· 

ご存知ですか?点検報告率は◯◯%

消防設備士の業務である点検・報告率
消防設備士の業務である点検・報告率って一体…。

 つい先日に「令和元年度 消防機器等に関する研修会」が開催され、総務省消防庁予防課の設備専門官を担当されている塩谷様より “消防用設備点検の報告率” について講話がありました。🧂✨

 

実は “消防用設備点検の報告率が低い” という問題は以前よりずっと付きまとっているので、頭の片隅には常にあったのですが『よくよく考えるとヤバいな…。』と改めて思い返し、何か動かなければという事で得意の姑息なブログにて発信させて頂きます。📝

 

従来より指摘されており、ググれば出てくる改善策とは少しばかり切り口をズラし、かつ消防設備士実務を通して得られたフィルターを通して言及してみましたので、是非ともご確認頂きまして、より議論が活性化されればと思っています。🌋(´∀`*)ウフフ

2018年度の消防用設備点検報告率‥


2018年度 消防用設備等点検報告率
参考:2018年度 消防用設備等点検報告率

 

何と、直近の2018年度でさえ全体報告率は半分以下つまり点検義務がある建物の半分は点検が実施されていないのです!(;´Д`)💔

何が起こっているか


では何故、消防用設備等点検及び報告がされていないまま放置されるという様な事が起こっているのか、皆様はどう思われますか?🧠

 

建物利用者の命を火災から守る為に防火管理
『建物利用者の命を火災から守る為に防火管理を…!』

これについて色々な立場の方々の意見があり、それらが鑑みられて徐々に改善されてはいますが、まだまだ道のりは長そうです。👣

 

そこで、点検報告率に関する課題に対して、発信の出来る消防設備士として寄与・貢献する為に意見を述べさせて頂きます。📣

 

まず初めに “点検未実施” について以下の3つを問題提起し、それ以降で順番に言及していきます。💡

  • ⑴まだ理解がない人がいる
  • ⑶点検・報告を一回以上は実施したけど継続できていない

⑴まだ理解がない人へのアプローチ


例えば、電気主任技術者が選任される変電設備の法定点検であれば異常があった場合に日常生活に支障をきたす一方で、非常時に用いられる消防用設備等の維持管理を適切に実施してもらう為には、建物関係者様の “理解” が不可欠になります。💡(;´Д`)💭

 

タマスケ広報課長
タマスケ広報課長も点検報告実施を促しています…!

そもそも、この消防用設備点検の実施及び所轄消防署への報告義務は、防火対象物(消防法第17条で定められた消防用設備等の設置義務が生じている建物)の管理権限者にあります。🏢👥❕

 

よって当該防火対象物管理権限者が費用を負担して、適切に実施しなければならないのですが、もしそれを怠ったとして、実際に火災リスクを被るのは建物の利用者、つまり例えば共同住宅であれば部屋に住んでいる方々、飲食店であれば客や店員です。🔥

 

‥そう、つまり消防用設備点検がされていない事によって火災発生時に命を落とすというマジで困る事態になるのは、管理人を含む我々なのです。((((;゚Д゚))))💡


 

現在、所轄消防署の方々や弊社の様な業者によって草の根レベルで地道に防火管理にまつわる普及啓蒙活動が継続的に行われている為、徐々に改善されてはいます。👮💦

 

それらに加えて、建物の利用者となる立場である皆様に消防用設備等の点検・報告について知って頂き、興味を持って頂く事ができれば人海戦術的に影響力を発揮していき、消防法違反に対する建物の管理権限者の “理解” も一層深まるのではないかと思っています。🏄💨

⑵全業務に対して消防設備士等の手が回せていない


人手不足が叫ばれる昨今、建設業界のマイナー職種である “消防機器業” なんぞに人がワンサカ集まるはずも無いですから、ご多分に漏れず消防設備士も不足しております(※弊社調べ)。📃

 

