◎ 連結送水管の耐圧試験って‥⁉
- ☑ まず “連結送水管” の使われ方(消防隊専用)について、簡単に説明しますので以下の写真をご覧下さいませ。⛲(´∀`*)ウフフ♪
パッと目に付く “送水口” は連結送水管の入口でしかなく、それから太い配管が建物上階までグーンと伸びて放水口という出口が3階以上の各階に設けられているんです。🏢(´∀`*)ウフフ
- ☑ 有事の際に消防ポンプ車が加圧送水した圧力に対して、送水口ー放水口 間の配管から漏水などせずに耐えられるかを試験するのが「連結送水管の “耐圧試験” 」になります。
そして実は、この連結送水管の耐圧試験自体は “消防ポンプ車” を用意せずとも、専用の耐圧試験機器があれば行うことが可能です。👷👌
連結送水管の新設時には “放水試験” を行わなければならない為、消防ポンプ車のパワーで動的な加圧送水をする必要があります。🚒💦
しかし、消防用設備点検時に実施する連結送水管耐圧試験については締め切りでの加圧送水になる為、静的な加圧送水でOKですから小型の機器でも十分パワーが足りるというワケです。💪(´∀`*)ウフフ♪
弊社の場合、消防ポンプ車を手配するより、小型の連結送水管耐圧試験専用の機器の方が “安価” でのサービス提供が可能です。💰✨
【⛲連結送水管の耐圧試験を実施する前に見ておくこと】
- ☑ 補給水槽の有無、専用か(飲料水用高架水槽)兼用かを確認。※兼用の場合は汚染対策必要
- ☑ 補給水槽の水位が増減するため、警報関係に注意。
- ☑ 各階の放水口がしっかり閉まっているか確認。
- ☑ 連結送水管のルートをなるべく把握しておく。
- ☑ 送水口のプレートやシールで竣工時の設計圧力もしくは試験時にかけた圧力の値を見ておく。
- ☑ 送水口に黄色い四角のシールがある場合は送水圧1.0Mpa出以上で設計されている為、最低1.0Mpaまで加圧する必要がある。
- ☑ 消火栓と連結送水管の配管が兼用でないかを確認(補給水槽手前でつながっている場合もある)
※消火栓と兼用配管の場合は送水口直近の仕切り弁までの耐圧試験でOK(消火栓配管まで含めて圧力を掛ける場合は消火ポンプのメインバルブを閉める!)
◎ 連結送水管耐圧試験器の準備
- ☑ 人員2名で、下記の作業を行っていきます。👥✨
◎【湿式の場合のみ】補給水槽の準備
※補給水槽とは‥配管内を水で満たしておく為に、建物の屋上などから水を配管内に重力をかけて落としておく役割を担う水槽。
- ☑ 高架水槽兼用の場合はサビなどが飲料水に混じらないように対策が必要!
- ☑ 仕切弁(バルブ)は少し工具を掛けて閉めると良い場合もあります。
◎ 最遠の放水口(テスト弁)の準備
◎ 水張り
この時、送水口コックを “開” にして水が送られているかを確認しましょう(さもなくば圧力計を見て『あれ?』と数分無駄にする恐れがあります)。💔((((;゚Д゚))))⌛
「水張り」で配管内に水が満たされた状態における圧力がどのくらい上がっているかを確認しておくと、この後の “耐圧” 試験で配管に圧力をかけた時に異常が生じても『ん⁉配管内の圧力が下がり過ぎてる!』と発見し易くなります。🕵✨
元々、配管内に水が入っている “湿式” の場合は短時間で水張り終了しますが、配管内が空の “乾式” の水張りは結構時間がかかったりします。⏰(;´Д`)💨
◎ エア抜き
◎ 耐圧!
- ☑ 一人が地上の送水口より試験器を操作、もう一人が屋上のテスト弁など最遠の放水口について加圧送水時の配管圧を確認。🔍
配管内のエアも抜いて、びっちり水だけになったら『グッグッ‥』と圧力をかけていきます。🐘💨
この「耐圧」で圧力が上がらなかったり、圧力が一時的に上がっても徐々に下がる場合、以下の様なトラブル発生が疑われます。💡
- ☑ 配管のどこかで漏水している
- ☑ 屋上にある補給水槽に水が逆流している(※湿式の場合)
原因として困るのが「地中埋設配管での漏水」であり、これは外側から見えないことに加えて漏水箇所も特定できない為、全て地上配管に交換するという大掛かりな改修工事が必要になります。💔💦
- ☑ 配管内圧力を上げすぎた場合はコックから少し排水して調整
- ☑ 放水口側の圧力ゲージ値にて、圧力を3分間保持できれば配管の耐圧試験結果は「良」
◎ 補給水槽側の逆止弁の作動確認
配管の圧力を保持した状態で2名屋上へ行って一人が補給水槽側の仕切弁を一気に開放し、もう一人はゲージの減圧具合を監視する。🔭
- ☑ 送水口側圧力計でゼロ近くまで圧が落ちる場合は、逆止弁が効かず補給水槽へ逆流している可能性高い。
◎ トラブル対処
- ☑ 金具接続部から水が漏れるときは…
🔧(´-`).。oO(パッキンは予備品を耐圧試験機と一緒に入れているので‥、、交換すればOK‥!!)
