毎分)を乗じて得た量以上の量とすること。
(ロ) ポンプの全揚程は、次の式により求めた値以上の値とすること。
H=h1+h2+10m
Hは、ポンプの全揚程(単位 メートル)
h1は、配管の摩擦損失水頭(単位 メートル)
h2は、落差(単位 メートル)
ニ 加圧送水装置にはスプリンクラーヘッドにおける放水圧力が1MPaを超えないための措置を講じること。
ホ 配管の摩擦損失計算は、消防庁長官が定める基準によること。
十一の二 特定施設水道連結型スプリンクラー設備に設ける加圧送水装置は、第十二条第一項第七号イ(ロ)、ロ(ロ)及び(ハ)、ハ(ニ)から(ヘ)まで、ニ並びにトの規定の例によるほか、前号イからホまでの規定を準用する。
この場合において、同号イ中「10m」とあるのは「2m(壁及び天井(天井のない場合にあっては、屋根)の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。)の仕上げを準不燃材料以外の材料でした場合にあっては、5m)」と、同号ロ中「0.1MPa」とあるのは「0.02MPa(壁及び天井(天井のない場合にあっては、屋根)の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。)の仕上げを準不燃材料以外の材料でした場合にあっては、0.05MPa)」と、同号ハ(イ)中「閉鎖型スプリンクラーヘッドのうち小区画型ヘッド」とあるのは「特定施設水道連結型スプリンクラー設備に閉鎖型スプリンクラーヘッドのうち小区画型ヘッド」と、「六十リットル毎分」とあるのは「二十リットル毎分(壁及び天井(天井のない場合にあつては、屋根)の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。)の仕上げを準不燃材料以外の材料でした場合にあっては35ℓ毎分)」と、同ハ(ロ)中「10m」とあるのは「2m(壁及び天井(天井のない場合にあっては、屋根)の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。)の仕上げを準不燃材料以外の材料でした場合にあっては、5m)」と読み替えるものとする。
十二 第十二条第一項第八号の規定は、スプリンクラー設備について準用する。
十三 貯水槽等には第十二条第一項第九号に規定する措置を講ずること。
2 スプリンクラー設備(放水型ヘッド等を用いるものに限る。)の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は、次のとおりとする。