負荷運転試験は、擬似負荷装置、実負荷等により、定格回転速度及び定格出力の30%以上の負荷で必要な時間、連続運転を行い確認します。
【※追記】消防予第528号より、火災が発生した場合において設計上想定されている負荷が30%を下回ることが確認できる場合にあっては、当該負荷相当で負荷運転の点検を実施すれば足りるものとして取り扱ってよいとされている為、実負荷による確認でも差し支えないとされています。
負荷試験における負荷は、擬似負荷(模擬負荷)として負荷抵抗器を用いることが多いです。
負荷抵抗器には乾式抵抗器、水抵抗器などがありますが、近年は乾式抵抗器を用いることが多いです。
乾式抵抗器は自家用発電設備で発生させた電気をヒーターに供給し熱に変えた後、ファンを回してその熱を外へ逃すという仕組みです。
ヒーターは運搬に便利な為、自家発電設備が設置されて室内や屋上で試験をする際に採用しやすいです。
ある程度の容量の負荷まではヒーターの個数を増やすことで必要な負荷容量を達成することができます。
前ブログ “自家発の負荷運転【湿式】” では、地上のキュービクル式の自家発電設備であり、かつ水源が近くにあったという事で “湿式” の負荷運転試験を行ったという背景がありました。⛲✨
ただ、キュービクル式の自家発電設備は建物の屋上部分に設置されていることも多く、給水源が無かったり大きい水槽を持っていけなかったりします。🏢(;´Д`)💦
そういうわけで殆どの場合、本記事で紹介させて頂きます “乾式” の負荷運転試験を行うこととなります。🌀❕
✍(´-`).。oO(ファンで風を送って熱を逃すんです…。。)
水槽に水を張り、そこに電熱線を入れることで水を温めてエネルギーを放出します。
沸騰しないように中の水を連続的に供給します。
『水抵抗器の取扱い』
①給水 タンク内に排水口からオーバーフローするまで給水し、運転中は適量の水量を連続的に給水します。
②食塩(低圧の場合) 極板が約半分漬った状態で、 100 %負荷がかかるよう食塩の量で調整します。
③負荷変動調整 水温が上昇した場合、負荷が自然に増加するため極板の水漬部面積を減少させ調整します。
(注)低圧の場合、運転中、水槽内の水が沸騰しないように連続的に給水しますが、余り沸騰しないようであれば、給水量を減少して差し支えありません。食塩は1時間ごと位で少量補給していきますが、普通は給排水量に従って行います。
平成30年の6月1日に点検要領が大きく改正されたことで、注目度が高まっている自家発電設備の負荷運転を行いました。🔋✨
前記事 “防災屋2.0への挑戦” でも少し触れましたが、停電が起こる様な大きな災害がある度に「メンテナンスされていなかった自家発が動かなかった」というような報道がされ、今年も大阪市北区を中心に起こった地震の際に同様のニュースが流れました。📰
参考:毎日新聞
今回は地上に設置され、かつ水源も確保できたことから水中にヒーターを入れて熱エネルギーを放出させる “湿式” にて自家発の負荷運転試験を行った模様を紹介させて頂きます。
✍(´-`).。oO(条件が揃わなければ…、、“乾式” に…。。)