天ぷら油火災について
どこの家庭でも日常的に使用されている “天ぷら油” ですが、360℃を超えると発火します。🔥((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
また、何度か使用した油や、油の種類によって発火点も異なる為、発火時間も違ってきます。🍳
💡(´-`).。oO(特に最近の低コレステロールのものは、火が着きやすいそうで‥。。)
鍋表面を “蓋” や “濡れタオル” で覆って、空気を遮断する “窒息消火” という方法が有名でしょうか。🍲💦
※注水は厳禁です、弾けて高温の油が飛び散ります。
しかし、鍋から上がった炎の高さは1メートル以上になることもあり、引火の危険性なども十分考えられます。
参考:総務省消防庁
そこで、“住宅用消火器” や “簡易消火器具” を用いて消火をすることになります。🏠(;´∀`)👌
特に “強化液” タイプの消火器が天ぷら油を有効に消し止められるのですが、その消火における化学反応が薬剤によって異なるようです。✅
アルカリ性の強化液 ~クマさん消火器の場合~
画像の可愛いデザインが特徴的な “クマさん消火器” は初田製作所のものです。🐻♬
参考:㈱初田製作所
消火薬剤の組成は、以下の通りです。📝
- 水:61%
- 炭酸カリウム:37%
- リン酸二水素カリウム:1.5%
- 染料:微量(黄色透明液体に)
そして上記の混合溶液のpHは11.9であり、アルカリ性の強化液が用いられていることが分かりました。🌈(´-`).。oO
参考:安全データシート
“けん化” による消火
化学反応の一つに “けん化” というものがあります。📖
参考:鹸化
簡単に言いますと、“油” に “アルカリ性” の物質を加えてやると、“アルコール” と “石鹸” になるという反応です。📝
アルカリ性の強化液消火器の場合、天ぷら油火災が発生した鍋の表面で “けん化” 反応を起こします。🍲✨
それによって生じた “石鹸” が蓋をすることによって空気を遮断する役割を果たしています。(;´・ω・)💦🔥
💡(´-`).。oO(つまり…石鹸を作って、窒息効果を得ているっちゅうわけですわ…。。)
それと、強化液による天ぷら油温度の減少による “冷却効果” の2つを利用することで迅速な消火に繋がっています。🌀
中性の強化液 ~キッチンアイの場合~
“炭化層” 形成による消火
よって、“お酢” の主成分である “酢酸” に高い消火性能が認められているようですが、お酢をそのまま消火に使っても効果は低いです。
💔(´-`).。oO(加えて、強烈な臭いがするようで…。。)
そこで、企業秘密の添加剤を配合・割合を開発したことによって、“酢酸” の効果を前面に押し出すだけでなく、刺激臭も抑えた中性の消火薬剤が実現したそうです。🍛
参考:日経BP社
また、炭化層形成による反応抑制だけでは、天ぷら油の温度が下がらないため再発火します。🍲((((;゚Д゚))))🔥
強化液による消火では、冷却効果もありますので天ぷら油火災は鎮火できますが、粉末薬剤の場合は一時的に火が消えるのみです。💦
キッチンアイと粉末ABC消火器の2つで、天ぷら油火災を消火している動画がありますので、一度見ると理解が早いかもしれません。🎥
参考:Youtube
簡易消火器具など
まず、エアゾール式簡易消火器具はというスプレータイプのものが最も一般的かと思われます。
エアゾール式の消火薬剤は、様々な種類があるようです。
2017年4月以降は、適合表示が付された製品でなければ販売・陳列できなくなったため、その消火能力の一律化が図られているほか、信頼できるものになってきているといえるでしょう。
参考:エアゾール式簡易消火具
また、“消火器いろいろ” という記事でも紹介させていただきました通り、“消火フラワー” という “花” の形をした天ぷら油火災用の消火器具もあります。(・ω・)ノ⚘
これは、アルカリ性の溶液が花びらの中に入っているようです。🌹
💡(´-`).。oO(つまり、消火フラワーは “けん化” による消火機構ですね…。。)
あのオカン様も持ってる消火フラワー
🌷(´-`).。oO(オカン様には…、、いつもお世話になっております‥。。)
— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2018年3月26日
— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2017年4月28日
🍛(´-`).。oO(Twitterを見て頂ければわかると思いますが…、、株式会社石井マークさん(@ishiimark_sign)も相当のカレー好きなようです…。。)
乳化(エマルション)による消火
以前Twitterにて “界面活性剤” が消火に及ぼす効果について聞かれたことがあります。🐧💭
界面活性剤とはカンタンに言うと、水と油を混ぜる手助けをするものです。👏(・∀・)♪
そして水と油が混ざってできたものを “エマルション” といいます。🍺
✍(´-`).。oO(エマルジョンともいいます…。。笑)
炎の上がった油面に、界面活性剤入りの水(いわゆる消火薬剤)を噴射すると、油の表面に不燃性の乳化層を形成します。🍼
この乳化層(エマルション)によって、油の蒸発を押さえることで燃焼反応を止められるわけです。🔥🚫
💊(´-`).。oO(そういえば、、大学の研究室に “エマルション” をテーマにしている方がいました…。。)
せめて、同じ研究室でやっているテーマについては、一通り把握しておくべきであったと反省しております。(;´・ω・)🌎💦笑
【追記】おたくま経済新聞さんの取材を受けました
ボヤ騒ぎの模様が漫画にてリアルかつ面白おかしく描かれたツイートが話題になった際の記事について、僭越ながら専門家として意見させて頂きました。📰(;´Д`)👌💦
カンタンに言うと『天ぷら油加熱中に、お鍋にフタをしてしまい発火点に到達し大きい炎が上がった。』ことによる惨事でした。🔥
おたくま経済新聞さんの記事中でも言及されておりますが、一般家庭には消防用設備の点検義務が生じない為、消火器具などの設置状況が不完全になってしまいがちなのが実情です。🏠
この記事内の出来事はギリギリ何とか消火できた事例ですが、我が身に同じことが起こったところを想像してみて下さい。💭
消火器無しで消火できますか?このお話の締めくくりとして、一番近い消火器の位置を確認したとありますが、ご自宅のお鍋の近くに消火器具をお1つご用意くださいませ。🍲❕
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まとめ
- 天ぷら油は20分程度加熱し続けると “発火点” に達して火が付き、消し止めるには、消火薬剤に “強化液” が採用されている消火器を用いると有効であった。✅
- アルカリ性の強化液で消火する “クマさん消火器” のようなタイプは、“けん化” という化学反応で天ぷら油表面に石鹸を作ることで窒息効果を得ていた。✅
- 中性の強化液を採用している “キッチンアイ” では、お酢に企業秘密の添加物を加えることによって、消火性能の高い “酢酸” の効果を前面に押し出し、天ぷら油に炭化層を形成することで鎮火していた。✅
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社長 (木曜日, 31 8月 2017 10:27)
お酢ベースの消火液は無害だということで 工場で飲んだことあるよ
もちろんまずいよ
管理人 (日曜日, 10 9月 2017 08:59)
>社長
まずそうですね…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル��
しかし無害であることに越したことはありませんね!!
�(´-`).。oO(喉は潤わなさそうですね…。。)笑