“消防水利”の分類
参考:総務省消防庁告示第七号
“消防水利” の分類ついて、消防法第二十一条第一項に以下の通り定められています。🛀♪
- 消火栓
- 私設消火栓
- 防火水そう
- プール
- 河川、溝など
- 濠、池など
- 海、湖
- 井戸
- 下水道
⛲(´-`).。oO(防火水そうは…、、消防水利の一つです…。。)
1. 消火栓
街を歩いたり走ったりしていると、一定間隔でこのような消火栓のマンホールがあることに気付けます。👀♪
🗼(´-`).。oO(そんなに下ばっかり…、、見とる人おらんやろ…。。笑)
この消火栓の設置間隔も、消防法第二十条第一項の規定に基づいて、消防水利の基準第四条で定められております。📝
また、同法で『配置する消防水利は、消火栓のみに偏することのないように考慮しなければならない』とあります。🚒💦
水源が消火栓ばかりだと、水道の給水がストップしてしまった時に同時多発的に使用不可になってしまうからだと推測されます。⛲
参考:大阪市
2. 私設消火栓
1. のマンホール等の消火栓は “公設栓” に分類され、私有地内にある消火栓がこの “私設消火栓” に分類されるようです。💡
参考:コトバンク 私設消火栓
また、写真のように地上へニョキッと出てきているのが “地上式消火栓” といい、大阪市内ではあまり見かけませんね。(;・∀・)🐙
マンホールの中にある “地下式消火栓” の方が、邪魔にならずに済むのは明確ですが、一つ厄介なのが降雪地帯では冬場に雪で埋まってしまう事です。⛄💔
その為、仕方なくニョキッと出ている地方もあります、ご理解ご協力の程よろしくお願い致します。🗼
3. 防火水そう
“防火水そう” は、主にマンホールの中に水が入っているのみのシンプルなものです(消火水槽のようにボールタップも無い…)。🗽♪
消火の際はマンホールを開けて、消防ポンプ車や動力消防ポンプなどで水を吸い上げてやる必要があります。📯✨
その設置基準ですが消防法施行令第27条にて、以下の通り定められています。📝
- 敷地面積が20,000㎡以上の建築物で、床面積が耐火建築物は15,000㎡以上、準耐火建築物は10,000㎡以上、その他の建築物は5,000㎡以上
- 高さ31mをこえ、かつ、地階を除く延べ面積が25,000㎡以上のもの
参考:㍿立売堀製作所
4. プール
冒頭で記した “消防用水” という単語の定義について、消防法施行令第27条にある条文を以下に記します。📝✨
- 消防用水は、防火水槽またはプールその他これらに類する形態(河川、海などは、原則として除く。)を有するものとすること。
つまり、消防用設備点検報告書でお馴染みの “消防用水” は防火水槽とプールを示しているというわけです。👙
また、消防用水において、地盤面下4.5m以内に設置されているものについては “採水口” を設けてあることがあります。👄
採水口は所要水量によって数が決められており、20㎥では1個、40~100㎡では2個、120㎡以上では3個設置することになっています。🔢
参考:横浜市
5~7. 自然の水源系
5. 河川、溝など
6. 濠、池など
7. 海、湖など
以上の自然が近くにあると、それが水源として認められることがあります。⛳
以前、動力消防ポンプを港湾の倉庫に設置する事案があったのですが、その防火対象物のすぐ裏に “海” があり、それが水源として認められておりました。🌊✨
海水を吸い込んだら、ポンプや消防ホースの掃除が超大変になるという厄介さがありますが、初期工事として高価な消火水槽を設置しなくてもよい事は随分大きな利点ではないかと思います。💸
🚢(´-`).。oO(大自然への見方が…、、水源に早変わり…。。)
8. 井戸、9. 下水道
有事の際はとにかくポンプで水を吸い上げて、炎に向けて放水できればええんや…と言わんばかりに水源として “井戸” や “下水道” という破天荒なメンツも名を連ねています。🍜💦
💩(´-`).。oO(特に…、、下水道ェ…。。)
実際に使われたことがあるかは知りませんが、法的にはOKになっているというのは学びですね。🏫
そうそう井戸で思い出しました、井戸水と言うのは年間を通して殆ど一定の温度だそうですが、夏に飲むと冷たく感じ、冬に飲むとぬるく感じるのだそうです。🍸
このような客観的事実に対して、私たちは主観的に感じ取っている事から、幸・不幸も自分が作った錯覚だと、嫌われる勇気という本で述べられていました…あれ、文字数を稼ぐために余計な…。📚
消防水利写真集
“採水口”たち
防火水そうマンホール開けてみた(点検)
個性豊かな消火栓マンホールを一挙大公開!