『猫の手も借りたい…』ってアンタ猫やんか
『猫の手も借りたい…』位に多忙となる時期も…。

しかし、ここ数年で消防設備士の実務にまつわる、以下の様なルール変更が立て続けに起こっております。🎳(´∀`*)ウフフ♪

  1. 点検報告書内のクソ面倒臭かった押印箇所が省略
  2. 郵送で点検報告書の提出が可能になり来署回数が激減
  3. “消火器点検アプリ”で小規模飲食店の方は自分で点検報告

上記は現場の意見に基づき、総務省消防庁の方々により「点検の “実施” 及び “報告” が行いやすい環境を整備し、点検報告率の向上を図る」為に改善して頂けた素晴らしい例になります。💯✨

 

この調子で、今後は “消火器以外の点検支援アプリ” の開発や、“電子印鑑・電子申請” について検討されていくようです。📲


 

例えば今後、何らかの形で点検報告率が大きく改善される見込みがあったしても、実務を遂行する消防設備士が不足する様な事態となってしまっては数字を変えられませんから「自分達の能力を有効活用する」取り組みは超重要なんです。💮

 

前ブログ “「忙しさ」について” の様に業務への携わり方を考えて、生産性を向上(少ないインプットでアウトプットを多く収穫)する様に動ければ、消防設備士能動的に働きかけて点検報告率の改善に大きく寄与していく事も十分可能だと思っています。🙆

⑶点検・報告を一回以上実施したけど継続できていない


以前、昔から付き合いのあった防災屋さんが廃業されるという事で、その会社の点検先を全て弊社で引き継ぐこととなり、管理人が『◯◯防災さんの廃業に伴って、次から点検します青木防災㈱ですぅ♪』と挨拶周りをしていた時のこと…。ピンポーン🔘☜(´∀`*)ウフフ♪

 

とある自動車整備工場にて『点検報告時期が来ていますので、点検の実施お願いします~♪』と、お伝えさせて頂きました所『そんなもん他でもやっとらへんやないけ、実施率70%位ちゃうんか?皆やってない事に金払いた無いわ!💥』と断られてしまいました。💔

 

心の中で『(いや全体の点検報告率やと70%なんていってないけどね…)』と思っていましたが、いやコレ困っちゃいましたね…。🤡

 

傑作お花畑タマスケ広報課長
『オイオイお前の頭ん中(ピィーッ‼)かよ…。』

この様に「点検報告率が低いという現状が、さらなるモラルハザード(社会的責任を果たさない行為)を引き起こしている」という悪循環に陥っているケースを実際に目の当たりにしました。👿⤵

 

だから、まず点検報告率を8割位までブチ上げてやらんと “そういう人” はやってくれないんだろうと思っています。💡(;´Д`)💦

 

上記は極端な例ですが、他にも『あ~、定期点検‥ウチはええですわ。』みたいな方も結構いらっしゃって、まだまだ法定点検が “当たり前” という位置づけにされていないのだろうと感じます。🧠

 

制度全体の雰囲気を変えていき、改善するしか無さそうです。🌼


“質” と “%”


バランスが難しい問題なのですが、消防用設備点検報告率の数字を向上するに際して、実務の優先順位について “質” or “%” つまり「“%” ばかり追いかけて、例えば素人に消火器の点検をさせると “質” が保証されないだろう…」という意見が巻き起こる事があります。🎯

 

“ちくわ”にはタンパク質が豊富
“ちくわ”にはタンパク質が豊富に含まれています…!