施工している時は『こんな頑丈そうな配管、水漏れするワケないよな‥。』と思えるのですが、実際に連結送水管の耐圧試験をしてみると不具合が生じているケースが多々あります。((((;゚Д゚))))💔
連結送水管は施工時に最遠の放水口から0.6MPa以上の放水圧を確保する為に地上から1MPa以上の加圧送水が計算上必要な場合は「スケジュール管」という分厚く頑丈なものを使用します。💡
とあるメーカーの偉い人も『強度的にスケジュール管は過剰‥』と仰っておりましたが、裏を返せば何が何でも「配管が破れて有事の際に使用不可‥という事態を避けたい!」という事であり、この連結送水管の耐圧試験は重要なのです。🚨(;´Д`)👌💦
◎ 打倒!悪徳業者のシール貼り点検
上述しました通り我々の様な比較的優良な老舗業者は、消防法を可能な限り遵守したサービスを長らく続けて食っているワケです。🍳✨
しかし、昨今「赤ペン先生がガバガバ」な背景もあって、素人による中身が空っぽに近い “シール貼り” サービスを破格で提供して利益を得る様な経営判断がされるケースが後を絶ちません。💔💦
そもそも消防法の目的に反する行為ですし、ごく一時的にはウマく感じるかもしれませんが、想像力に欠けた “ワンパン” 当て逃げで価格が不当に下がって従事する者の給与も低くなれば「中長期的に誰も得しない状況」となるのは明らかでしょう。🥊(;´Д`)💨
弊社には管理人を含んだ『消防設備業界で食っていく事を決めました』なる志の社員がおりますから、マーケットを適切な状態にして働きやすい環境にする為にも “竹” が発信せにゃならんのです。🎍
◎ まとめ
- 連結送水管を設置した日から10年経過した日以降、3年毎に “耐圧試験” を実施する方法について“消防ポンプ車” を用意せずとも、専用の耐圧試験機器があれば行うことが可能であった。✅
- このページを見た有資格者が同じサービスを行う上で役に立つ情報である、専用の耐圧試験機器の操作方法と耐圧試験実施マニュアルについて全て公開した。✅
コメントをお書きください
名無しさん (日曜日, 14 6月 2020 14:18)
>消防ポンプ (使う場合の注意点)
消防ポンプ・消防ポンプ車を使う場合、次の二つの理由から消防ポンプの周りが水浸しになることが識られていないように思います。
1.吸込み側に空気が残っていると、最悪ポンプが壊れてしまう(キャピテーション:減圧沸騰破損)ため、一度真空ポンプ他で吸い上げたら余計な空気が入らないように余分な水は逃がすなどの工夫をしなければいけない。
2.そもそも消防ポンプを動かすエンジンを冷やさなければいけない。
(全力運転だと停車中の消防ポンプ車では、普通のラジエターだけではオーバーヒートしてしまう)
【動画例】分かりやすいのが以下、
https://youtu.be/GaR4G4lCK7I?t=122
2分2秒あたりで「消火栓」から水を送っていますが、2分12秒あたりでエンジン・ポンプの下あたりから「ポンプを回していないのに」水が出てきています。最も重要なのは、何故「それを止めていない(特にこの段階ではエンジンを止めたままなのに)」か。
勿論、放水すれば周りが水浸しになるのは当たり前なのですが、これが積雪寒冷地だと「わざと流している水」によって、思わぬ「周辺・周辺での(凍結)スリップ事故(ポンプを動かしている人が本当に転倒する)」等が心配です。
対応製品例
https://www.morita119.jp/related/parts/006.html
https://www.nikki-net.co.jp/parts/cooling-water
特許例
https://astamuse.com/ja/published/JP/No/2004242983
名無しさん (日曜日, 14 6月 2020 14:29)
解説
1.キャピテーション破損・NPSHについて
以下が分かりやすいと思います。
https://engineer-education.com/pump-2_cavitation/
消防車で厳しいのは、例えば防火水槽など「ポンプ」の下にある水源から、ストローでスタバのアイスコーヒーを飲むように吸い込むため、どうしても負圧になる場合があります。水源がポンプの上にあるならば簡単なのですが(詳細はNPSH参照)。
