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相次いだ世界遺産の火災

火災 イメージ画像
火災による被害を軽減する為の消防用設備等は…?

首里城の火災はTwitter上に “多くの方々が悲しみの声を…” というモーメントが作成される程、世の中に衝撃を与える出来事であり、管理人大好きな沖縄のシンボリックな建物が無くなったのは大変残念な気持ちです。💔(;´Д`)💦

 

そして世界遺産に指定されていた白川郷と立て続けに火災が起こった事から、ただでさえインパクトの大きい火災について一層世間の反応が煽られている印象です。🎏💨

 

📃✍(´-`).。oO(7つの習慣という本に “刺激と反応の間にはスペースがある” という台詞があります…、、そのスペースを利用して相次いだ世界遺産の火災について消防設備士の立場から今後の為にも反応では無く言及させて頂きます…。。)

漏電火災の注意点について


Twitter上にてご指名に預かりましたので、まず漏電火災について簡潔に記させて頂きます。🏯

 

【漏電火災の怖さ】

管理人が思う漏電火災の怖さは “どこでも起こり得る”です。⚡

 

コンセントがあれば、プラグの隙間にホコリが溜まり、それが湿気を帯びて漏電し発火するという「トラッキング現象」が起こり得ますし、何かしらの原因で電線が損傷(例:ネズミがかじる)等しても電気火花が生じて火災の原因になります。🔌🐀

 

【消火時の注意点】

電気火災の消火時に “注水” をすると感電する危険性がありますので、電気火災に対応した消火器(例:最も一般的な粉末ABC消火器)等を用いるべきでしょう。🧯(;´Д`)👌


首里城の火災における議論


世界遺産である首里城にて火災が発生した際のTwitter上タイムラインでは、多くの方々が悲観する声をあげられていました。💭

 

沖縄の象徴的な建物である首里城 火災
沖縄の象徴的な建物である首里城が…。

その中で、一部ニュースを含む多くの方々が『スプリンクラー設備は無かった』事について言及されていたのが印象的でしたので、そこを論点として消防設備士の立場から意見させて頂きます。📣

 

通常、消防法上で設置義務が生じていなければ消防用設備等が自主的に設置される事は殆どありませんが、流石に世界遺産であり沖縄の象徴的な建物に関しては “例外的な対応” がされていてもいいのではないか…という話だと思っています。👹💦

 

では、何故 “そうなっていなかった” のかと言えば “人” を守る為には消火活動を要する設備で十分、“建物” を守る為の自動消火は「あった方が良さそう(推奨)」程度の位置づけだったからです。⛲


 

消防法第1条にて「国民の生命、身体及び財産を火災から保護‥」と謳われていますが、消防用設備等の設置義務が生じる防火対象物用途によって順序的には “人” の次に “建物” を守るという様な設置義務の生じ方になっています。👮

 

法令上だと首里城は(15)項 その他の事業場という用途に分類されており、消防法第17条の2の5“多数の者が出入するものとして政令で定めるもの” である「特定防火対象物」には該当していませんでした。💡

 

例えば(6)項ロ 有床の老人ホームの様な用途だと、建物を利用する “人” を火災から守る為には「延べ面積に関係無くスプリンクラー設備(自動消火)が必要」だと解釈されており設置義務がありますが、一方(14)項 倉庫については11階以上にのみスプリンクラー設備の設置義務が生じるだけで、それ以外は消火活動を前提とした消火器屋内・屋外消火栓を設置するというルールになっています。📦

 

つまり、消防法上で規定されていた消火活動を要する屋内・屋外消火栓等の消火設備では不十分な場合(人は助かるけど建物に一定の被害が及んでしまう)というのはルール上想定内とせざるを得ない話で、世界遺産を人命と同様に “守られるべき” 建物として自動消火であるスプリンクラー設備を…と言うのであれば、その見立てで相応の準備が義務付けられていなければ有り得ない事でしょう。🗾

白川郷の火災における議論


立て続けに起こった世界遺産である白川郷での火災時には、消防隊が駆け付ける前に消防団の方々が消火活動を行っていた事や、延焼を防ぐ為に各所に設けられた放水銃が作動していた件が報告されていました。📺✨

 

中学生の時に習った白川郷の合掌造り
中学生の時に習った白川郷の合掌造り…。

合掌造りの家は元々燃えやすく火の粉の飛散で延焼の可能性も想定されていた事から、集落におられる方々の防火意識が高かったと報道されており、管理人もその意見については同調します。🐈♪

 

それに加えて各所に設けられた放水銃が示す通り、建物を守る為に相当額の “費用” をかけて準備がされていたと分かります。🔭💦

 

また、白川郷の建物については(5)項イ 旅館・ホテルの用途もあるようですが、一般住宅として使われている建物には消防用設備等の設置義務が生じない為、余計に『有事の際に備えなければ…』という様に、自ら防火管理をしなければならないという気持ちがあったのではないかと思っています。🏮


防火管理は他人事じゃ無い!


一連のニュースに対する様々なコメントの中に『スプリンクラー設備があれば…』の様な意見があったのですが、これだけ火災について世間に注目されている今だからこそ、例えば以下の様な意地悪な質問について考えてみて欲しいです。📝

  1. 世界遺産は、自分や大切な人の命より大切である。
  2. 世界遺産は、自分や大切な人の命と同じ位大切である。
  3. 自分や大切な人の命は、世界遺産より大切である。
世界遺産の火災と同時に一般建物
世界遺産の火災と同時に一般建物でも…。

火災は起こります、首里城や白川郷で起こった様に。⛩(;´Д`)💦

 

D・カーネギーの名著「How to Win Friends & Influence People」に “中国で百万人の餓死する大飢饉が起っても、当人にとっては、自分の歯痛のほうがはるかに重大な事件なのだ” と記されていた通り、多くの方々は自分や大切な人の命の方が大事でしょう。🦷

 

実は、空気が乾燥してきている時期という事もあり、世界遺産の火災報道の裏でも、人が亡くなる火災が相次いでいます。📰

 

🧯(´-`).。oO(後悔しないよう、自分や大切な人の命を守る為に消火器住宅用火災警報器等を適切な状態で備えてましょう!)


まとめ


消火器タマスケ
  • 首里城の火災は世の中に衝撃を与える出来事であり、管理人大好きな沖縄のシンボリックな建物が無くなったのは大変残念な気持ちであり、刺激と反応の間にはスペースを利用して相次いだ世界遺産の火災について消防設備士の立場から今後の為にも反応では無く言及した。✅
  • 世界遺産を人命と同様に “守られるべき” 建物として自動消火であるスプリンクラー設備を…と言うのであれば、その見立てで相応の準備が義務付けられていなければ有り得ない事であった。
  • 火災について世間に注目されている今だからこそ、再度自分や大切な人の命を守る為に消火器住宅用火災警報器等を適切な状態で備える事に目を向けて欲しかった。

参考資料


ダウンロード
沖縄県那覇市首里城跡火災(第5報).pdf
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