地上からの放水による消火が難しい高層階の建物が火事になった場合に、地上にある「送水口」から消防ポンプ車を用いて加圧送水し、上階に設けられた「放水口」に消火ホースを繋いで消火活動を行う為の設備が「連結送水管」です。🚒💨
この「連結送水管」ですが、建物の高さが70mを超えると地上から水を送っても上階にて必要な放水圧の確保が困難だという前提で “中間のブースターポンプ” の設置義務があります。🏢✨
その “中間のブースターポンプ” の格納箱には「いたずら等を防止する策」として簡単に開錠できる「鍵」がされているのですが、その「鍵」を消防隊の方々が開けられず消火活動に支障をきたしたという事例があった為、「鍵」について言及します!🔑💦
◎ 連結送水管ブースタポンプがある場合
消防法施行規則第31条〔連結送水管に関する基準の細目〕にて「高さ70mを超える建築物にあっては連結送水管を湿式とし、かつ加圧送水装置を設けること。」と謳われており、地上から水を送っても上階にて必要な放水圧の確保が困難だという前提で “中間のブースターポンプ” の設置が義務付けられています。🧲(;´Д`)👌
この中間のブースターポンプについて消防法施行規則第31条第6号イ(ハ)にて「起動装置は直接操作できるものであり、かつ送水口の直近又は中央管理室に設けられた操作部から遠隔操作できるものであること。」と規定されている他、大阪市の消防用設備等の設置に係る運用基準にて「防災センター等に設けられた操作部から遠隔操作できるものとして差し支えない。」と謳われているのです。📋
よって、地上の送水口付近に中間のブースターポンプ起動に要する装置のある制御盤が設置されています。🔘☜
◎ 中継ポンプ制御盤が開かなかった事例
連結送水管ブースターポンプの起動装置は、いたずら等で操作できない措置として簡単な「鍵」がかけられています。🔏
前ブログ “連結送水管の耐圧試験” にて「消防隊の方々が連結送水管を用いた消火活動を試みて配管内に消防ポンプ車より加圧送水したにもかかわらず、消火活動に必要な放水圧力が得られず使用不可であったという事例」の原因として「連結送水管の耐圧試験未実施」の物件であったことが問題視されていました。🚨(;´Д`)💨
加えて以前、連結送水管ブースターポンプの起動装置の「鍵」が不明で制御盤が開けられなかった為、消火活動に支障をきたした事例も現在同様に問題視されている様です。🚒💦
もし連結送水管の中間ブースターポンプが起動できなければ、上階に水を送ることが出来ず消火活動が困難となります!((((;゚Д゚))))💔
◎ 中継ポンプ「鍵」についての規定は?
参考:無線通信補助設備@さいたま市消防用設備等に関する審査基準2019
大阪市の消防用設備等の設置に係る運用基準上には連結送水管ブースターポンプ起動装置の「鍵」についての記載は、見たところありませんでした。🔍(;´Д`)💨
そこで、大阪市内消防署の予防担当者様に話を伺うと『通常は、無線通信補助設備と同じ「鍵」が用いられて‥』とのこと。👮💬
詰まる所、施錠されているものの消防隊の方々が持っている共通の「鍵」で簡単に開けられる仕様である‥はずなのです。🔑💦
しかし、そうなっていなかった為、消防設備士である管理人に対して『連結送水管のブースターポンプって、どんな「鍵」使われているか分かります?』と質問を投げかけて頂いたワケです。🚨
◇消防設備士が持っている鍵の種類
ちなみに、連結送水管に中間ブースターポンプが設置される高さ70mを超える建築物は割とレアであり、本件に関して地方で同業をしている消防設備士の友人に質問してみたところ『連結送水管に中間のブースターポンプが設置されている物件は数える程しかなく、そこの点検に入っていない為、分かりません!(地方コンプレックスを添えて‥)』との回答がありました。🍚(´∀`*)ウフフ💦
かく語る管理人も、一度だけ連結送水管ブースターポンプ起動の表示灯バッテリー交換依頼時の現調で制御盤を開錠したことがあった位で、殆ど触るタイミングがありませんでした。💔
我々消防設備士は、点検時等は常に「鍵」を複数種類持ち歩いており、業務で触る設備については大体それで開錠できています。🔓
おそらく、点検時に『連結送水管のブースタポンプ制御盤が開けられない!』という話をあまり聞かないのも、手持ちの「鍵」で開錠できちゃっていたことが一つ理由となっていそうです。👷💭
そこで、消防設備士が普段使っている「鍵」の種類について『この消防設備士さんは凄い!』と管理人お墨付きの2名が携帯していたものについて公開させて頂きます(※ご本人様の承諾は得ています)。🔑\(゜ロ\)(/ロ゜)/🔒
◎ 石崎部長の場合
👇現場では『手裏剣』の愛称でお馴染み‥
◎ HYさんの場合
続いて、消防設備士HYさんが携帯されている「鍵」の内訳は以下の通りです。🌾(´∀`*)ウフフ♪
- ☑ タキゲン200番、030番(爪のやつ)
- ☑ アルファ40(関東?仕様)、アルファ73(関西?仕様)
- ☑ SOLの鍵 大小2種
- ☑ 緊急時のプラスマイナスドライバー(薄っぺらのやつ)
えッ、何ですか緊急時のプラスマイナスドライバー(薄っぺらのやつ)って存在を知らなかったんですけどメチャクチャ便利そうじゃないですか‥!((((;゚Д゚))))🔑
◎ ‥買いました、2つ!
◎ 便利グッズで業務効率化
つい先日、このクソ暑い中でクーラーのかかっていない場所で自動火災報知設備の空気管という感知器タイプの作動試験をした時こと『いざ現地試験‥あッ!受信機前にプラスドライバー忘れてきてるやん!』という恐ろしい出来事が。((((;゚Д゚))))💔
何とか無理矢理マイナスドライバーで検出器の格納箱を開けましたが、無駄に格闘したせいで全身から汗が噴き出ました。⛲💦
あの時、もしキーツールがあれば‥ってことで車の「鍵」に嵩張らないコイツを装着することを誓いましたし、これまで装着していたボストン留学時代に購入したプリマス・ロックという "ただ1620と刻まれた石" のキーホルダーが何だか忌々しく感じました。🌻笑
🔑(´-`).。oO(こんな感じで消防設備士は業務を円滑に進める為に様々な種類の「鍵」類を持ち歩いていますが‥、、消防隊の方々はそうではないので有事の際に消防隊の方々の手持ちの「鍵」類で簡単に開錠できる仕様に統一すべきであるのではないかと‥!!)
◎ まとめ
- 地上にある「送水口」から消防ポンプ車を用いて加圧送水し、上階に設けられた「放水口」に消火ホースを繋いで消火活動を行う為の設備が「連結送水管」について、高さ70m以上の建物に設置される“中間のブースターポンプ” の格納箱には「いたずら等を防止する策」として簡単に開錠できる「鍵」がされていた。✅
- その“中間のブースターポンプ” の格納箱の「鍵」を消防隊の方々が開けられず消火活動に支障をきたしたという事例があった為、「鍵」について言及した。✅
- 大阪市内消防署の予防担当者様に話を伺うと『通常は、無線通信補助設備と同じ「鍵」が用いられて‥』とのことだが現場ではそうなっていないこともある為、有事の際に消防隊の方々の手持ちの「鍵」類で簡単に開錠できる仕様に統一すべきであった。✅
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