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自家発点検費用は擬似装置の要らない「実負荷」試験なら割安価格⁉

自家発電設備の「負荷運転」も消防設備士
自家発電設備の「負荷運転」も消防設備士に一任‥!

自家発電設備の「負荷運転」にまつわる法改正があってから、しばらく時が流れましたが、未だに『30%以上の負荷をかけて試験が義務づけられ‥』といった “誤情報” を片手に飛び込み営業に来られる業者さんがいらっしゃいます。💔(;´Д`)💨

 

当ブログは、以下の様な読者さんを想定しています。💡👷💭

  • ☑ 「実負荷」について知らない自家発メンテ業者さん
  • ☑ 「負荷運転」を行なえていない防災屋・消防設備士
  • ☑ 悪徳業者に高額な費用を支払っている建物関係者様

情報を取って割安サービスを実施しましょう、お客様の為に!👛

◎ 自家発の「負荷運転」って何⁉


自家発電設備の「負荷運転」とは、実際に自家発電設備が作動した際にバックアップする “負荷” を動かした状態で運転性能を確認する試験のことです。🔋✨

 

消火ポンプの非常電源に自家発電設備
消火ポンプの非常電源に自家発電設備が!

火災発生に伴って停電したとしても自家発電設備があれば、スプリンクラー設備屋内消火栓設備消火ポンプを動作させる電力を確保できる為、使用可能となっているのです。🔌(´∀`*)ウフフ⚡

 

自家発の「負荷運転」は、実際にバックアップする消防用設備等の “実負荷” を動かす、もしくは同様の電力を消費する装置である “擬似負荷” を自家発に繋げて試験する二つの方法があります。📃

 

この時、自家発電設備にかける負荷の大きさ・時間について、消防用設備等の点検要領上では『擬似負荷・実負荷等により、定格回転速度及び定格出力の30%以上の負荷で必要な時間連続運転を行い確認する。』と謳われています。📘💬


 

実は、以前まで上記の “30%以上の負荷で‥” という文言のおかげで「実質、擬似負荷を用いた点検しかできない。」という状態になっていました。💔((((;゚Д゚))))⛽💦

 

しかし、528号通知が出たことによって自家発メンテ業者さんにとっては “擬似負荷” による負荷運転のニーズが激減する一方で、防災屋の消防設備士は自分達が実施する消防用設備点検時に “実負荷” による負荷運転が可能となりました。💯

◎ “528号通知” を活用せよッ!


自家発電設備に繋がっている消火ポンプの容量(kW)は、施工時に配管の摩擦損失計算をした結果を鑑みて決定しています。🚨✨

 

528号通知で消防設備士 実負荷
528号通知で実負荷でも試験が可能に…!

例えば以前、弊社スプリンクラー設備を設計・施工した現場ですと、管理人が算出した “10kW” という最遠のスプリンクラーヘッドで規定の放水圧を得る為に必要な消火ポンプの容量に対して、実際には “15kW”消火ポンプを選定して据えています。🐌♪

 

何故、余裕をみた数字にしているかと言うと『もし規定の放水圧が得られなかったらマジでThe ENDだから』という背景が挙げられまして、管理人も用心深過ぎる性格ですが、殆どの現場でも余裕をみた消火ポンプ容量選定がされている事が多い印象です。💡

 

そして、数字的に余裕を見られている15kWの消火ポンプに対して選定された自家発電設備の容量は47kVAというものです。

 


 

これは528号通知にもある通り『瞬間的に約3倍の出力を想定して設計されている』為、15×3=45以上の容量なのです。💪

 

では、47kVAの自家発電設備に繋がっている、出力10kWのスプリンクラー設備の消火ポンプという “実負荷” を回した時に何%の負荷となるかを計算してみますと、10÷47≒0.21‥と30%を超えるには程遠い数値になっているんですね。💔(;´Д`)💨

 

その為、以前は設置されている自家発電設備に30%以上の負荷をかけて試験しようとしたら、消火ポンプよりも電力を消費する “擬似負荷” 装置を繋いで負荷運転をしなければ法令遵守できないルールとなってしまっていたのでした。📝

 

しかし今は『当該負荷相当で負荷運転の点検を実施すれば足りるもの』として差し支えないと国から “お墨付き” が出ているので、この528号通知を利用しない手はないのです、全国の消防設備士の皆さま‥しっかりやっていきましょう!🧯(´∀`*)ウフフ💦

