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商店街アーケードの連結送水管耐圧試験

動力消防ポンプと軽トラック 連結送水管耐圧試験
動力消防ポンプで商店街アーケードの配管内に送水。

皆様お馴染みの “商店街” のアーケード(屋根付きの歩道)は、延長50m以上になると連結送水管の設置義務が生じます。📁💦

 

また、連結送水管の配管は施工後10年を超えると配管の耐圧試験を実施する義務が生じ、以降3年毎に耐圧試験を行なっていきます。(;´・ω・)⏰

 

今回はその(18)項 商店街アーケード耐圧試験のご依頼を受けて実施してまいりましたので、その模様を記事にしました。📝

 

✍(´-`).。oO(昔から別の商店街の耐圧試験はさせて頂いておりましたが…、、今回は新しいアーケードについて…。。)🚒♪

商店街アーケードの上には…。


✍(´-`).。oO(まず…、、商店街の上が “こんなんなってます” という所の予習を…。。)🌎

 

アーケード外観
アーケードというのはこのような外観の通路です。
アーケード上にアクセスする為の“登はん梯子”
アーケード上にアクセスする為の“登はん梯子”が…。

ちなみに以前、商店街テナントの改装に際して避難器具の設置が必要になったときのことです。💡

 

予防担当の方から『商店街テナントの窓から出て消防隊専用通路に移動できる場合は、避難器具の設置を免除できるという特例を適用したことがあるよ。』という情報を聞いたことがあります。👮💭

 

結局、当該現場ではその特例が適用されることは無かったのですが、そのような措置もあるようです。🗾(・∀・)♪

◎ 消防隊専用通路には “放水口” が!


こちらの消防隊専用通路には、25m以下の間隔で “放水口” を設置することが定められています。📝💦

 

📙(´-`).。oO(消防法施行令の第二十九条にて…、、『令別表1の(18)項 アーケードは…』と記されています…。。)

 

地上の “送水口” から水を送って、アーケード上部の “放水口” に消防ホースを接続して放水活動を行うってわけです。⛲

 

アーケード上部の“放水口”
アーケード上部の“放水口”

 

なかなか商店街の屋根の上を気にする機会が無いので、この存在を知っている方はいないですよね。🔭🌠

 

🎨(´-`).。oO(Twitter上でアニメのワンシーンに…、、この商店街アーケード上部が描かれていたという情報も…。。)

 

 


 今度 “商店街” を見られる際は是非、そのアーケード上部や消防用設備を観察してみて下さい。(・ω・)ノ🔎♪

連結送水管“耐圧試験”実施の模様


商店街アーケードの耐圧試験が他の防火対象物と異なり “超大変” な理由に、配管が長いのに “乾式” なことが挙げられます。🐙💔

 

動力消防ポンプにて配管内に充水
動力消防ポンプにて配管内に充水する必要が…。

連結送水管には、配管内に元々水が入っている “湿式 と、配管内が空っぽの “乾式 があります。🚮♪

 

現在は、設計時に配管内の体積が0.5㎥(=500ℓ)あるかどうかを計算し、それ以上あれば湿式になっています。💡

 

しかし、アーケードの連結送水管は配管内体積が0.5㎥を余裕で超えているにも関わらず、大昔に施工されている為か、乾式のものが多いです。🔨(;´Д`)💦

 

よって、耐圧試験をする為にはまず配管内全てを水で満たす必要があります。⛲💦


 

⏰(´-`).。oO(これが…、、めっちゃ時間かかってまうんですわ…。。)

 

この時の気持ちを‥例えるならばクイックルワイパー、“フローリング掃除用のシート” を購入する際のことを想像してください。💡

 

うわ!やったあ、こんなに入っているのに…このお値段お買い得!!』と選び取ったはいいものの‥、いざ帰って開封したら『なんやこれ!湿ってへんやないかい!』『 “乾式” かい!チキショウ!!』というような感じです。(;・∀・)💭笑

◎ 連送配管内に送り込む水をまず“水槽”に溜める作業


お客様に借りる蛇口の
お客様に借りる蛇口の位置は要確認!!
蛇口からホース
蛇口からホースで水槽まで…。
華麗なコーナリング
華麗なコーナリング。

持ち込んだ水槽にホース
持ち込んだ水槽にホースがぶち込んである。
水が溜まるのに時間がかかる
水が溜まるのに時間がかかります。

その為、現地調査の段階で絶対確認すべき点が『どこから、水槽への給水が可能か。』というところです。🔍👀❕

 

弊社軽トラックで持ち込んだ “漆黒の1㌧水槽” を何と五杯分程度送水してやっと配管内を水で満たすことが達成される現場もありました。💔((((;゚Д゚))))

 

💸(´-`).。oO(確か以前に水道代に換算すると¥700円位になるのでは…、、という計算をしたような…。。)

 

また、動力消防ポンプの加圧送水の方が、給水するペースより速いので、空っぽになってはエンジンを止めて‥の繰り返しで最後の方は『もう水は満杯にならないのでは…』という疑念すら抱きます。👹💦笑


◎ 放水口が“閉”かどうかチェック


送水口下の“水抜きバルブ”を確認する弊社長
送水口下の“水抜きバルブ”を確認する弊社長。
登はん梯子は普段収納
登はん梯子は普段収納されている。
オープンするとベルが鳴る
オープンするとベルが鳴るので注意。

◎ 貴重!アーケードが開くシーン


商店街アーケードの “登はん梯子” を下ろすと、上記の警報と同じ音が商店街中に鳴り響きますので注意です!🔔

 

