結構前になりますが、神戸市の現場にて某家具量販店の消防検査をされた現場監督の方から『非常口の扉自体を緑色に塗れって言われてるんやけどホンマ!?』と驚きの電話を頂いたことがありました。🚪
ハイ、神戸市は条例で非常口を緑色に…🎨(´・ω・`)👌✨
大阪市の業者なんかが神戸市に入ってしまうと、そのような事が初耳になってしまうわけです。👂💦
✍(´-`).。oO(実際に塗られている扉を見たことが無い方も多々いらっしゃるかと思いますので、、以下に紹介させて頂きます…。。)
◎ 根拠となる神戸市火災予防条例
神戸市火災予防条例の第49号の3に掲げられている(避難口の扉等の表示)以下のように定められています。
- 令別表第1(1)項から(4)項まで,(5)項イ,(6)項,(9)項イ,(16)項イ,(16の2)項及び(16の3)項に掲げる防火対象物並びに高層建築物の次に掲げる扉等には、避難方向に対する面に緑色の表示をしなければならない。
- 特別避難階段及び避難階段の扉
- 階段室,廊下及び通路部分並びに防火区画に設けられた防火戸
- 避難橋,屋外階段,避難用タラップ等その他これらに類するものに通ずる扉
- 前3号に掲げる扉等に準ずる扉等
また、条文を見ていましたら、第49号の3ー2には以下のように “床面に” も表示が必要との文がありました。
- 令別表第1(4)項及び(6)項イに掲げる防火対象物並びに同表(16)項イに掲げる防火対象物のうち同表(4)項又は(6)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分の前項各号に掲げる扉等の床面には,他の部分と明確に区別できる表示をしなければならない。
震災による被害が背景にあり、神戸市における防災分野は他地域と比べると発展しています。
✍(´-`).。oO(大阪市にある弊社が驚く条例があることもしばしば…。。)
参考:神戸市火災予防条例
◎ “緑”にも色々ありまして…。
こちらの扉も、言われてみれば “緑色” ですよね。(;´・ω・)🌳
防火対象物の用途が(6)項二 保育園であったこともあり、パステルカラーでポップな感じに仕上げたかったことが、この色が採用された背景として挙げられます。🚪♪
ただ、弊社のTwitterアカウントにて、コチラの画像と共に呟いたところ『日塗工の〇〇を使うこと…等の決まりがあった方が、逆にそれを買えばいいから楽だ。』というような意見がありました。💡
まず管理人は “日塗工” の知識が不足していたのですが、そのような意見がありました事を報告させて頂きます。🎨
参考:日本塗料工業会
◎ “緑”は安全色として定義されています。
✍(´-`).。oO(以下、、プロ オブ ザ プロフェッショナルである石井マーク様のtweet引用です…。。)
やはり斯様な部分ですね。誘導灯や非常口のシンボル、ISO16069 safety way guidance systems(SWGS)の分野でも「どの様な状況で・どれ位の距離から・どのように認識できるか」を主眼としており、JIS/ISOいずれも緑色が安全色として定義されています。ゆえに緑色の扱い方は常に慎重でありたいものです。
— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2018年2月15日
◎ くぐり戸…ってコレも緑色の非常口!
✍(´-`).。oO(防火シャッターが閉まった際の非常口となる “くぐり戸” も…、、緑色だとより分かり易いですね…!!)