マンホールの近くは駐停車禁止!
上のマンホールのうち幾つかに “駐車禁止” の文言が記載されていることにお気づきになられましたでしょうか。👻✨
道路交通法第45条第1項第4号に、以下のような文言が謳われています。📝‼
- (駐車を禁止する場所)車両は道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げる道路の部分においては、駐車してはならない。
そして、上記の “次に掲げる部分” については以下の通りです。💉
- 消火栓・指定消防水利の標識が掲げられている位置又は消防用防火水槽の吸水口もしくは吸管投入孔から5m以内の部分
つまり、消火栓や防火水槽から5m以内の場所に車を停めると、違反になります。🚗(;´Д`)💔💦
石井マークさんのツイートにも…。
🎈(´-`).。oO(石井マーク様のTwitterでも…、、“消防水利” の標識が取り上げられています…。。)
まとめ
- “消防水利” や “消防用水” は消防隊の方が消火活動を行う際の水を確保する為の水源を指しており、防火水そうは消防水利の一つであった。✅
- 消防用水において、地盤面下4.5m以内に設置されているものについては “採水口” を設けてあった。✅
- 消火栓や防火水槽から5m以内の場所に車を停めると、道路交通法違反になった。✅
コメントをお書きください
ミニクロ (土曜日, 18 8月 2018 14:26)
下水道も水源に含まれるのですね。願わくば使って欲しくないような、、、。
マンホールのデザイン、時々面白いものがありますよね。結構好きなので、信号待ちなどのときに、よく見ています。
以前鶴見区あたりで見かけたのは、花博のマスコットキャラのデザインがありました。(消火栓マンホールではないかも)
ただ、消火栓マンホールの上に車を止めているのは、だめなんじゃ、、、と、いつも気になります。
近所の公園の下には、消火用?の水がある印が立っています。なので、時々消防車が公園で放水の練習に来たりして、ひなたぼっこしている車いすのおばあちゃんの居場所がなくなったり、子どもが写真撮りたがったり(笑)
いつも見ているのは、電柱に消火栓という赤丸の印に、電柱の住所が書いてあるのがとても参考になります。
緊急の場合には、その住所が参考になるのかなと。
管理人 (月曜日, 20 8月 2018 11:44)
>ミニクロさん
コメント有難う御座います!
マンホールも本当に色々あり、それだけマニアの方も多いです。
私もついつい、下を見て確認してしまうようになりました。
電柱の住所の件‥、よくぞお気づきに!!私もジョギング中にふとみて気づきました。笑
消火栓の電柱だけでなく、あらゆる電柱や街灯に番号が付与されていたり‥。
今後とも、マンホールと弊ブログを見てやってくださいませ。
へぼ担当 (木曜日, 27 12月 2018 02:17)
「下水道も水源」とは語感はビックリですが、実用例は「雨水排水用(下水道)」だったり、「海水逆流(!)」だったりしますね。
「雨水排水」を使う例が以下資料14-20ページあたり。
「下水道施設における雨水(あまみず)利用に関する事例集」
http://www.mlit.go.jp/common/001127301.pdf
驚きの下水道経由海水逆流例(千葉県船橋市)
「4.海水などを利用した大規模消火システム」
http://www.city.funabashi.lg.jp/kurashi/shoubou/002/p000607.html#boukasuisou
番外:下水道整備に伴い廃止された浄化槽の転用
「廃止浄化槽の防火水槽への転用推進指針」(新潟県新潟市)
http://www.city.niigata.jp/kensaku/youkou/files/public/00954.pdf
船橋市の海水を汲み上げて、下水道管を1500mほど逆流させて、JR船橋駅周囲をカバーする「圧送管利用方式」には驚くばかりです。一般に津波による都市内部浸水被害では、これらのような海に開口している雨水排水専用の下水道からの逆流(マンホールから海水が噴き出す)ことが指摘されていますが、逆止弁他うまく活用した事例と考えます。
管理人 (木曜日, 27 12月 2018 10:44)
>へぼ担当さま
いつも有難う御座います!
