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民泊への用途変更で"煙感知器"に交換するケース

右:煙感知器、左:感知器用ベース
右:煙感知器、左:感知器用ベース

(5)項ロ 共同住宅から、(5)項イ 民泊の用途に変更するケースや、共同住宅の一部民泊として使用する際に、既設の熱感知器を煙感知器に変更しなければならないケースがあります。🔨❕

 

主なケースは以下の二点です。📝

  1. 無窓階共同住宅民泊にする場合
  2. 11階以上の部分がある共同住宅民泊にする場合

感知器交換の作業自体は簡単なものですが、煙感知器の価格が定価ベースで熱感知器の6倍程度になりますので、できれば避けたい民泊運営上の初期コストと言えるでしょう。💔(;´Д`)💸💦

 

✍(´-`).。oO(根拠法令と管理人の見解を記します…。。)

"煙感知器"設置の根拠法令


発報中の煙感知器
発報中の煙感知器は赤い確認灯が点く。

無窓階に煙感知器を設置する場合や、堅穴区画に煙感知器を設置することは業者にとって珍しい事ではありませんが、その根拠法令をしっかり把握できているかといえば怪しいですね。👻💦

"煙感知器" の設置を義務付けている条文は、"消防法施行規則23条第5項" という法令中にあります。

 

以下の防火対象物またはその部分には煙感知器や炎感知器を設けるように条文中で謳っております。📝


  1. 階段及び傾斜路
  2. 廊下及び通路(令別表第一の(1)項~(6)項まで、(9)項、(12)項、(15)項、(16)項イ、(16の2)項、(16の3)項に掲げる防火対象物の部分に限る。)
  3. エレベーターの昇降路・リネンシュート・パイプダクトその他これらに類するもの
  4. 感知器を設置する区域の天井高さが15m以上20m未満の場所
  5. 感知器を設置する場所が20m以上の場所(炎感知器のみ設置可能)
  6. 上記以外の地階・無窓階及び11階以上の部分(令別表第一の(1)項~(4)項まで、(5)項イ、(6)項、(9)項イ、(15)項、(16)項イ、(16の2)項、(16の3)項に掲げる防火対象物の部分に限る。) ←特定防火対象物ですね。

✍(´-`).。oO(つまり(5)項イ 民泊の用途に変更すると…、、上記の6号の部分にて煙感知器の設置を要することになります…。。)

 

逆に言うと、例えば(5)項ロ 共同住宅の場合は無窓階であったり11階以上の部分があっても、熱感知器の設置で良いということになります。🗼(・ω・)ノ✨

熱感知器を煙感知器に交換した際の様子


♲(´-`).。oO(ヘッドだけの交換作業であれば…、、"カチャッ" とすればOKなのですが…。。)

 

事前準備 ~着工届の提出~


北消防署の外観
北消防署の外観。

感知器ヘッドの取替えのみでも、その個数が10個以上になる場合は所轄消防署へ "着工届" の提出が必要になります。

 

✍(´-`).。oO(着工届を作成できるのは…、、甲種消防設備士のみです(独占業務)…。。)

 

ですから、例えシンプルな交換工事であったとしても、業者の出番になってしまうわけですね。🍵💦

 

ちなみに、10個以下であったとしても設置届の提出は必要になりますし、交換工事の際に何かあった場合を考えて受信機を触ることになりますので、どちらにせよ業者に頼んだ方が無難ですね。👷


ヘッド交換


📦(´-`).。oO(この現場はお客様から器具が送られてきたのですが…、、2種と3種の煙感知器が混ざっていました…。。

 

交換したのは以下の箇所で、全32部屋のうちの9部屋に同様の措置を施しました。♲

  • 寝室の差動式スポット熱感知器を、煙感知器に変更。
  • 収納内の定温式スポット型熱感知器(特種)を、煙感知器に変更。
  • 和室の差動式スポット熱熱感知器を、煙感知器に変更。
  • 押入れの定温式スポット型熱感知器(特種)を、煙感知器に変更。

ここで、熱感知器のままで良い箇所が以下の2つです。

  • キッチン・台所スペースの定温式スポット型熱感知器(防水)はそのままでよい。
  • 洗面所の定温式スポット型熱感知器(防水)はそのままでよい。

✍(´-`).。oO(感知器の種類が多くて見分けがつかない場合は…、、前記事 "火災報知器の原理・仕組みと誤報" をご覧くださいませ…。。)

寝室の差動式スポット型熱感知器
寝室の差動式スポット型熱感知器。
2種の煙感知器ヘッドに変更
2種の煙感知器ヘッドに変更。

収納内の定温式スポット型熱感知器(特種)
収納内の定温式スポット型熱感知器(特種)
3種の煙感知器ヘッドに変更
支給された3種の煙感知器ヘッドに変更。

和室の差動式スポット型熱感知器
和室の差動式スポット型熱感知器。
2種の煙感知器に交換
2種の煙感知器に交換。

押入れの定温式スポット型熱感知器(特種)
押入れの定温式スポット型熱感知器(特種)
3種の煙感知器ヘッドに変更
支給された3種の煙感知器ヘッドに変更。

煙ヘッド中心の赤い🔴が、3種の煙感知器であることの目印になっています。

 

