消防法上で “危険物” と定義されたからといって、どんなに少量でも非常に危険であるわけではなく、ある程度まとまった場合に危険性が出てくるという判断がなされており、この危険性が法律レベルで規制される量のことを『指定数量』といい、危険物の規制に難する政令第1条の11に基づく別表第3より、品名に応じて指定数量が定められています。
ここでは自家発電設備にも使用される石油類を例にします。
危険物に関する消防法令上の規制は “貯蔵・取扱い” と “運搬” に分けられ、貯蔵・取扱いでは危険物が指定数量以上の場合は消防法で、指定数量未満の場合は市町村条例により規制されます。
また、危険物の運搬に関しては、数量に関係なく消防法令により規制されます。
危険物の指定数量計算方法は、以下の通りです。
倍数が1以上なら危険物施設、1未満の場合は少量危険物として規制されます。
例①指定数量1,000 ℓの軽油を500 ℓ 貯蔵又は取扱う場合
⇒ 500 ÷ 1,000=0.5 [倍数が1未満である為、少量危険物施設として市町村条例で規制]
例②重油を使用するボイラー(1時間当たり500 ℓ 消費)を1日10時間稼働する場合
⇒(500 ℓ × 10 h = 5,000 ℓ) ÷ 2,000 = 2.5 [倍数が1以上の為、危険物施設として規制]
消防法第10条第2項で定める次の計算方法による結果から、倍数が1以上なら危険物施設、1未満の場合は少量危険物として規制されます。
(例)のケースだと、個々の危険物の数量は指定数量未満ですが、全体では倍数が1以上となることから危険物施設として規制されることとなります。