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既存“連結散水設備”の設置義務が無くなった例

連結散水設備用の送水口
連結散水設備用の送水口 ※クリックで拡大

連結散水設備は 床面積700㎡以上の地階 に設置される消防隊専用の設備(消火活動上必要な施設)です。🚒💦

 

その機構ですが、地上の送水口から配管内に水を地下の散水ヘッドへ加圧送水してスプリンクラー設備のような感じで消火を行うものです。🌠

 

⛲(´-`).。oO(スプリンクラー設備の自動で回る消火ポンプが…、、消防ポンプ車に変わったようなイメージ‥。。)

 

今回、既設建物に連結散水設備がついていたのですが、改装・一部用途変更に伴って設置義務が無くなるケースに遭遇しましたので、ここでご紹介させて頂きます。💰(;・∀・)👌✨

◎ 連結散水設備について


Twitter上にて鳳凰(@HrYW9Cn2sEqiaU4)様より、弊社アカウント宛に下記のメンションが御座いました。

  • ☑ こんなに大量の差込口必要ですか???(・∀・)

 

  • ☑ 同時火災に対応するためですか?
連結散水設備の送水口
連結散水設備の送水口(鳳凰さんツイートより引用)
連結散水設備の警戒区域図
連結散水設備の警戒区域図

上記の質問について、以下の通り回答させて頂きました。📝(´∀`*)ウフフ♪

  • ☑ こちら「連結散水設備」といいまして、簡潔に述べますと消防ポンプ車から水を送って設置されているスプリンクラーヘッドから放水して消火活動を行うものです。
  • ☑ 放水区域が分けられている為、送水口の個数が多くなっています。近くに連結散水設備の警戒区域図があるかと!

1類の消防用設備に該当し、消防設備士の試験にも少し出てきますがホンモノを見る機会は限られているので分かりにくいですね。⛲💦

 

さて、この「連結散水設備」ですが、どのような場合に「既設のモノの設置義務が無くなる」のか確認していきましょう!🕵✨

◎ 令9条の“かっこ書き”


🏢(´-`).。oO(ざっくり言うと…、、今回経験した現場が令別表第一にて(16)項 複合用途防火対象物に該当する “雑居ビル” であったことで各用途を単一の防火対象物として別々で計算可能だったため連結散水設備の設置義務が無くなりました…。。)

 

…って、これだけだと『ちょっと何言ってるかわかんない』ってなるかと思いますから以下に説明していきます。🥪♪

 

予防課の方も不思議がる消防法
予防課の方も不思議に思う消防法とは…。

まず、消防法施行令第9条にて謳われている(16)項イ 複合用途防火対象物に関する以下の条文を確認していきましょう。

  • 第九条‥別表第一(16)項に掲げる防火対象物の部分で、同表各項の防火対象物の用途のいずれかに該当する用途に供されるものは、この節 (第十二条第一項第三号及び第十号から第十二号まで、第二十一条第一項第三号、第七号、第十号及び第十四号、第二十一条の二第一項第五号、第二十二条第一項第六号及び第七号、第二十四条第二項第二号並びに第三項第二号及び第三号、第二十五条第一項第五号並びに第二十六項を除く。)の規定の適用については、当該用途に供される一の防火対象物とみなす。

 

要は消防用設備の設置義務は “各用途ごと” で計算しましょうね!って話で、特に消防設備士要理解な部分になります‥。🧠(;´Д`)💨

◎ 気になる“かっこ書き”の中身は…


👓(´-`).。oO(上記 “かっこ書き” の中身を分解してみると…、、真相に近づけます‥。。)

 

各階に設置される“誘導灯”
各階に設置される“誘導灯”もヒントに…。

“かっこ書き” 内の条文の設備は、第九条の例外なわけです。📁

第九条 “かっこ書き” 内では、これらを除くと謳われています。📚

 

つまり、スプリンクラー設備自火報(16)項イの雑居ビル一棟全体に対して設置義務が生じるわけです。🗼✨


 

よく考えてみれば当たり前の話で、例えば誘導灯なんか設置されている階と無い階があったら逃げるとき困りますもんね。💡

◎ 用途ごとに消防用設備を設置


例えば “地階” に150㎡のテナントが5か所あり、そこへ(3)項ロ 飲食店が合計5店舗入って(3)項ロ 飲食店部分の合計床面積が750㎡になっているとします。🍔🍖🌽🍣☕

 

連結散水設備の“開放型散水ヘッド”
連結散水設備の“開放型散水ヘッド” ※クリックで拡大

連結散水設備の設置義務は “地階の床面積合計≧700㎡” であれば生じる為、この場合は連結散水設備の設置 “要” です。⛲

 

しかし、激しい顧客獲得競争の末に地階の5店舗の内、2店舗が閉店し、その閉店したテナント2か所を(14)項 倉庫として使用することになったとします。🍔👻🌽👻☕

 

ここで第九条の規定に基づくと、地階の “(3)項ロ 飲食店部分の延べ面積が残りの3店舗分の450㎡” と残りの用途を別々に計算して設置義務有無の判定を行えるというわけです。🏪♪

 

すると用途ごとでは “≦700㎡” である為、地階に連結散水設備の設置義務が生じる部分が無くなるわけです。🎓✨


◎ まとめ


  • 消防法施行令第9条に基づいて用途ごとに計算すると、用途変更により既設建物の連結散水設備の設置義務が無くなった。✅
  • “かっこ書き” 内の条文の設備は、雑居ビル一棟全体に対して設置義務が生じた。✅
  • 連結散水設備は “床面積700㎡以上の地階” に設置される消防隊専用の設備(消火活動上必要な施設)であった。✅