· 

火災報知器が誤作動した際の調査方法

自火報受信機と各部屋に繋がった煙感知器の図
自火報受信機と各部屋に繋がった煙感知器の図。 ※クリックで拡大

自動火災報知設備(通称:火災報知器)の誤作動は、誤報非火災報と言いまして、正直なところ結構な割合で起ってしまっているのが現状です。💔(;´Д`)💦

 

この誤報の原因は現場によって複数のパターンがある為、弊社勤続36年の大ベテランの石崎社員『誤報調査は一番難しい』と仰っていました。👷💭

 

今回はその一例として ”火災発報中の誤報調査方法” について、我々が何をしているかをご紹介させて頂きます。📣

✍(´-`).。oO(これが最も分かりやすい誤報です…。。)

“火災” と “断線” の表示


これから記していく誤報調査方法は、受信機の 「“火災” の表示が “断線” の表示よりも優先される」という法則を利用します。💡

 

火災発報中の受信機とそのフロア
火災発報中の受信機とそのフロア。 ※クリックで拡大

 

図のような火災発報中のフロアがあったとして、このままではどの場所で火災信号が出ているか判定できません。🚥(;・∀・)❓

“断線” の表示を出そうと試みる


そこで、例えば受信機から一番離れた位置にある感知器の線を一度抜いてみます。🔌

 

警戒区域の終端の感知器線を抜いてみます
警戒区域の終端の感知器線を抜いてみます。 ※クリックで拡大

 

✍(´-`).。oO(その後‥、、以下の2パターンのどちらに該当するかで位置を絞っていけます…。。)

①“火災” 発報中の場合


この時、まだ “火災” 発報中であれば、線を抜いた位置の感知器よりも受信機側の感知器が発報していると分かります。🔥

 

受信機から最遠の感知器線を抜いてみる
受信機から最遠の感知器線を抜いてみる。 ※クリックで拡大

 

なぜなら、“断線” の表示よりも “火災” 発報の方が優先されるため、まだ受信機側に火災発報中の感知器があると判断できるためです。🔋

②“断線” 表示に変わった場合


“断線” の表示になれば、その線を抜いた感知器が火災発報していたと判定できます。⚡

 

断線表示に切り替わると誤報原因の感知器を特定
断線表示に切り替わると誤報原因の感知器を特定できる。 ※クリックで拡大

 

“火災” の表示が消えたという事は、線を抜いた感知器より向こう側で火災信号が出ていたと分かるわけです。🗼

 

こうやって、徐々に受信機側に向かって線を抜いていき、断線の表示に切り替わる位置を探せば、誤報原因の “火災” 信号を出している感知器が特定できるというわけです。💡

 

また、今回のように火災発報中の場合で、例えば200件の部屋がある建物の誤報箇所を特定したい場合は「ちょうど100件目の真ん中の線を抜いてみる」というのも一つの良い手段です。🏢(;´Д`)👌✨

 

真ん中の感知器線を抜いてみて、以前 “火災” 発報中であれば “受信機側の100件が誤報原因箇所” だと分かりますし、“断線” 表示に切り替われば “真ん中以降の残り100件が誤報原因箇所” であると絞り込むことができますから、調査すべき感知器をスパスパと減らしていくことができます。📝♪

 

✍(´-`).。oO(誤報調査の際は…、、こういう地道な作業をえっちらおっちらと行なっているわけです…。。)

まとめ


  • 火災発報中の誤報調査方法” について、我々が何をしているかを記していった。✅
  • 受信機の 「“火災” の表示が “断線” の表示よりも優先される」という法則を利用していた。✅
  • 例えば受信機から一番離れた位置にある感知器の線を一度抜き、まだ “火災” 発報中であれば、線を抜いた位置の感知器よりも受信機側の感知器が発報しており、“断線” の表示になれば、その線を抜いた感知器が火災発報していたと判定できた。✅

コメントをお書きください

コメント: 6
  • #1

    石川梨香 (木曜日, 20 12月 2018 20:07)

    いつも貴社のホームページには、大変お世話になっております。
    沖縄で同業を営んでいるのですが、担務業務が技術職ではないため、
    毎日、現場の従業員たちがどのような仕事をしているのか、
    このホームページで学んでおります。

    交換留学(?)ではないのですが、
    貴社へ研修に行けたら、
    素晴らしい経験ができ、その経験をそのまま熱い状態で自社へ持ち帰れたら
    本当に素晴らしい経験となるだろうな…と思い、
    いつも拝見しております。

    このホームページは、私の師です!

  • #2

    管理人 (金曜日, 21 12月 2018 08:49)

    >石川梨香さん
    いつも有難う御座います、沖縄凄く羨ましいです!!
    私は重度の花粉症でして、将来そのシーズンに沖縄で働くのが夢で、その将来が今なんです…。笑

    交換留学(?)の件、お互いの利益になりそうですし前に進められれば楽しそうです!
    ✍(´-`).。oO(お問い合わせのページにあるinfoのアドレスにメール下さい…。。)

    大変嬉しいお言葉、身に余る光栄です!!
    今後ともよろしくお願いいたします!!

  • #3

    ミケ (火曜日, 09 7月 2019 19:17)

    先日貴社のホームページを発見しまして非常に解りやすくておもしろく拝見させていただいております。
    わたくしマンション管理員をしておりますが、先日マンションの居室より火災警報器の誤作動がありました。
    その部屋には、作動式スポット型感知器が5個と定温式スポット型感知器が1個設置されています。
    設備業者に点検をしてもらいましたが、誤作動の感知器を調べるよりも部屋全体の感知器を取り換えた方が費用も手間もかからないと言われました。
    全取替での見積もりを出してもらいましたが、思ったよりも高額でした。(配線取り換えも含んで14万ほどでした)
    こんなにもかかるのであれば、調査して誤作動の報知器のみの取替えた方が良いのではないかと素人判断では思いました。
    調査して該当する報知器のみを取り換えるのと、最初から全報知機を取り換えるのは、どちらが費用的に安く済むのでしょうか。
    貴社でも、このような場合は感知器の調査よりも全取替を勧めるのでしょうか?
    プロのご意見を伺いたいと思います。
    どうぞよろしくお願い致します。

  • #4

    管理人 (水曜日, 10 7月 2019 08:58)

    >ミケ様
    この度は弊社ホームページをご覧頂きまして誠に有難う御座います!

    ご質問の件ですが、部分的な改修か、全取替えかというのはケースバイケースです。
    しかし、余程老朽化していない限り、全取替えは避けたいところでもあります。(費用がかかる為)

    従って、調査して誤報していた感知器を1個だけ交換する、方が安いと思います。
    感知器も少ないので尚更です。ただし例外もありますから、頂いた条件のみでは一概に断言できませんが…。

    なぜ、全取替えの判断になったか、詳細を業者さんに聞いてみてもいいかもしれません。
    専門的過ぎて分からない場合は、またここに書きこんで頂いても構いません。

    今後とも宜しくお願い致します!

  • #5

    まーくん (火曜日, 13 8月 2019 08:04)

    参考になりました。

  • #6

    管理人 (火曜日, 13 8月 2019 13:01)

    >まーくん さん
    コメントありがとうございます!
    お役に立てて幸いです!!
    マー君、神の子、不思議な子