◎「実負荷」で試験する方法って⁉


では具体的に「実負荷」で負荷運転をするに際して、どの様にすればいいかと言うと『計算上で “最大値” となる出力が得られる方法で消防用設備等を回せばいい』事は、お察しの通りです。🤖✨

 

消防用設備点検時の放水試験のついで 負荷運転
消防用設備点検時の放水試験のついでに‥⁉

例えば、屋内消火栓設備であれば消防法施行令第11条にて「いずれの階においても、当該階のすべての屋内消火栓(設置個数が二を超えるときは、二個の屋内消火栓とする。)を同時に使用した場合」で規定の放水圧が得られる容量が最大値になっています。⛲

 

また、スプリンクラー設備だと上述した通り “最遠のスプリンクラーヘッドで規定の放水圧が得られる容量” で設計されている為、消防法施行規則第14条にて「末端試験弁は、放水圧力が最も低くなると予想される配管の部分に設ける」とされている最遠の末端試験弁を開放すれば “実負荷” 相当になると分かります。💮(´∀`*)ウフフ

 

他の設備も同様の考え方で「実負荷」をかけられるでしょう。💪


 

よって、消防設備士が常日頃より実施している消防用設備点検の “放水試験” のついでに、消火ポンプに対して設けられている自家発電設備を回してやれば「実負荷」による負荷運転が十分可能となっているのです。

 

ちなみに、弊社では「実負荷」で自家発電設備を回す時間を “30分間” としており、これは自家発電設備の内部に溜まったカーボンを焼き切って排気するのに必要な時間がそれ位と言われている為です。⌛

 

 

☟以下に、実負荷試験の結果報告書(みほん)を置いておきます。

ダウンロード
負荷運転_試験結果報告書@タマスケマンション(みほん).xlsx
Microsoft Excel 2.2 MB

◎ それでも “擬似負荷” が有利なケース


「実負荷」による自家発電設備の方が『消防設備士が普段行っているサービスの延長で “割安” で行えるでしょ!』と豪語してきましたが、条件次第では “擬似負荷” の方が簡単に行えるケースもあります。🧠(;´Д`)👌✨

 

消防用設備等以外もバックアップする設計 自家発
消防用設備等以外もバックアップする設計のものも‥

停電してから自家発電設備での電力供給に切り替わる時間は40秒以内とされており、数十秒は停電状態となります。⏰💦

 

例えば、消防用設備等の他にもバックアップする負荷が自家発についており、それが止まると困る場合があります。💔(;´Д`)💨

 

その為、大型の(6)項イ 病院などでは「少しでも停電して機械が止まると患者の命に係わる」ものがあれば、電源を切り変えず自家発に “擬似負荷” を接続した負荷運転せざるを得ません。🔌

 

また、自家発に接続されている「実負荷」が多く、全て動作させるのに人数が必要となる場合も “擬似負荷” の方が楽でしょう。👥


◎ 打倒!ウサン臭い「協会ビジネス」


先日、管理人の師匠より『何か(一財)消防◯◯協会っていう、めっちゃウサン臭い協会から封筒が届いてるんやけど‥青木防災㈱にも来てる?』ってな具合の連絡がありまして、その後に弊社も受け取りました。📪

 

消防設備士というホンモノの出番
そろそろ消防設備士というホンモノの出番‥!

その協会、名を連ねているのは我々同業者が全く知らない法人ばかり‥怪しさレベルがMAXに達していました。👻👻👻

 

前ブログ「自家発負荷運転の悪徳業者にご用心!」でも言及しました通り、総務省消防庁が直々に注意喚起をする程、自家発の負荷運転業者はワルイージな輩が沢山いるのです。🧢💦

 

負荷運転にまつわるイメージダウンが起こったことによって損害を被っているのは、以前から真面目に商売をしてきた自家発屋さんであり、我々の様な消防設備士なのです。💣((((;゚Д゚))))💥

 

しかしコレ、消防設備士にも一部 “非がある” と思ってます。🚨


 

兼ねてより我々の様な防災屋は、消防法第17条によって創出されたマーケットに頼りっきりで特に「売れるサービス」を作る動機も無かったので、そのまま “おんぶにだっこ” で何も工夫せず、能動的に情報を取ってサービスを展開する等といった “商い” の姿勢が足りなかったのではないかと管理人は見ています。🔍(;´Д`)💨

 

耳の痛い話ですが、だから現在はカネの匂いに敏感な “悪徳業者” に一杯食わされている様な状態になってしまっているのです。💔💦

 

