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屋内消火栓用配管と“兼用”の連結送水管耐圧試験

同じ配管に屋内消火栓と連結送水管のテスト弁
同じ配管に屋内消火栓と連結送水管のテスト弁がある。

大型の防火対象物では、屋内消火栓連結送水管という水系の消防用設備の設置義務が両方生じてきます。🏢(;´Д`)‼

 

この場合、各々別で配管をしても勿体無いので、屋内消火栓連結送水管の配管は兼用できることが認められています。🍡✨

 

そして、この兼用の際にもう一つ “お得” なのが、『連結送水管耐圧試験を兼用の部分のみ省略できる』という所です。💯

 

正確には、連結送水管の “送水口から屋内消火栓の配管と接続される前の逆止弁までの耐圧試験でよい ”とされています。📝

 

✍(´-`).。oO(何かモンハンの “フルフル” みたいな画像…。。)

【✍ 追記】連結送水管配管兼用の法的根拠


連結送水管配管兼用が認められている根拠法令は消防法施行規則第31条第5号の「ただし書き」にある以下の条文です。 

 

五 配管は、次のイからチまでに定めるところによること。

  • イ 専用とすること。ただし、連結送水管を使用する場合において、当該連結送水管の性能に支障を生じない場合においては、この限りでない。 

 

また大阪市の場合、運用基準の連結送水管→第3 配管等に以下の文言があります。 

 

配管は、令第29条第2項第2号並びに規則第31条第5号、第8号及び第10号の規定によるほか、次による。 

ここで屋内消火栓設備の基準(第5.7)を確認すると以下の文言が謳われています。 

 

配管は、屋外消火栓設備又は加圧送水装置を用いない連結送水管と兼用することができる。この場合において、設計送水圧力が1メガパスカルを超える連結送水管と兼用するときは、規則第31条第1項第5号ロの規定によるほか、次による。ただし、(2)の逆止弁の一次側の部分にあってはこの限りでない。 

  • (1) 消火栓開閉弁は、減圧機構付のもので、かつ、最高使用圧力が1.6メガパスカル以上のものとすること 。
  • (2) 連結送水管からの送水圧力がポンプに影響を及ぼさないよう、ポンプ吐出側に連結送水管の基準(第3.8)に適合する逆止弁を設けること 。

よって連結送水管と屋内消火栓の配管を兼用することが法的に認められています。

(※市町村によって運用基準は異なりますが、おそらく同様の文言があるはずです。)

配管兼用の場合の耐圧試験


連結送水管の放水圧力計測中
連結送水管の放水圧力計測中…。

連結送水管の配管が “専用” の場合の耐圧試験は、最上階の放水口もしくはテスト弁に圧力計を接続して、地上の送水口から加圧送水を行うというのが一般的な点検方法です。🔎

 

この時、地上から配管内にポンプを用いて加圧送水しているにも関わらず、圧力が上がらなかったり、時間が経過すると圧力が低下してしまっていたりという現象がみられると、配管から “水漏れ” していると判断されます。💔(;´Д`)💦

 

ところが、消火栓の配管と兼用ですと、このように連結送水管の放水口やテスト弁に圧力計をつけて観測せずとも、水漏れなどのトラブルが無いと判断しても良いことになっています。🚥♪


屋内消火栓のポンプ起動で圧力かかってる!


消火栓ポンプ遠隔起動ボタン
油ギトギトの消火栓ポンプ遠隔起動ボタン。

そもそも、何故 “配管兼用” した場合に、その部分の耐圧試験を省略できると思いますか💡(・・?

 

その理由として『消火栓ポンプを起動した際に、配管全体に圧力がかかっているから』という事が挙げられるでしょう。⏰

 

また、屋内消火栓の配管径は通常40Aですが、連結送水管の配管と兼用されている場合はそれより太くなっていますので、加圧送水する力も大きめで設計されていると思います。🔢

 

その為、屋上のテスト弁で屋内消火栓の放水試験ができれば、まず連結送水管の放水口からも同等以上の放水が可能であり、消防隊の方が消火活動をされるにも十分であると考えられます。🚒💨

 

✍(´-`).。oO(細かい事を言うと…、、屋内消火栓連結送水管の放水圧力は異なりますが…。。)


近くの逆止弁まででOK!


逆止弁は“チャッキ”
逆止弁は“チャッキ”とも呼ばれます…。

消火栓の配管と “兼用” の部分は省略できますが、一部連結送水管 “専用” になっている部分の配管のみ耐圧試験をする必要があります。🎈

 

その専用部分についてですが、連結送水管の送水口近くの “逆止弁” から送水口までの区間が該当します。🚵💨

 

なぜなら、文字通り “逆止弁” 以降は水が逆流しないようになっている為、そこから送水口までは消火栓ポンプを起動しても水が入っていかない箇所となっているからです。⛲

 

専用部分の耐圧試験をする際は、この逆止弁以降に水が行かないように近くの仕切弁(バルブ)を閉めて、送水口から加圧送水を行います。📦

 

✍(´-`).。oO(仕切弁が無い場合は…、、諦めましょう…。。)


仕切弁を探せ!


