法第十一条の二第一項の政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所は、液体の危険物を貯蔵し、又は取り扱うタンク(以下「液体危険物タンク」という。)を有する製造所等(容量が指定数量以上の液体危険物タンクを有しない製造所及び一般取扱所を除く。)とする。
2 法第十一条の二第一項の政令で定める工事は、液体危険物タンク(製造所又は一般取扱所に係る工事にあつては、容量が指定数量以上の液体危険物タンク)の設置又は変更の工事とする。
3 法第十一条の二第一項の政令で定める工事の工程は、次の各号に掲げる工事の工程とし、同項の製造所、貯蔵所又は取扱所に係る構造及び設備に関する事項で政令で定めるものは、当該工事の工程ごとに、当該各号に定めるものとする。
一 屋外タンク貯蔵所の液体危険物タンク(岩盤内の空間を利用する液体危険物タンク(以下「岩盤タンク」という。)を除く。)で、その容量が千キロリットル以上のものの基礎及び地盤に関する工事(底部が地盤面下にあり、頂部が地盤面以上にある液体危険物タンクその他の特殊な構造を有するものとして総務省令で定める液体危険物タンク(以下この条、第八条の四及び第十一条において「特殊液体危険物タンク」という。)にあつては、基礎及び地盤に関する工事に相当するものとして総務省令で定める工事)の工程 当該液体危険物タンクの構造及び設備に関する事項のうち第十一条第一項第三号の二に定める基準(特殊液体危険物タンクにあつては、当該基準に相当するものとして総務省令で定める基準)に適合すべきこととされる事項(以下「液体危険物タンクの基礎及び地盤に関する事項」という。)
二 前号の液体危険物タンクに配管その他の附属設備を取り付ける前の当該タンクのタンク本体に関する工事の工程 当該液体危険物タンクの構造及び設備に関する事項のうち第十一条第一項第四号に定める基準(水張試験(水以外の適当な液体を張つて行う試験を含む。以下同じ。)又は水圧試験に関する部分に限るものとし、特殊液体危険物タンクにあつては、当該基準に相当するものとして総務省令で定める基準とする。)に適合すべきこととされる事項(以下「液体危険物タンクの漏れ及び変形に関する事項」という。)並びに当該液体危険物タンクの構造及び設備に関する事項のうち同項第四号の二に定める基準(同号の試験のうち真空試験その他の総務省令で定める試験に関する部分を除くものとし、特殊液体危険物タンクにあつては、当該基準に相当するものとして総務省令で定める基準とする。)に適合すべきこととされる事項(以下「液体危険物タンクの溶接部に関する事項」という。)
三 屋外タンク貯蔵所の岩盤タンクのタンク本体に関する工事の工程 当該岩盤タンクの構造及び設備に関する事項のうちタンク本体の安定性に係る基準として総務省令で定める基準に適合すべきこととされる事項(以下「岩盤タンクのタンク構造に関する事項」という。)
四 液体危険物タンク(第一号及び前号に掲げるものを除く。)に配管その他の附属設備を取り付ける前の当該タンクのタンク本体に関する工事の工程 当該液体危険物タンクの構造及び設備に関する事項のうち第九条第一項第二十号、第十一条第一項第四号、第十二条第一項第五号、第十三条第一項第六号、第十四条第六号、第十五条第一項第二号、第十七条第一項第八号若しくは第二項第二号又は第十九条第一項に定める基準(水張試験又は水圧試験に関する部分に限るものとし、アルキルアルミニウム、アルキルリチウムその他の総務省令で定める危険物(以下この条において「アルキルアルミニウム等」という。)を貯蔵し、又は取り扱う移動タンク貯蔵所の液体危険物タンクにあつては、第十五条第一項第二号に定める基準に相当するものとして総務省令で定める基準とする。)に適合すべきこととされる事項
4 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる液体危険物タンクの設置又は変更の工事については、当該各号に定める規定は適用しない。
一 液体危険物タンクの設置又は変更の工事で、当該液体危険物タンクについて高圧ガス保安法第五十六条の三第一項、第二項若しくは第三項の規定による特定設備検査に合格したもの、同法第五十六条の六の十四第二項(同法第五十六条の六の二十二第二項において準用する場合を含む。)の規定により特定設備基準適合証の交付を受けたもの、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第三十八条第一項、第二項若しくは第三項の規定による検査に合格したもの又は同法第四十四条第一項若しくは第二項の規定による検定に合格したもの 前項第二号(液体危険物タンクの漏れ及び変形に関する事項に係る部分に限る。)又は同項第四号の規定
二 液体危険物タンクの変更の工事のうち、タンクの底部に係る工事(タンクの側板に係る工事を含むものを除く。)で、当該変更の工事の際行われた法第十四条の三第一項又は第二項の規定による保安に関する検査により、当該液体危険物タンクの溶接部に関する事項が、第十一条第一項第四号の二に定める基準に適合していると認められたもの 前項第二号(液体危険物タンクの溶接部に関する事項に係る部分に限る。)の規定
三 液体危険物タンクの設置又は変更の工事で、当該液体危険物タンクについて国際海事機関が採択した危険物の運送に関する規程に定める基準(水圧試験に関する部分に限る。)に適合している旨の総務省令で定める表示がされているもの 前項第四号の規定
5 液体危険物タンクの基礎及び地盤に関する事項についての完成検査前検査を基礎・地盤検査と、液体危険物タンクの漏れ及び変形に関する事項並びに第三項第四号に定める事項についての完成検査前検査のうち、第九条第一項第二十号、第十一条第一項第四号、第十二条第一項第五号、第十三条第一項第六号、第十四条第六号、第十五条第一項第二号、第十七条第一項第八号若しくは第二項第二号又は第十九条第一項の水張試験又は水圧試験(アルキルアルミニウム等を貯蔵し、又は取り扱う移動タンク貯蔵所の液体危険物タンクにあつては、第十五条第一項第二号の水圧試験に相当するものとして総務省令で定める試験)に係るものをそれぞれ水張検査又は水圧検査と、液体危険物タンクの溶接部に関する事項についての完成検査前検査を溶接部検査と、岩盤タンクのタンク構造に関する事項についての完成検査前検査を岩盤タンク検査という。
6 完成検査前検査を受けようとする者は、総務省令で定めるところにより、市町村長等に申請しなければならない。この場合においては、前条第二項の規定を準用する。
7 市町村長等は、完成検査前検査を行つた結果、第三項各号に定める事項が、製造所にあつては第九条、貯蔵所にあつては第十一条から第十五条まで、取扱所にあつては第十七条及び第十九条にそれぞれ定める技術上の基準(完成検査前検査に係るものに限る。)に適合すると認めたときは、当該完成検査前検査の申請をした者に通知(水張検査又は水圧検査にあつては、タンク検査済証の交付)をするものとする。