極論どこぞの不動産屋さんがやっているように点検報告書だけ全て◯にして提出(比較的難しい改修工事の時だけ連絡が…)する様に働きかければ、目先の “%” を改善するのは可能でしょう。🚮

 

また、弊社員が以前勤務していた点検業者では「一日で13件もの点検先を回り、何も見ずに点検シールだけ貼付‥」という話もあり、既に “%” 云々では無く質のヤバさは回避できていません。💔

 

勿論、上記のような「消防法をクリアしている様に見せる為の点検」を容認してはいないので誤解しないで頂きたいですし、その様な誠実さに欠く業者は消防法第17条の12〔消防設備士の責務〕に違反するので弊社断固として行いません。🗿💨


『これからどうするか』


しかし!…しかしですよ、もっと “%” をあげなければ「消防法を守る為の点検」に関心のスポットライトが当たらず、真面目な業者が損をし、建物を利用される立場の方が火災リスクを負うといった様に、結果的な制度の破綻を引き起こしてしまう(現在も半分してしまっている)のではないかと思っています。🔦

 

『悪いあの人』の出番は終わり
『悪いあの人』の出番は終わりです…。

前項⑶のモラルハザードの話も “%” の低さが招いた結果であり、それを防ぐには “%” を高める、その先に良質な点検というサービスを追える土壌が整ってくるのだと思っています。🌱

 

ですからルールの方も見直し、テクノロジーの力も付加して及第点(=Not 妥協)を見つけて運用していくしかないと思います。🤖💦

 

管理人は、点検報告率 “%” のブチ上げという課題に対して、発信の出来る消防設備士として寄与・貢献して、最終的に誠実な業務を追える土俵が築きあがる為の一助となる事を目指しています。💡

 

これからもっと良くしていきましょう、“私たち” で!💪( `ー´)♪


まとめ


タマスケ女王様
  • 直近の2018年度でさえ全体報告率は半分以下つまり点検義務がある建物の半分は点検が実施されていない事に対して、ググれば出てくる改善策とは少しばかり切り口をズラし、かつ消防設備士実務を通して得られたフィルターを通して言及した。✅
  • 点検報告率が低いという現状が、さらなるモラルハザード(社会的責任を果たさない行為)を引き起こしていた。✅
  • 非常時に用いられる消防用設備等の維持管理を適切に実施してもらう為には、建物関係者様の “理解” が不可欠であり、所轄消防署の方々や弊社の様な業者によって草の根レベルで地道に行われている普及啓蒙活動に加えて、建物の利用者となる立場である皆様に消防用設備等の点検・報告について知って頂ければ人海戦術的に影響力を発揮していき、消防法違反に対する建物の管理権限者の “理解” も一層深まると思った。✅

参考資料


ダウンロード
2018年度_消防用設備等点検報告率について(全国の点検報告率の推移).pdf
PDFファイル 264.1 KB
ダウンロード
2017年度_消防用設備等点検報告率について(全国の点検報告率の推移).pdf
PDFファイル 461.5 KB
ダウンロード
消防用設備等の点検報告制度について.pdf
PDFファイル 3.0 MB

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    いつか青木防災で消火器を購入したい者 (日曜日, 20 10月 2019 00:16)

    ホントに、モラルハザードですね。。。

    うちはいいや、ってのは自分の所は絶対大丈夫だからっていう、防災への慢心と思いました。

    アプリで報告ができるというのは、便利だなと思いました♪

  • #2

    管理人 (水曜日, 23 10月 2019 11:09)

    >いつか青木防災で消火器を購入したい者 様

    コメント有難う御座います!!�

    ヒトには「自分は大丈夫」と思いこんでしまうバイアスが備わってしまっているので、被害を軽減するには法的拘束力も含めて“防災”すべきなのですが、現状では理解を得られない事もありますので、そういった話の広報や啓発に力を入れなければと思っています。

    アプリでの点検報告書作成は事業者の方にとっては便利かと思います!また、日本ドライケミカルさんの製品ですが消火器本体に対して、専用のアプリがついている“点検報告おたすけ丸”という、民間でよく似た(おそらく改善されて使いやすくなっている)ものもあり、これからのトレンドかと思っています。

    弊業界は市場規模が小さい事もあり、電子化等は比較的遅いかと思いますが、どんどん便利になっていこうとする動きは間違いなくあるので、今後も注目下さいませ。♪