· 

「防火設備定期検査」の報告義務は遵守されていますか?

「防火設備定期検査」で防火扉・防火シャッターを確認
「防火設備定期検査」で防火扉・防火シャッターを確認‥!

防火扉・防火シャッター等の点検を行う法制度である「防火設備定期検査」についても、消防用設備等の施工・メンテナンスを生業とする弊社得意とするサービスの一つで御座います。

防火設備が適切に維持管理されていなかったことで火災被害が拡大した事例が多数報告されている為、防火設備定期検査制度に基づく点検実施義務の遵守が大切な人の命を救うでしょう。

防火設備定期検査が制度化された理由は?

防火扉が閉まらず煙が上部から漏れる
防火扉が閉まらず煙が上部から漏れる様子…。

平成25年10月に発生した福岡市整形外科医院火災では「防火扉が適切に維持・管理されていなかったことによる煙の充満」が原因となった一酸化炭素中毒により、死者10名・負傷者7名という甚大な被害が出ました。

 

当該建物は防火扉の定期点検がされていませんでしたが、それまで明確なルールが確立されていなかったことにも問題があるとされ、

平成28年6月1日より建築基準法改正に伴った 「防火設備定期検査」の制度が施行されました。

 

その為、現在は防火設備検査員等によって防火扉・防火シャッター等の定期点検を実施する義務があるのです。


  • ☑ 以下の条件に該当する建物について、毎年一回の周期で防火設備定期検査の実施・報告の義務があります。
報告対象の用途 規模(その用途に供する床面積の合計)
学校・学校施設の体育館 ①3階以上に対象用途があるもの
②2,000㎡以上のもの
ボーリング場・スケート場・水泳場・スポーツ練習場・体育館(学校体育館除く) ①3階以上に対象用途があるもの
②2,000㎡以上のもの
博物館・美術館・図書館
事務所その他これに類するもの ①5階以上に対象用途があり、3,000㎡以上のもの
公会堂・集会場 ①3階以上に対象用途があるもの
②客席部分の床面積が200㎡以上のもの
③地階に対象用途があるもの
④劇場・映画館・演芸場で主階が1階にないもの
劇場・映画館・演芸場
観覧場(屋外観覧場は除く)
ホテル・旅館

①3階以上に対象用途があるもの
②2階部分の対象用途に供する床面積が300㎡以上のもの(②は病院・診療所にあっては2階部分に患者の収容施設がある場合に限る)
③地階に対象用途があるもの
④病院・診療所・児童福祉施設等にあっては200㎡以上のもの(避難階にのみ用途がある場合も含む)

病院
診療所
児童福祉施設等
百貨店・マーケット・展示場・物販店舗 ①3階以上に対象用途があるもの
②2階部分の対象用途に供する床面積が500㎡以上のもの
③地階に対象用途があるもの
④3,000㎡以上のもの
飲食店
キャバレー・カフェー・バー・ナイトクラブ・ダンスホール・遊技場(個室ビデオ店等を除く)・待合・料理店

公衆浴場

遊技場(※個室ビデオ店に限る) ①200㎡を超えるもの(避難階にのみ用途がある場合も含む)
寄宿舎 ①3階以上に対象用途があり、1,000㎡以上のもの
②5階以上に対象用途があり、500㎡以上のもの
寄宿舎(サービス付高齢者向け住宅、認知症対応型グループホーム、障害者支援グループホームに限る。) ①3階以上に対象用途があるもの
②2階部分の対象用途に供する床面積が300㎡以上のもの
③地階に対象用途があるもの
④200㎡以上のもの
共同住宅(サービス付高齢者向け住宅に限る)
共同住宅 ①3階以上に対象用途があり、1,000㎡以上のもの
②5階以上に対象用途があり、500㎡以上のもの

もし防火設備定期検査の義務を怠ったら‥

建築基準法上に罰則の規定
建築基準法上に罰則の規定も…。

『防火設備定期検査の実施義務について、知らなかった‥。』では済まされず、建築基準法にて以下の罰則規定があります。

  • ☑ 是正命令違反(建築基準法 第98条 第1項)‥3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人の場合:1億円以下の罰金)
  • ☑ 無報告・虚偽報告(建築基準法 第101条 第2項):100万円以下の罰金(法人も同じ)

防火扉・防火シャッターが設置されていたとしても、火災時に動作しなければ、残念ながら本当に何の意味もありません。

 

防火設備定期検査の実施で、大切な人の命を救えるのです。


防火設備定期検査よくある「お悩み」一覧

防火設備定期検査におけるFAQ
防火設備定期検査に関する「お悩み」は‥?

お客様より、実際に「お悩み」として相談されることの多いお声と、その回答について紹介していきます。

  • Q. 費用は幾ら位かかるの?

⇒A. 比較的小規模な建物ですと弊社では¥30,000円~¥100,000円程度の価格帯となっております(※建物に設置されている防火扉・防火シャッター等の枚数で費用を算出します)。

  • Q. 検査料は安くならない?

⇒A. 弊社では防火設備定期検査の他に、消防用設備点検や防火対象物点検及び建築設備定期検査等の各種点検サービスも行っている為、同時実施することで手間・コスト削減して値引き可能です。


防火設備定期検査ノウハウ蓄積しています

創業60年で蓄積された防火設備ノウハウ
創業60年で蓄積された防火設備ノウハウがあります‥!