そんな市場を作り出した責任の一端は我々の様な防災屋にあり、もっと適切な情報を “お客様” に伝える努力を怠っていたから不意を突かれて全体的に悪影響が波及してしまったのではないかと。👷💭

世の中にとって、より価値の高いサービスを割安で実施できる様に消防設備士一人一人が動けられれば、もっと良くなるのです。🗾✨

 

消防法第17条の12〔消防設備士の責務〕を遵守した、誠実な業務を行える市場を共に作っていきましょう!💪(´∀`*)ウフフ♪

◎ まとめ


  • 自家発電設備が作動した際にバックアップする “負荷” を動かした状態で運転性能を確認する試験である「負荷運転」について、消防用設備等の点検要領上では『擬似負荷・実負荷等により、定格回転速度及び定格出力の30%以上の負荷で必要な時間連続運転を行い確認する。』と謳われていたが、現在は528号通知が出たことによって消防用設備点検時に “実負荷” による負荷運転が可能となっていた。✅
  • 消防設備士が常日頃より実施している消防用設備点検の “放水試験” のついでに、消火ポンプに対して設けられている自家発電設備を回してやれば「実負荷」による負荷運転が十分可能となっており、『計算上で “最大値” となる出力が得られる方法で消防用設備等を回せばいい』事が分かった。✅
  • 総務省消防庁が直々に注意喚起をする程、自家発の負荷運転業者はワルイージな輩が沢山いるのには、防災屋が適切な情報を “お客様” に伝える努力を怠っていたからであり、能動的に情報を取ってサービスを展開する等といった “商い” の姿勢をもって、より価値の高いサービスを割安で実施できる様に消防設備士一人一人が動けられれば、もっと良くなった。✅

◎ 参考資料


ダウンロード
消防予第215号 消防用設備等の試験基準の一部改正について.pdf
PDFファイル 1.1 MB

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コメント: 6
  • #1

    ぬけ (水曜日, 03 6月 2020 14:09)

    いつも参考にさせて頂いております。

    今回も昨今の情勢からとても重要な情報を提供していただいて感謝しております。

    ただ、この記事を読んでいて、どうしてもわからない点があります。
    文中に「47kVAの自家発電設備に繋がっている、出力7.9kWのスプリンクラー設備の消火ポンプ」という記述がありますが、この中の7.9KWの数値がどこから出てきたものかがどうしてもわかりません。

    また、「実際には “15kW” の消火ポンプを選定して据えて・・・」とありますが、7.9KWの記述のすぐ後の計算が「10÷47≒0.21‥」と10KWを基準に計算しているのも???です。

    この業界では知っていて当然の力率や計算式があるのだろうと思いますが、いかんせん、引っかかって来ません。

    私の疑問は、ここを見ればわかる!というような記事などございましたら、ぜひお教えください。

    これからも新着記事を楽しみにしております。

  • #2

    管理人 (水曜日, 03 6月 2020 15:15)

    >ぬけ 様
    コメント有難う御座います!!�

    そして、申し訳ございません!!7.9kWはミスでして、10kWが正しい値になります。。
    最初リアリティのある数字にしていたのですが、わざわざ計算しにくくしても‥と変更した経緯が御座いました‥汗�

    ご指摘、大変助かりました!!早急に修正させて頂きました。
    今度とも、何卒宜しくお願い致します!!�

  • #3

    こめ (月曜日, 19 4月 2021 15:10)

    スプリクラーポンプを締切運転では、実負荷運転にはなりませんか?

  • #4

    管理人 (月曜日, 19 4月 2021 18:21)

    >こめ様
    コメントありがとうございます!
    締切では実負荷になりません!
    最遠の末端試験弁を全開にして下さい。その放水量が0.1㎫以上となるようにスプリンクラー設備の消火ポンプは設計されています。
    締切で運転した際と、放水して運転した際の電流値を消火ポンプ制御盤で確認してみて下さい。放水時の方が電気を食っていることが分かりますよ。
    今後ともよろしくお願いいたします!

  • #5

    みや (金曜日, 01 10月 2021 15:54)

    30分間放水してしまうと給水するのがなかなか大変かと思われます。
    そこで、性能試験にて電流値を放水時と同等になるよう調整して代替実施、
    ということではいかがなものでしょうか。

  • #6

    管理人 (金曜日, 01 10月 2021 15:57)

    >みやさん
    コメント有難う御座います!
    仰る通りですね、名案だと思います!
    弊社点検部と相談し、試験方法として取り入れてみたいです。
    引き続き宜しくお願い致します。