その上で、当該のキャピテーション破損は「減圧沸騰」で発生しますので、水源が下にあるのは消防ポンプ設計の重大問題。
よってバケモノ消防車では、防火水槽にホースだけではなく、水中ポンプ付きのホースを入れるのも有りますね。
名無しさん (日曜日, 14 6月 2020 14:48)
2.消防ポンプを動かすエンジンを冷やす方法
一番簡単なのは「放水する水」を少しエンジンの冷却に分けて貰うこと。
ただし、分けて貰った水は放水側には直接繋げられない(冷却して機械他を回った分、圧力が落ちるため:直接繋ぐと逆流して壊れる!)ため、消防ポンプの吸水(取水)側に戻す方法があります。
ただ放水を止めてしまえば「逃げ場がない」ために、工夫しなければそこで水がぐるぐる回って沸騰したり、放水・停止のショックを和らげるように「一滴たりとも他には出さない」ために、各社さんはしのぎを削っています。そもそも1.のキャピテーションの問題で「ただでさえポンプの設計が難しい」のに「エンジン冷却で沸騰寸前の水を入れる」のは、難易度倍プッシュ。
(一時的には安全弁のように圧力が逃げるまで水を落とすことも)
(技術的にNPSH対応は深さが5m以上有るバケモノで可能だが、それを消防ポンプ車に乗せるのは、寸法の段階で無理。)
名無しさん (日曜日, 14 6月 2020)
以上【「消防ポンプ車」を呼べば良い!】何て簡単なお話では無いんだよ!という例にて
(特に技術編:長くて済みません)。
それにぶっちゃけ「冬場手がかじかむ」ところで、幾ら消火用水でそれなりの手袋をしても辛いことは変わりなく。
冬場雪降りの上に「不用意に水をばらまけば」、転倒必至・超危険なアイスリンクを作ってしまいます。
関西でも真冬ならば、残った水を綺麗に片付けないと夜中に凍ってしまい、「自転車で通りかかった大阪のおばちゃん」が転んでしまうかも知れません。
そんなこと初めて聞いた!というのは、私も消防ポンプ車を本当に動かすまで同じ。
だからこそ「専用の耐圧試験機器」で済むならそれが一番!ですし、「連結送水管の新設時には “放水試験” 」つまり消防ポンプ車(可搬式含む)が必要ならば、「真冬にやりたくない!」のも人情。これは「手がかじかんで辛い(マジで痛い!;消防署員・消防団員さん尊敬!)」だけではなく、「後始末が悪いと、周りが凍って転倒・怪我人が出る」お話ですので、識られて欲しいですね。
管理人 (火曜日, 16 6月 2020)
>名無しさん 様
本ブログを上回りそうな情報量のコメント、誠に有難う御座います!!_(._.)_✨笑
キャビテーション、電験三種の水力発電のところで習った気がします!懐かしい‥。
消防ポンプ車などでも、減圧沸騰で発生した泡が弾けて機器損傷みたいな可能性が考えられるのですね。
また「水を片付ける」という発想と言いますか、ひとたび氷になった時の危険性について大阪人の意識は低いかもしれません。
とても参考になりました!!�
今後とも、何卒宜しくお願い致します!!�(´∀`*)ウフフ♪
ヘラクロス (水曜日, 26 8月 2020 01:44)
質問です。
中、大規模な建物で、バイパス配管がなされてる連結送水管の送水口が複数ある(建物の東西や南北に分けて送水口を設置)場合の理由って何故なんですか?
1系統のみだと問題があるのでしょうか??
管理人 (水曜日, 26 8月 2020 09:09)
>ヘラクロス 様
コメント有難う御座います!�
まず思いつくのが、各階配管を分岐させて放水口に繋ぐより、別で立管を設けた方が「各階を長い配管で接続するより費用的に有利」なことですね…。�
あと、東西・南北と別の位置に送水口があるのであれば、圧力源である消防ポンプ車が接続された送水口に近い放水口の方が放水圧力が高くなります。配管の末端となる放水口で0.6M㎩の放水圧を確保する為である可能性もあります。�
今後共、何卒宜しくお願い致します!!�✨
消防設備士勉強中 (土曜日, 25 2月 2023 21:18)
管理人様
いつも拝見しております。
質問があります。「エア抜き」をする理由は何でしょうか。
エア抜きをしなければ何か問題があるのでしょうか。