弊社では防火設備定期検査が制度化される遥か以前より、長らく防火扉・防火シャッターの点検・改修に携わっている為、ノウハウが蓄積されています。

 

特に、防火扉・防火シャッターの点検後に自社で不良個所を改修できることが強みとして挙げられるでしょう。

 

もし点検後に不良個所が発見されても、修繕しなければ火災時に防火扉・防火シャッターが動作せず無意味なものとなるでしょう。

 

建築士や防火設備検査員でも点検しかできない場合もある為、改修まで行う技術のある業者に依頼することをオススメします。


防火設備定期検査ご利用の流れ

①「無料」お見積り

お見積りに必要な情報(防火扉・防火シャッター等の枚数・位置)を把握した上で、お客様の建物に最適な防火設備定期検査実施に要する費用を算出します。

②直接受注・直接検査

お客様より弊社に直接受注頂き、弊社に属する防火設備検査員が現地にて直接検査をする為、建設業界の多重下請け構造による中間マージンをカット。

③防火設備定期検査結果報告書

即日より防火設備定期検査の結果報告書を作成し、いち早く(一財)建築防災センターに報告書を提出。すみやかに法令を遵守した防火設備の維持管理が達成されます。


二度と火災による死者を出さないために

防火扉・防火シャッター等は数年前まで、点検制度が確立されておらず実際には動作しないという状況の建物が多々ありました。

 

防火設備定期検査制度を形骸化
防火設備定期検査制度を形骸化させない為に‥。

『法律で定められて設置されているから、動くはず。』と私も漠然と思い込んでいましたが、誰もが出入りする学校やビル等の防火設備ですら信じられないことに動かない可能性があったのです。

 

防火設備定期検査制度の歴史自体は浅いですが、それまで福岡市整形外科医院火災福山ホテル火災新宿歌舞伎町ビル火災など「防火設備が適切に維持管理されていれば死者が出なかった可能性があった」ケースが実際に報告されています。

 

死者が出るほどの火災が発生する度に目にした『防火設備が適切に維持管理されていれば‥』という問題、現在ならば 防火設備定期検査の実施義務を果たすことで解決することができます。


 

火災によって大切な人を失うという「言葉で言い表せない程の悲劇」を予防する為、適切に防火設備定期検査の実施義務を果たして確実に動作する状態であるよう維持管理されることを何卒宜しくお願い致します。

まとめ

  • 平成25年10月に発生した福岡市整形外科医院火災では「防火扉が適切に維持・管理されていなかったことによる煙の充満」が原因となった一酸化炭素中毒により、死者10名・負傷者7名という甚大な被害が出た為、条件に該当する建物について毎年一回の周期で 「防火設備定期検査」の制度が施行されていた。✅
  • 罰則規定があり、正命令違反(建築基準法 第98条 第1項)‥3年以下の懲役または300万円以下の罰金や無報告・虚偽報告(建築基準法 第101条 第2項):100万円以下の罰金が建築基準法にて謳われていた。✅
  • 防火設備定期検査が制度化される遥か以前より、長らく防火扉・防火シャッターの点検・改修に携わっている弊社では「防火扉・防火シャッターの点検後に自社で不良個所を改修できることが強み」として挙げられ、建築士や防火設備検査員でも点検しかできない場合もある為、改修まで行う技術のある業者に依頼することをオススメしていた。✅

コメントをお書きください

コメント: 4
  • #1

    りゅう (火曜日, 06 10月 2020 09:54)

    特類の勉強始めました。

    学習塾には「全ての」と
    書いてあるのに特類がない(´・ω・`)

    特類に特化した部分
    特に「火災及び防火」の部分

    なんとかお願いしますm(_ _)m

  • #2

    管理人 (金曜日, 16 10月 2020 20:02)

    >りゅう さん
    お疲れ様です!
    特類、作成中なのですが着手する時間が捻出できておりませんでして‥。
    進めるようにします!!

  • #3

    青木防災さんと仕事したい (土曜日, 19 2月 2022 19:40)

    いつも勉強になり、実務にも役立つ記事を書いてくださいありがとうございます!

    防火設備定期検査は、竪穴区画が満たされているかどうかは検査範囲に入りますか?

    よくある事例として、ビルのテナント入れ替え工事で入口防火戸が撤去され、竪穴区画がとれなくなったりします。。消防の査察でも見逃すことがあったり、改修に長期間、高コストになったりするので、業界団体で使用開始届出の徹底や、法令遵守をしっかりしてほしいなと思うところです。

  • #4

    管理人 (月曜日, 28 2月 2022 18:55)

    >青木防災さんと仕事したい 様
    コメント有難う御座います!

    弊社メンテ部で定期報告を担当する者からの回答が以下の通りです。
    『防火設備検査は随時閉鎖式の防火設備の点検が主になるため、随時閉鎖式の防火設備の作動により形成される区画が検査範囲になります。
    常時閉鎖の防火扉や竪穴区画の状況については特定建築物定期調査でみる内容になります。』

    勝手に防火戸を撤去している建物、ありますよね‥。
    以前、民泊案件の時に既存不備を改修する(特防への用途変更)時に、撤去されていた部分に防火扉を設置したことがありました。

    定期報告の実施義務がない建物については、こちら側で見るしかないのかな‥と思っています。でなければ、また煙が建物内を上がって被害が深刻化する恐れがあるのかなと。本日、全国一斉に行われた特定一階段等防火対象物の立入検査の結果出てましたので、あの辺の取り組みと混ぜるしかないのかなと思っています。

    今後共、何卒宜しくお願い致します!