給油取扱所(次項に定めるものを除く。)の位置、構造及び設備の技術上の基準は、次のとおりとする。
一 給油取扱所の給油設備は、ポンプ機器及びホース機器からなる固定された給油設備(以下この条及び第二十七条において「固定給油設備」という。)とすること。
二 固定給油設備のうちホース機器の周囲(懸垂式の固定給油設備にあつては、ホース機器の下方)に、自動車等に直接給油し、及び給油を受ける自動車等が出入りするための、間口十メートル以上、奥行六メートル以上の空地で総務省令で定めるもの(以下この条及び第二十七条において「給油空地」という。)を保有すること。
三 給油取扱所に灯油若しくは軽油を容器に詰め替え、又は車両に固定された容量四千リットル以下のタンク(容量二千リットルを超えるタンクにあつては、その内部を二千リットル以下ごとに仕切つたものに限る。)に注入するための固定された注油設備(ポンプ機器及びホース機器からなるものをいう。以下この条及び第二十七条において「固定注油設備」という。)を設ける場合は、固定注油設備のうちホース機器の周囲(懸垂式の固定注油設備にあつては、ホース機器の下方)に、灯油若しくは軽油を容器に詰め替え、又は車両に固定されたタンクに注入するための空地で総務省令で定めるもの(以下この条及び第二十七条において「注油空地」という。)を給油空地以外の場所に保有すること。
四 給油空地及び注油空地は、漏れた危険物が浸透しないための総務省令で定める舗装をすること。
五 給油空地及び注油空地には、漏れた危険物及び可燃性の蒸気が滞留せず、かつ、当該危険物その他の液体が当該給油空地及び注油空地以外の部分に流出しないように総務省令で定める措置を講ずること。
六 給油取扱所には、総務省令で定めるところにより、見やすい箇所に給油取扱所である旨を表示した標識及び防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設けること。
七 給油取扱所には、固定給油設備若しくは固定注油設備に接続する専用タンク又は容量一万リットル以下の廃油タンクその他の総務省令で定めるタンク(以下この条及び第二十七条において「廃油タンク等」という。)を地盤面下に埋没して設ける場合を除き、危険物を取り扱うタンクを設けないこと。ただし、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第五号の防火地域及び準防火地域以外の地域においては、地盤面上に固定給油設備に接続する容量六百リットル以下の簡易タンクを、その取り扱う同一品質の危険物ごとに一個ずつ三個まで設けることができる。
八 前号の専用タンク、廃油タンク等又は簡易タンクを設ける場合には、当該専用タンク、廃油タンク等又は簡易タンクの位置、構造及び設備は、次によること。
九 固定給油設備又は固定注油設備に危険物を注入するための配管は、当該固定給油設備又は固定注油設備に接続する第七号の専用タンク又は簡易タンクからの配管のみとすること。
十 固定給油設備及び固定注油設備は、漏れるおそれがない等火災予防上安全な総務省令で定める構造とするとともに、先端に弁を設けた全長五メートル(懸垂式の固定給油設備及び固定注油設備にあつては、総務省令で定める長さ)以下の給油ホース又は注油ホース及びこれらの先端に蓄積される静電気を有効に除去する装置を設けること。
十一 固定給油設備及び固定注油設備には、総務省令で定めるところにより、見やすい箇所に防火に関し必要な事項を表示すること。
十二 固定給油設備は、次に掲げる道路境界線等からそれぞれ当該道路境界線等について定める間隔を保つこと。ただし、総務省令で定めるところによりホース機器と分離して設置されるポンプ機器については、この限りでない。
固定給油設備の区分
|
間隔
|
|
懸垂式の固定給油設備
|
四メートル以上
|
|
その他の固定給油設備
|
固定給油設備に接続される給油ホースのうちその全長が最大であるものの全長(以下このイ及び次号イにおいて「最大給油ホース全長」という。)が三メートル以下のもの
|
四メートル以上
|
最大給油ホース全長が三メートルを超え四メートル以下のもの
|
五メートル以上
|
|
最大給油ホース全長が四メートルを超え五メートル以下のもの
|
六メートル以上
|
十三 固定注油設備は、次に掲げる固定給油設備等からそれぞれ当該固定給油設備等について定める間隔を保つこと。
ただし、総務省令で定めるところによりホース機器と分離して設置されるポンプ機器については、この限りでない。
固定給油設備の区分
|
間隔
|
|
懸垂式の固定給油設備
|
四メートル以上
|
|
その他の固定給油設備
|
最大給油ホース全長が三メートル以下のもの
|
四メートル以上
|
最大給油ホース全長が三メートルを超え四メートル以下のもの
|
五メートル以上
|
|
最大給油ホース全長が四メートルを超え五メートル以下のもの
|
六メートル以上
|
固定注油設備の区分
|
間隔
|
|
懸垂式の固定注油設備
|
四メートル以上
|
|
その他の固定注油設備
|
固定注油設備に接続される注油ホースのうちその全長が最大であるものの全長(以下このロにおいて「最大注油ホース全長」という。)が三メートル以下のもの
|
四メートル以上
|
最大注油ホース全長が三メートルを超え四メートル以下のもの
|
五メートル以上
|
|
最大注油ホース全長が四メートルを超え五メートル以下のもの
|
六メートル以上
|
十四 懸垂式の固定給油設備及び固定注油設備にあつては、ホース機器の引出口の高さを地盤面から四・五メートル以下とすること。
十五 懸垂式の固定給油設備又は固定注油設備を設ける給油取扱所には、当該固定給油設備又は固定注油設備のポンプ機器を停止する等により専用タンクからの危険物の移送を緊急に止めることができる装置を設けること。
十六 給油取扱所には、給油又はこれに附帯する業務のための総務省令で定める用途に供する建築物以外の建築物その他の工作物を設けないこと。この場合において、給油取扱所の係員以外の者が出入する建築物の部分で総務省令で定めるものの床面積の合計は、避難又は防火上支障がないと認められる総務省令で定める面積を超えてはならない。