ちなみに音響と連動して、アーケード上部が開放します。🎪♪


◎ アーケード、登ってみた。


結構高いに下が見えるので厄介
結構高いに下が見えるので厄介でした。
放水口を一つ一つ確認
年季の入った放水口を一つ一つ確認‥。
ずっと続くのではないかと錯覚する道
ずっと続くのではないかと錯覚する道でした。

◎ 加圧送水と圧力測定


放水口に圧力計を装着して耐圧試験
放水口に圧力計を装着して耐圧試験をする様子。

そして今回の現場では、加圧送水する以前に水抜きバルブ及び送水口のパッキンが劣化している事による水漏れ(ダダ漏れ)が生じた為、耐圧試験以前の問題でした。💔(;´Д`)💦

 

商店街アーケードの消防用設備は、それが建てられた時代背景からも察せられる通り古いモノが殆どです。🙈🙊🙉

 

このように適切に定期メンテナンスを進めていかなければ、有事の際に困ることになります。( `ー´)ノ🔧

 

連結送水管ですと、屋内・屋外消火栓と異なり消防隊専用の設備ですから、消火における最終手段に影響が生じてきます。🚒‼


◎ 送水口のパッキン不良による水逆流


“送水口”中のパッキン
“送水口”中のパッキン。

送水口から水が逆流してこないように、画像の赤い矢印の箇所にはパッキンがあります。🚫(´・ω・`)👌

 

これが劣化すると配管内の水が逆流してくることになり、湿式の連結送水管などでは多発するトラブルの一つです。🚨

 

また送水口の片側にホースを接続し、加圧送水した際に双口のもう一つから水が出てくるということもあります。⛲💔

 

特に湿式の配管内の水圧は、上部に伸びる配管が長いほど大きいので送水口に負荷をかけ過ぎないためにも “逆止弁” の設置は必須ですね。🔧(;´・ω・)👌💦


有事の際は…。


例えば、商店街アーケードの連結送水管配管内を水で満たそうとすると、消防ポンプ車1台では足らない可能性が高いです。🚒💦

 

その為、実際の消火活動の際は、現場近くにある “防火水そう” 等の消防水利を使う必要があると考えられます。⛲(´・ω・`)‼

 

◎ 防火水槽と採水口


⛲(´-`).。oO(有事の際の消火用水を確保する為のものです…。。)

 

防火水槽の標示と採水口
防火水槽の標示と採水口のセット。
路面標示で“防火水そう”
路面標示で“防火水そう”へ誘うスタイル‥。
消防水利のマンホール
消防水利のマンホール。

【補足】動力消防ポンプ、使えますか?


以前、公園などで見かける “消火ポンプ収納箱” の中にある動力消防ポンプが所轄消防署に並べられているのを見かけました。

 

おそらくメンテナンスをする為に回収されたと思いますが、有事の際にコチラを使用できる方が果たしていらっしゃるのかという疑問がわきました。🚒(;・∀・)💦

 

以下の写真を見て頂くと分かりますが、少しずつ形が異なります。📷

 

つまり、使用方法も若干ですが個体によって変わってきます。📝(´;ω;`)💭(操作法については別記事で詳細を‥。)

 

 

防火水槽から採水する動力消防ポンプ
防火水槽から採水する動力消防ポンプ。
少しずつ形が異なる動力消防ポンプ
少しずつ形が異なる動力消防ポンプ。
少しずつ形が異なる消防ポンプ。part.2
少しずつ形が異なる消防ポンプ。part.2

これらの “動力消防ポンプ” と “消防ホース”、そして水源があれば構造上は消火活動が可能です。⛲

 

しかし日頃の訓練が無ければ、まず使えないと断言できます。💔

 

また、動力消防ポンプの燃料に使用されるガソリンは危険物であり、その保管方法にも注意を払う必要があります。⛽(;´Д`)

 

取扱いを誤ると、最悪のケースで有名な福知山花火大会露店爆発事故のような大惨事が起こってしまいます。🎇

 

参考:福知山花火大会露店爆発事故

【おまけ】大昔のアナログな消防ポンプ‥。


👒(´-`).。oO(昔のものは…、、直感的に使用できたのかも‥。。)

 

腕力で加圧送水
腕力でエンヤコラして加圧送水しそうな外観。
“腕用ポンプ”はイギリスから
“腕用ポンプ”はイギリスから来たそうな。
柏原羽曳野藤井寺消防ポンプ
右から左へ受け流すっぽいムーディな構図。

こちらの消防ポンプは柏原羽曳野藤井寺広域消防本部(通称:かしはふじ)に展示してありますので来署された際は是非‥。🔎✨

◎ まとめ


  • 皆様お馴染みの “商店街” のアーケード(屋根付きの歩道)は、延長50m以上になると連結送水管の設置義務が生じた。✅
  • 商店街アーケードの耐圧試験が他の防火対象物と異なり “超大変” な理由に、配管が長いのに “乾式” なことが挙げられた。✅
  • 軽トラックで持ち込んだ “漆黒の1㌧水槽” を何と五杯分程度送水してやっと配管内を水で満たすことが達成される現場だった。✅
  • 商店街アーケードの “登はん梯子” を下ろすと警報音が商店街中に鳴り響くので、点検や有事の際以外のイタズラでは絶対やってはいけなかった。✅

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コメント: 1
  • #1

    防災屋 (土曜日, 05 5月 2018 13:38)

    近畿地方で消防設備士をしているものです
    初めてコメントします
    教えてほしいことがあります。本ブログとは関係ないのですが消火器の機能点検なのですが貴社ではどういった対応をされていますか?
    私の地域が厳しくなってきましていろいろ問い合わせが多くなり他業者様はどういった対応をされているのかよろしければ教えてください。