通常用いられる煙感知器は "2種" で、3種の煙感知器は "防火戸や防火シャッターの連動用" と業界内では住み分けがされています。🎪

 

なぜなら、3種の煙感知器は感度が低く、発報しにくいが誤作動も起こりにくいという性質をもつからです。🐸💭

 

その為、より誤作動を嫌う防排煙設備の連動用に用いられているというわけです。🔨

 

しかし、防排煙設備の連動用以外に、3種の煙感知器が設置できないわけではありません。💡(;´Д`)👌♪

 

以下の表をご覧くださいませ。 参考:ホーチキ㈱

自動火災報知設備感知面積等一覧表
感知面積等一覧表 ※クリックで拡大

 

3種の煙感知器が設置可能な箇所の条件は、"高さ4m未満の箇所" で "感知面積50㎡以下" と定められています。📝

 

この3種の煙感知器の条件だと、耐火構造の箇所に設置する場合の熱感知器の条件である "感知面積70㎡以下" に劣ります。💔

 

✍(´-`).。oO(2種の煙感知器は "感知面積150㎡以下" ですし…、、高さも15m未満まで設置が可能です…。。)

 

しかし、今回の収納や押入の中の熱感知器を煙感知器に変更するような場合は、感知面積も十分に小さいので3種の煙感知器の方がむしろコスト的にも低価格ですから適しているといえるのではないでしょうか。💰✨

 

また、3種の煙感知器を選定する際にもう一つ注意すべき点があります。👷❕

 

"消防法施行規則23条第5項" の2号で、廊下や通路に煙感知器を設けることが定められていますが、2種の煙感知器であれば "歩行距離30m" につき1個の煙感知器を設置しますが、3種の煙感知器の場合は "歩行距離20m" につき1個と、10m間隔が狭くなるのでその分費用面で不利になります。💸💦

 

煙感知器のヘッド交換ひとつ取っても、きちんと法令を知ることで "コスト削減" に繋げることができそうです。👛♪

※(蓄積型)はNGです!


器具を自分でご用意される業者泣かせなお客様(蓄積型)の煙感知器は選んではいけませんので注意してください。✖(;´Д`)💦

 

煙感知器ヘッド中央に "青い◎" があるものが蓄積型の目印で、これは "音声・点滅機能付き誘導灯" の停止用に用いるものです。🚥❕

 

煙を感知しても、一定時間発報しないようになっていますので、お部屋などに設置することはできません。🚫

蓄積型の煙感知器
中央の青い◎が蓄積型の煙感知器の目印。
音声・点滅機能付き誘導灯
音声・点滅中の音声・点滅機能付き誘導灯

現時点で"違法"な民泊にいるゲストさん


ゴミが凄いぜゲスト
ゴミが凄いぜゲストさん…。

民泊に関する消防用設備の仕事をご依頼いただくお客様は、現時点で "違法" な営業をされており合法化したい方々になります。📎

 

ゲストさんがいない状態を作って頂けるところもあれば、『話して入ってやっちゃってよYOU!』のような現場もあります。🔑

 

基本カタコトの英語でやり取りすることになります。💔(;´Д`)💭

 

本現場は管理人直々に馳せ参じヘッド交換を行ったのですが、パンチのあるお部屋ばかりでしたので以下に箇条書きにします。🐘💨

  • ゴミ屋敷
  • 感知器を変えていたら布団から裸のCHINAの男女出現
  • 一部屋に人が居過ぎて外国人の体温サウナ状態

✍(´-`).。oO(いやぁ…、、民泊の営業も大変そうですね…。。)


最後にも"オマケ"が…。


感知器箱などのガラ
箱などのガラを一時的に置いていたら…。

鍵の処理や受信機の復旧の為、感知器が入っていた箱などをまとめたガラ入れを一時的に共用部のポストの前に置いていました。📪

 

そして、さあ引き上げようとガラを見たら…。📦

 

汚ったねえグレーの、いかにも脱ぎたてみたいな "靴下" が入れられていました。((((;゚Д゚))))👣

 

…ゴミ箱と思ったのでしょうか、いやすぐ目の前に共用のゴミ箱があるし。🚮

 

靴下の写真も撮ってネタに使用するかと思いましたが、汚過ぎたので共用部のゴミ箱に捨てるだけにしました。😰📷💦

 

誰やねん!靴下入れたやつ!!◯◯すぞ!!!(; ・`д・´)💢

◯◯してから、◯◯したんぞ!!💀笑


まとめ


  • 共同住宅の一部民泊として使用する際に、既設の熱感知器を煙感知器に変更しなければならないケース以下の2つであった。✅
  1. 無窓階共同住宅民泊にする場合
  2. 11階以上の部分がある共同住宅民泊にする場合
  • 感知器ヘッドの取替えのみでも、その個数が10個以上になる場合は所轄消防署へ "着工届" の提出が必要になった。✅
  • 収納や押入の中の熱感知器を煙感知器に変更するような場合は、感知面積も十分に小さいので3種の煙感知器の方がむしろコスト的にも低価格で適しているといえた。✅