十七 前号の給油取扱所に設ける建築物は、壁、柱、床、はり及び屋根を耐火構造とし、又は不燃材料で造るとともに、窓及び出入口(自動車等の出入口で総務省令で定めるものを除く。)に防火設備を設けること。この場合において、当該建築物の総務省令で定める部分は、開口部のない耐火構造の床又は壁で当該建築物の他の部分と区画され、かつ、防火上必要な総務省令で定める構造としなければならない。
十八 前号の建築物のうち、事務所その他火気を使用するもの(総務省令で定める部分を除く。)は、漏れた可燃性の蒸気がその内部に流入しない総務省令で定める構造とすること。
十九 給油取扱所の周囲には、自動車等の出入りする側を除き、火災による被害の拡大を防止するための高さ二メートル以上の塀又は壁であって、耐火構造のもの又は不燃材料で造られたもので総務省令で定めるものを設けること。
二十 ポンプ室その他危険物を取り扱う室(以下この号において「ポンプ室等」という。)を設ける場合にあつては、ポンプ室等は、次によること。
二十一 電気設備は、第九条第一項第十七号に掲げる製造所の電気設備の例によるものであること。
二十二 自動車等の洗浄を行う設備その他給油取扱所の業務を行うについて必要な設備は、総務省令で定めるところにより設けること。
二十三 給油取扱所には、給油に支障があると認められる設備を設けないこと。
2 給油取扱所のうち建築物内に設置するものその他これに類するもので総務省令で定めるもの(以下「屋内給油取扱所」という。)の位置、構造及び設備の技術上の基準は、前項第一号から第六号まで、第七号本文、第九号から第十六号まで及び第十九号から第二十三号までの規定の例によるほか、次のとおりとする。
一 屋内給油取扱所は、壁、柱、床及びはりが耐火構造で、消防法施行令(昭和三十六年政令第三十七号)別表第一(六)項に掲げる用途に供する部分を有しない建築物(総務省令で定める設備を備えたものに限る。)に設置すること。
二 屋内給油取扱所に専用タンク又は廃油タンク等を設ける場合には、当該専用タンク又は廃油タンク等の位置、構造及び設備は、次号から第四号までに定めるもののほか、第十三条第一項(第五号、第八号、第九号(注入口は屋外に設けることとする部分及び掲示板に係る部分に限る。)、第九号の二及び第十二号を除く。)、同条第二項(同項においてその例によるものとされる同条第一項第五号、第八号、第九号(注入口は屋外に設けることとする部分及び掲示板に係る部分に限る。)、第九号の二及び第十二号を除く。)又は同条第三項(同項においてその例によるものとされる同条第一項第五号、第八号、第九号(注入口は屋外に設けることとする部分及び掲示板に係る部分に限る。)、第九号の二及び第十二号を除く。)に掲げる地下タンク貯蔵所の地下貯蔵タンクの位置、構造及び設備の例によるものであること。
三 専用タンク及び廃油タンク等には、総務省令で定めるところにより、通気管又は安全装置を設けること。
四 専用タンクには、危険物の過剰な注入を自動的に防止する設備を設けること。
五 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分は、壁、柱、床、はり及び屋根を耐火構造とするとともに、開口部のない耐火構造の床又は壁で当該建築物の他の部分と区画されたものであること。ただし、建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分の上部に上階がない場合には、屋根を不燃材料で造ることができる。
六 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分のうち総務省令で定める部分は、開口部のない耐火構造の床又は壁で当該建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分の他の部分と区画され、かつ、防火上必要な総務省令で定める構造とすること。
七 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分の窓及び出入口(自動車等の出入口で総務省令で定めるものを除く。)には、防火設備を設けること。
七の二 事務所等の窓又は出入口にガラスを用いる場合は、網入りガラスとすること。
八 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分のうち、事務所その他火気を使用するもの(総務省令で定める部分を除く。)は、漏れた可燃性の蒸気がその内部に流入しない総務省令で定める構造とすること。
九 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分の一階の二方については、自動車等の出入する側又は通風及び避難のための総務省令で定める空地に面するとともに、壁を設けないこと。ただし、総務省令で定める措置を講じた屋内給油取扱所にあつては、当該建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分の一階の一方について、自動車等の出入する側に面するとともに、壁を設けないことをもって足りる。
十 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分については、可燃性の蒸気が滞留するおそれのある穴、くぼみ等を設けないこと。
十一 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分は、当該部分の上部に上階がある場合にあつては、危険物の漏えいの拡大及び上階への延焼を防止するための総務省令で定める措置を講ずること。
3 次に掲げる給油取扱所については、総務省令で、前二項に掲げる基準の特例(第五号に掲げるものにあつては、第一項に掲げる基準の特例に限る。)を定めることができる。
4 第四類の危険物のうちメタノール若しくはエタノール又はこれらを含有するものを取り扱う給油取扱所については、当該危険物の性質に応じ、総務省令で、前三項に掲げる基準を超える特例を定めることができる。
5 顧客に自ら自動車等に給油させ、又は灯油若しくは軽油を容器に詰め替えさせる給油取扱所として総務省令で定めるもの(第二十七条第六項第一号及び第一号の三において「顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所」という。)については、総務省令で、前各項に掲げる基準を超える特例を定めることができる。