語感ビックリで深堀できていなかったことが恥ずかしいのですが、へぼ担当さんが教えて下さいました補足情報を確認していて大変ワクワクしました!なんですかコレらは!!笑 改めて知識の引き出しの多さに脱帽で御座います…。
そして言及されております通り、船橋市の大規模消火システムには驚きました。
海辺の町の理想的な防災の形だなと。思いついた人、すごいです。技術面もさぞかし障壁があったかと思います。スケールが違いすぎますね…。携わってみたいです。
当たり前に気になったのが予算の面で、ここまで費用がかけられるほど火災リスクが潜んでいる場所なのかな…と想像しております。木造密集地域とかなのでしょうか。例えば、三重県の四日市市なんかも海に近く、かつ木造密集地域があったはずですから、船橋市“独自”という所が、今後はモデルケースとなり、日本の防災力強化に繋がればいいなと思いました。
今後ともよろしくお願いいたします!
へぼ担当 (日曜日, 30 12月 2018 04:21)
>管理人様
「海水」を消防で利用した場合、後処理(ホース他の洗浄)大変や放水時注意(特に感電:スプレイ放水でも海水なら感電危険)ががありますが、無限水利という意味では最強ですね。
船橋市の場合「市街地密集等で(通常の水源では)過酷」という判断もあったのでしょう。
配管自体の維持・管理は「下水道配管ならばほぼ注意点同じ(腐敗・硫化水素対策)」という点が「下水道を通じた海水の消防水利」活用だと考えます。
<逆に「消防水利への海水利用」は本来の意味での「下水道メンテナンス」と同程度に手間がかかる事を意識する必要があります。
また、取水(海)側でのゴミ取り(除塵)や、津波・台風高潮時の安全対策(内陸部溢水・都市洪水対策含む)の
「都市(計画)の全体設計」に組み込んで、一括して整備しなければ「高いだけで都市リスク(溢水・洪水)も上がる」
諸刃の剣のように思います。
その上で「比較的容易なはずの雨水利用」であっても、「殺菌・消毒対策」に着目したいですね。
家庭用に雨水を溜めて、花壇他の水源とする例がありますが、日頃のメンテを行わないと「ボウフラ(ヤブ蚊)」他の発生源になりかねませんので。
これは以前ブログに掲載頂いた「お値段以上!消火ポンプの取替工事」
https://www.aokibosai.com/2018/08/20/%E3%81%8A%E5%80%A4%E6%AE%B5%E4%BB%A5%E4%B8%8A-%E6%B6%88%E7%81%AB%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%97%E3%81%AE%E5%8F%96%E6%9B%BF%E5%B7%A5%E4%BA%8B/
の地下ピット(湧水処理、水源他)処理が大変な教訓であり、改めてお礼申し上げます。
<考慮範疇内でしたが、ここまで凄いとは…と身を引き締めたところです。
管理人 (日曜日, 30 12月 2018 14:20)
>へぼ担当さん
引き続きコメントありがとうございます!
メンテ、大変そうですね。消防用設備のように気軽に放水試験…、など行えば片付けに手間がかかってしかたないでしょうし…。
しかし同じような土地柄の事情がある都市もあるでしょうから、成功事例としてと言いますか、防災にここまでやる!というような手本として見習われればと思います。断じて活躍はして欲しくないですが…。
植野良太 (金曜日, 26 3月 2021 10:51)
海水を防火水槽として利用できますか、その際の設備の見積もりは可能ですか?