消防隊の方が高層階に消火用水(ただの水)を地上から送る為に用いられる “連結送水管” の新設工事に際して、“設計届” を作成して所轄消防署に提出します。📝
連結送水管は水系の設備で “配管” がある為、スプリンクラー設備の着工届と同じく “アイソメ図” や “摩擦損失計算書” などを添付する必要があります。
耐圧試験の際に水漏れが発生した場合の改修工事などでは、配管の取替のみの場合だけ設計届を省略できます(軽微な工事)。
続きに、連結送水管の設計届について記していきます…。
連結送水管の設計届
連結送水管の設計届は、以下の書類で構成されます。📝
特に、5.と6.がカギとなってきますので重点的に述べたいと思います。🔑
また、高さ70mを超える建物には、ポンプ車による送水を補助するため、非常電源設備付きの加圧送水装置(ポンプ)を設ける必要があるため追加で資料が必要になります。🚒💦
(´-`).。oO(ここでは割愛します…。。)💔
✍(´-`).。oO(連結送水管の工事に関しては前投稿をご覧ください…。。)👷
連結送水管のアイソメ図
連結送水管の “配管アイソメ図(※2.5次元で配管径路を記したもの)” は、例の画像の様に縦長になることが殆どです。📷
連結送水管の設置基準は消防法施行令第29条にて、7階以上の建物または5~6階建てで延べ面積が6,000㎡以上の建物に設けると定められている為、こんな事になっている訳です。
配管系統がどのように建物を回っているか、各配管径や弁類は幾つかなどの情報がアイソメ図を見れば一目瞭然となっています。👀
✍(´-`).。oO(この現場も、送水口から配管が一度 “地中” に潜っているため漏れたときに改修工事がしにくいですね…等。。)👷
全体の配管についての情報が揃ったら、それをもとに “配管の摩擦損失” を計算します。👓
以下に、摩擦損失計算書について言及していきます。📝
設計送水圧力計算書
配管の摩擦損失計算
継手類換算後の直管長の合計に、画像の通り各定数や立上り配管長さ等の値を加算し、配管圧力の値が得られます。💯(;´∀`)👌
ここで重要なのが、この計算結果によって使用する配管が変わってくるという事です。((((;゚Д゚))))💡
エクセル上でIF関数にて、値による表示を設定してあります。📝
例:1.5MPaを以下であれば、立管100Aにて施工可能です。
1.5MPaを超えると、立管150Aにする必要があります。
また、1MPa以下であるとJIS3452という材質の配管でいいのですが、それ以上だとJIS3454スケジュール40ガス管(通称;スケジュール管)を選択せねばなりません。✅
✍(´-`).。oO(スケジュール管の方が、より高い圧力にも耐えられる仕様というわけですが、お値段が高いんです…!!)
【追記】
平成31年4月頃に大阪市の消防用設備等の設置に係る運用基準で “送水口損失” としていた4.7mという定数が廃止されました。
新たな文言として、以下の様に謳われています。
- 『送水口の摩擦損失水頭は、使用する配管の種類及び呼びに応じ(2)により算出した流量(4.(1)ただし書を適用し2個の放水口(双口形のものを除く。)ごとに1の立管とした場合は、1,600ℓ 毎分)における摩擦損失水頭値と送水口の等価管長38.3mとの積による数値とする』
✍(´-`).。oO(計算してみるとガス管では1.13m…、、スケ4では1.3m位の値になりますね…!!)
湿式・乾式の判定
最後に、通常時は配管内を空にしておく “乾式” と、常時配管内に水を満たしておく “湿式” のどちらによる運用にするかを計算結果をもとに判定します。🌊
配管内の体積が0.5㎡を超えると “湿式”、それ以下だと “乾式” にします。💡✅
上記の体積による判断以外にも、寒冷地だと “乾式” を採用したり、11階以上・高さ70m以上の建物は “湿式” にしたりと基準は様々です。⛄
✍(´-`).。oO(配管に水が入っていないと…、、その分消防ポンプ車から補水する必要がありますからね…。。)🚒💦
コメントをお書きください
タマスケファンのしがない設備士 (火曜日, 03 12月 2019 18:22)
こんにちは。いつも楽しく拝見しています。
設計送水圧力計算書と、配管の摩擦損失計算の中の白抜きになっている数値が知りたいのですが、ここで公開するのは難しいでしょうか?
管理人 (月曜日, 09 12月 2019 15:03)
>タマスケファンのしがない設備士 さま
いつも有難う御座います!�
ここでの公開、完全に可能ですのでリライトさせて頂きます!!