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殿も愛した “加熱試験器” の仕組み

加熱試験器にてあぶる
熱感知器を“加熱試験器”にて“あぶる”様子。

消防用設備点検という業務自体の知名度は現在まだまだ低いものですが、その中で皆様も見たことがある動作として “火災報知機の試験” が挙げられます。🔎👀❕

 

小学校の時に教室に入ってきて、天井まで棒を伸ばして何やら怪しげな行為をやっていたのが消防設備士による加熱試験器を用いた “消防用設備点検” であったわけです。👷♪

 

🏫(´-`).。oO(管理人は全く記憶に無く…、、この仕事を始めるまでその存在を知りませんでした…。。)

 

では、続きに火災報知機の点検業務である、通称 “あぶり試験” について記していきます。📝(・ω・)ノ✎

◎ 加熱試験器の仕組み


✍(´-`).。oO(この記事を書くにあたっても…、、加熱試験 “器” なのか “機” なのかという疑問が付きまとっております…。。)

 

発信機(押すとベルが鳴るやつ)には “火災報知機” と記載されていますが、天井に付いている火災報知機と呼ばれる白を基調とした円盤は “感知器” の綴りになります。📝😕💨

 

どっちでもええわい、という方が大半のように感じますのでここでは “器” の方で統一させて頂きます。🚀♪

 

先日、Twitterにて感知器の試験をする画像をツイートした所、以上のような引用ツイートがありました。🐣

 

果たして、本当に “加熱試験器” の中にが入っているのかというと…もちろん入ってません。🔪💦

 

✍(´-`).。oO(保育園の先生が…、、幼児を守る為についた “優しいウソ” ですね…。。)

 

実際には、ただ “あったか~い” ものを感知器に当てているだけの、ごくシンプルな点検です。♨(・ω・)ノ🍵笑

感知器の赤い確認灯
感知器を熱し“赤い確認灯”で作動をチェック。

◎ 火口(ひぐち) & ベンジン…あ、ベンヂン。


フェルト上の部分が“火口”
中央にあるフェルト上の部分が“火口”
加熱試験器の下部
加熱試験器の下部はこのように分解可能。

加熱試験器の情報
下部に記載された加熱試験器の情報。
燃料には“ベンジン”
燃料には“ベンジン”を用いる。
火口へ炎をかざす
本体装着後に火口へ炎をかざす。

徐々に温かくなっていきますので、それを感知器にかざしますと差動式スポット型感知器では温度差約Δ35℃程度で、定温式スポット型感知器では60℃~70℃の設定温度で感知器が火災信号を出す(発報)ことができます。🚥(;´Д`)👌✨

 

ちなみに「火口」と同様の機構で熱を発生させるものとして、ハクキンカイロという有名な製品が挙げられます。🧼(´∀`*)ウフフ♪

 

気化したベンジンがプラチナの接触作用により「炭酸ガスと水」に分解され、そのとき発生する酸化熱を応用した「環境にとても優しい、安全でクリーンなハイテクカイロ!」とのことですから冬場の寒さをしのぐ際に重宝されそうです!🍠(´∀`*)ウフフ♪

参考:ハクキンカイロ公式HP

◎ お前は“如意棒”か


“試験器支持棒”
全長4.5mの“試験器支持棒”
天井部にある感知器も点検
高い天井部にある感知器も点検可能。
加熱試験器や加煙試験器
支持棒には加熱試験器や加煙試験器を装着。

◎ 殿も“あぶり試験”してます


殿を含む、我々のような消防設備士が定期的に自動火災報知設備をはじめとする各消防用設備を点検することで有事の際 “正常に機能すること” が担保される わけです。💯(;´Д`)👌✨

 

 

しかし、本当に今の時代に人が一つずつ感知器を温めたり、煙を入れて点検をすることが必要不可欠なのか、そうせざるを得ないのかと考えを巡らせると、管理人は “無くしたい ” と思っています。👻

 

実際に、この “あぶり試験” が不必要 であるPanasonic社製のアドバンスP-1シリーズという “自動試験機能” がついた受信機も存在しており、それが浸透すれば “コレ” が省略可能となります。💡

 

ただ、シンプルP-1という自動試験機能が無い、いわゆる通常の受信機の値段が10回線で¥446,000円です。💰(;・∀・)💦

 

それに対して、自動試験機能付きのアドバンスP-1の10回線は¥800,000円と、やはり “初期投資の額に開きがある” 為、お客様に提供しにくくなっていることが現実問題としてあります。💔

 

今後、自動試験機能付きが普及するかは価格面で優位になるかどうかに大きくかかっていると考えられます。🎢(´・ω・`)💨

 


 

しかし、近い将来 “あぶり試験” は本当に “殿のもの” に、つまり昔に愛された動作になるかもしれませんし、管理人はそうなることを願っています。👥♪

 

そうなれば、消防設備士防災屋は、より人間がすべき仕事に従事できることとなり、業界発展が加速すると思っています。🌎⤴

 

参考:Panasonic

◎ 消防設備士4類免状取得のススメ


上記の事柄は、お客様にとっては “豆知識” ですが、実は弊社のような消防設備士防災屋の人間は誰でも知っているような事であったりします。🚒💨

 

そしてこれらの情報源に触れるタイミングとなるのは、“現場” と “資格試験の勉強” の2点です。📝✨

 

消防設備士の資格試験は、乙種であれば誰でも受験可能です🌸(´∀`*)ウフフ

 