仕切弁(バルブ)の位置
仕切弁(バルブ)の位置を示すメッセージが…。

仕切弁(バルブ)が無ければ “兼用” の部分も耐圧試験をすることになりますので、その位置を確認する必要があります。👀❕

 

まず、見つからないのではなく本当に無いという可能性も無きにしもあらずですので、初めて行く物件などの場合は設計時の配管系統図を見せてもらいましょう。📰💦

 

そして、設計図に仕切弁が記載されていても、マンホールの中にありそれが土で完全に埋まっていたり、室内の床下のあるにもかかわらず点検口が家具で塞がっていたりとアクセスできないケースもあります。🚫

 

屋上に圧力計をつけて地上から加圧送水する方が楽!と言うのであれば、それの方がベターですね。⏰(;´Д`)👌✨

参考:総務省消防庁 消防予第281号 問4


加圧送水の手段いろいろ


🚒(´-`).。oO(送水口から圧力をかけて水を送る為のポンプにも色々…。。)

 

消防ポンプ車


背中のタンクの水が無くなったら “防火水そう” から水を吸い込んで、それをポンプで送ります。⛲

 

“消防ポンプ車”
実際に消防隊の方が使用する“消防ポンプ車”
消防ポンプ車にも“放水口”
消防ポンプ車にも“放水口”って書いてありますよ…。

連結送水管耐圧試験機


連結送水管耐圧試験機を使い場合には、以下の点を予め確認する必要があります。📝💦

  1. 使ってもいい水道 (配管内を水で満たす為)
  2. 電源 (機械を動かす為)🔌

これらが確保できなければ、ポンプ車を手配して耐圧試験をしなければなりません。🚒

マルヤマエクセル社の専用耐圧試験器
マルヤマエクセル社の専用耐圧試験器。
連結送水管耐圧試験
なんか弁類が多いなあ…。

🎤現場からは以上です!

まとめ


  • その理由として『消火栓ポンプを起動した際に、配管全体に圧力がかかっているから』という事が挙げられた。✅
  • 送水口近くの “逆止弁” から送水口までの連結送水管“専用” になっている部分の配管のみ耐圧試験をする必要があった。✅

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コメント: 4
  • #1

    菱山 悦子 (水曜日, 09 1月 2019 12:09)

    連結送水管にアイソメ図や、ロス計算がいるのは高層(25m)で
    ポンプがいる場合だけでしょう?7階だてのビルにもいるんだっけ?
    噴霧と棒状と両方計算して、より高い圧力のポンプを選定するのよね。
    (だいぶ忘れたけど、昔は設計していたの。甲1234持ってるわ。)

  • #2

    管理人 (水曜日, 09 1月 2019 17:08)

    >菱山 悦子さん
    コメントありがとうございます!
    連結送水管の設計届を提出する際には、アイソメ図と摩擦損失計算は必須ですよ!
    超高層階で途中に加圧ポンプを設けるパターンだと計算書も変わってきますね。

    連結送水管の設置基準に“7階建て以上”と“5階以上で延べ面積6000㎡以上”というものがありますから、7階建ての建築物には必ず連結送水管があり、アイソメ図と摩擦損失計算書もあることになります。

    もしかしたら、昔と今ではルールが異なるかもしれませんね!

  • #3

    田舎の消防士 (火曜日, 12 1月 2021 22:40)

    コメント失礼します。
    屋内消火栓と連結送水管の兼用配管について教えてください。
    屋内消火栓のポンプが起動しているときに、連結送水管の送水口から送水しても逆止弁が働いているから、屋内消火栓の圧力を上回る圧力で送らなければならないと聞いています。
    そこで疑問があります。
    1 ポンプの圧力って何Mpaありますか?
    2 配管は大きく分けて1Mpaを超える配管と1Mpa未満の配管があると聞いています。
    もしポンプの圧力が1Mpa以上のとき、消防車のポンプ圧力をそれ以上の圧力で送るとします。っていうことは、兼用配管の場合は設計送水圧力が1MPaを超えるものを使用していると思えばいいのでしょうか?
    よろしくお願いします。

  • #4

    管理人 (月曜日, 18 1月 2021 09:33)

    >田舎の消防士 さん
    コメント有難う御座います!

    まず、①について。
    屋内消火栓ポンプの加圧送水圧力は0.25MPa以上です。
    そして、放水圧力が0.17~0.7MPaという規定が消防法施行規則 第12条〔屋内消火栓設備に関する基準の細目〕にて謳われています。
    設計送水圧については建物に寄りけりですが、例えば消防用設備点検や消防検査をクリアする為には同時放水で0.17MPa以上0.7MPa以下の範囲で収まっているかは確認しますね。

    続いて②ですが、連結送水管については放水圧力が0.6MPa以上という規定がある為、送水口側では1MPaに近い値で加圧送水することになります。よって、屋内消火栓の加圧送水圧を上回る圧力となるのは、至極当然の状況となります。
    通常と同じく、送水口側で1MPaを超える値で加圧送水しなければ所定の放水圧が得られないのであれば、スケジュール40の配管を用いることとなります。

    また、兼用の場合は特に下階での屋内消火栓放水圧が0.7MPaを上回る可能性が高い(連結送水管の送水口から、それ以上の値で加圧送水するため)ので、減圧措置としてオリフィスが設けなければならないことが多いです。スプリンクラー設備でも、直近の補助散水栓とか0.7MPaを上回るからオリフィスつける‥ことが多発するのと同様の理屈です。

    もし、このコメントで意味不明な部分ありましたら、別ブログで詳しく書いても有用かな…と思いました。
    今後共何卒宜しくお願い致します。