◎「紛らわしい」表示
緑色の使用を禁じる様な法令・基準の存在は(消防法による「紛らわしい」表示を除けば)特に存じておりませんが、JIS Z9101:安全色及び安全標識~案内用安全標識のデザイン通則を有効的に活かすという目的においては正直な所、「緑色の使い方やポジション」は安全標識に譲ってほしい感はありますね。
— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2018年2月15日
調べてみましたところ、消防法施行規則第28条の3の4-8に、以下のように掲げられていました。📝
- 誘導灯の周囲には、誘導灯とまぎらわしい又は誘導灯をさえぎる灯火、広告物、掲示物等を設けないこと。
この扉を緑色に塗る件に関しましては、避難口誘導灯の緑がある場所=緑色のドアがある場所ですから、何ら問題にはならないわけですね。🚪✨
某大手雑貨量販店などは店内にポップがウジャウジャしており、時に紛らわしいだろ!と言わんばかりな光景を目の当たりにする事もありますので、皆様も是非一度チェックしてみて下さい!👀❕
◎ パニックバーという提案
以下、当ブログコメント欄より武藤健太郎 様のコメント引用です。
神戸市の避難扉「緑のドア」への取り組みには高評価があります。実はもう一歩進めて頂きたい点がございます。幾つかの条件を挙げますので目をつぶって想像して見てください。
- 電気の喪失で照明が暗くなる。
- ドアは緑色で容易に探せるが、焦る中でドアの開け方がわからない。
- サムターンにカバーが掛かっている場合、説明を読む必要がある。
- 後ろから人が押し寄せ、フラットなハンドルでラッチを解除出来ない。
問題なのは、誰でも老人、子供を含め簡単に、速やかに避難ドアから避難ができなければ、避難ドアとしての機能が損なわれます。
避難ドアは一般的に防火ドアです。従って爆風でドアが開かない様にラッチが必要です。
参考:ゴールドマン株式会社
避難ドア、防火ドアのラッチを「ワンアクション」で開けられ、瞬時に避難できるパニックバーが必要です。
避難ドアの下から1m辺りにドアを横断する様に横置きのプッシュバーを備える事で問題の殆どが解消できます。
欧米では必須です、日本国内でもこの安心安全の建築物が増える事を望んで止みません。
✍(´-`).。oO( “パニックバー” タイプを見かけた際に『いいなコレ!』と思いましたし…、、COVID-19の影響でドアノブに触れたくない方々にとっても有難い製品ではないかと…!!)
◎ まとめ
- 神戸市では火災予防条例の第49号の3(避難口の扉等の表示)にて非常口を緑色に塗ることが定められていた。✅
- 防火対象物の用途が(6)項二 保育園の扉は、意匠性が考慮されたパステルカラーでポップな感じに仕上っていた。✅
- “安全色” という概念があり、緑色の標示は安全関係を連想しやすいため扱いを慎重にし、紛らわしい表示は避けたかった。✅
コメントをお書きください
武藤健太郎 (日曜日, 22 3月 2020 12:52)
神戸市の避難扉「緑のドア」への取り組みには高評価があります。実はもう一歩進めて
頂きたい点がございます。幾つかの条件を挙げますので目をつぶって想像して見てください。
1 電気の喪失で照明が暗くなる。
2 ドアは緑色で容易に探せるが、焦る中でドアの開け方がわからない。
3 サムターンにカバーが掛かっている場合、説明を読む必要がある。
4 後ろから人が押し寄せ、フラットなハンドルでラッチを解除出来ない。
問題なのは、誰でも老人、子供を含め簡単に、速やかに避難ドアから避難ができなければ、避難ドアとしての機能が損なわれます。避難ドアは一般的に防火ドアです。従って爆風でドアが開かない様にラッチが必要です。
提案です。避難ドア、防火ドアのラッチを「ワンアクション」で開けられ、瞬時に避難できるパニックバーが必要です。避難ドアの下から1メートル辺りにドアを横断する様に横置きのプッシュバーを備える事で問題の殆どが解消できます。欧米では必須です。
日本国内でもこの安心安全の建築物が増える事を望んで止みません。
管理人 (月曜日, 23 3月 2020 11:14)
>武藤健太郎 様
コメント有難う御座います!�
プッシュバーのドア、言われてみればアメリカの建物には多かった気がします。
あと、今であれば「手をドアノブに触れずに、ドアを開ける」という需要が急増している気がします。
その点でも、肘や身体で開閉できそうなプッシュバー式は有難いのかなあと思いました。
この件、今もっと周知できれば、いずれ最適化されるというタイミングを手前に持ってこれるかもしれません。
消防用設備等に関しても同様ですが、ITなどと比べるとアナログな機器に関する欧米の細かい情報が入手出来ていない事による仕組みの遅れがあると思っています。
引き続きよろしくお願い致します!!