また、電気工事士の免状をもっていたり、工業系の学部を出ていればイキナリ甲種も受験できます。🏫♪

 

少しでもご興味のある方は、参考書などを入手してパラッと読めば、もしかしたら受験意欲が倍増するかもしれません。🌱

 

弊社ブログを見たことがきっかけとなり、未来の消防設備士として活躍される方が一人でも増えれば本望で御座います。📖(^^)/♪

◎ まとめ


  • Twitterにて、〝消防設備点検がきたときに先生が「近づいちゃダメよ、その中には針が入ってるから!」〟という、保育園の先生の優しいウソの存在を知り、実際の所はどうなっているのかを明かした。✅
  • 実際には、ただ “あったか~い” ものを感知器に当てているだけであった。✅
  • この “あぶり試験” が不必要 である“自動試験機能” がついた受信機も存在するが、“初期投資の額に開きがある” 為、お客様に提供しにくくなっていた。✅

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コメント: 7
  • #1

    ミニクロ (火曜日, 01 5月 2018 15:44)

    はじめまして。先日、マンションの消防設備点検があり、まさにこの「加熱試験器」を見る機会がありました。
    こちらで火口がハクキンカイロと同じ仕組みだったことを知り、もっとよく見ておけば良かったと思いました。

    消火器も、なにやら「蓄圧式」という方式になり、小さな圧力のメーターがついていました。
    説明によると、こちらのほうが安全だとのこと。一見同じようにみえる消火器も進化しているんですね。

    点検の方が来られたついでに、火災報知器の発信器(赤いボタン)も、生まれて初めて押させていただき、止める方法も教えていただきました。街中や駅でよく見ている割に、使い方を知らないものだなと痛感します。
    (使わずにすむ方がよいのですが)

    今後も、勉強になる記事を楽しみにしています。


  • #2

    管理人 (火曜日, 01 5月 2018 19:36)

    >ミニクロさん
    コメント有難う御座います!!�

    点検時に仕事について消防設備士が声をかけられることは少ないので、業者さんは新鮮であったと思います。
    是非次回“火口”を見せてもらってください。♪

    消火器についてですが、加圧式の破裂事故の関係もあり現在は容器自体に圧縮空気が入っている蓄圧式が主流ですね。
    【参考URL】https://youtu.be/TLxKA00EgJs

    今後とも、宜しくお願い致します!!�✨

  • #3

    tmhr (火曜日, 05 6月 2018 14:21)

    ハクキンカイロ、そういうことでしたか。
    当方の職場では、火気を持ち込むことが非常に困難である為(申請すれば持ち込めますが)、できれば自動試験機能付のものが普及すれば尚良しと思いました。消防設備士さんの仕事は減っちゃいますが・・・
    実際にあぶり試験器が火気なのかどうか、というとどうなんでしょうか。
    点火して発熱?してしまえば、ただの熱源であって、火気ではないんですかね。
    そもそも点火させなきゃダメだから、火種も持ち込めないんですけどね笑
    というただの愚痴でした・・・

    いつも参考にさせて頂き、ありがとうございます。

  • #4

    管理人 (火曜日, 05 6月 2018 15:25)

    >tmhrさん
    いつもコメント有難う御座います!(^^)/✨

    弊社も点検先によっては火気厳禁な箇所もありますので、この点は意識することがあります。
    例えば、ショッピングモールの入口に通称“3点セット”という「禁煙」「火気厳禁」「危険物物品持込禁止」の標識を掲げているように、"火"を持ち込めないことになっています。

    そして、この"火"ですが、主に"裸火"を指します。
    その為、お察しの通り"温かい物"扱いで加熱試験器は持ち込めているのかと思っています。
    着火の場所さえ誤らなければ‥。そもそもそれができないと現時点で点検不可能に…。汗

    また、"主に"と表現したのは、電線類などがスパークすると火種となってしまうので、それも下記に含まれます。
    危険物貯蔵所などでは、「防爆型」と呼ばれる"電気火花"などが生じてもそれと外気が接触しない構造になっている定温式感知器を設置しなければなりません。
    これは、危険物の場合、通常の17条に基づく法令適用ではなく、同じ消防法ですが、第十条というより厳しい方に適合させる必要があることに基づきます。

    ご参考までに、防爆の記事を…。
    https://www.aokibosai.com/2016/11/29/%E9%98%B2%E7%88%86-%E3%81%AE%E6%84%9F%E7%9F%A5%E5%99%A8-%E3%81%A8-%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%82%A6/

  • #5

    HY (金曜日, 17 7月 2020 15:36)

    火気を持ち込むことが困難な箇所では、水蒸気式加熱試験器 能美防災製 FTH011A を使用しますね。

    生石灰と水の反応熱によるものですが、それでも100℃まで対応出来ます。

  • #6

    自火報好きの中学生 (金曜日, 23 7月 2021 19:48)

    質問失礼します
    前に、学校に消防点検が来た時思ったのですが加熱試験器、加煙試験器の重さは、どれくらいなのか、気になりました。重さは、どれほどあるのでしょうか?

  • #7

    自火報好きの中学生 (金曜日, 23 7月 2021 20:08)

    自分は、あの加熱試験器が欲しくて、購入しようと思ったのですが、通販などで見ると結構高いので中々手が出せず中古品で良いからと、探してもとても高い金額に上がってしまいます。もしかして自分見たいな「加熱試験器が欲しい人が居るのかなー」なんて考えたりします(笑)