防火設備の検査について
防火設備について、専門的な知識と技能を有する者(防火設備検査員)が検査を行う仕組みが導入されました。✍(´-`).。oO✨
消防用設備点検は “消防法” に則り行うものですが、防火設備定期検査は “建築基準法” に基づく制度です。🚒
その為、防火設備が正しく動くかを別で点検して、消防用設備点検と防火設備定期検査の両方の報告が必要となります。✅✅
防火設備検査員資格者講習について
参考:日本建築防災協会
まず、防火設備検査員資格者講習は “学科” と “実技” に分かれています。📚
学科講習は8:45~16:40を2日間するスケジュールとなっており、受講料が¥32,400円となっています。💸( ゚Д゚)!💔
また、学科講習を修了した後、実技講習を受けることとなります。
実技講習受講料は¥27,000円と、学科と別で新たに発生します。💰(;´∀`)💔
なんだ、¥59,400円払えば自前で点検できるのか?と思った方に悲報です、受講資格があります。👷
(´-`).。oO(しかも無駄にハードルの高い受講資格です…。。)
弊社には有資格者が既にいるだけでなく、これまで消防用設備点検と並行して建築設備・特定建築物の点検・調査を行ってきたノウハウが蓄積されております。👷✨
防火設備の定期検査・報告も、弊社にお任せいただければスムーズに事が進むかと思います。✍(´-`).。oO🚪♬
(´-`).。oO(めでたく受講資格を満たされた方は、こちらのページからお申込みを…。。)
防火設備定期検査・報告の対象施設
画像中の対象用途・位置と規模が該当する場合、防火設備検査員による定期検査・報告の義務が生じることとなりました。
また、これは国が指定したもの[政令指定]の対象建築物です。
国が定めたもの以外で地方自治体(特定行政庁)が指定し、防火設備定期調査義務が生じる可能性のある対象建築物は以下の通りです。
- 国が指定した対象用途の規模以外のもの🏪
- 学校または体育館(学校に付属するもの)🏫
- 事務所🏢
- 工場🏭
- 倉庫🏠
参考:LIXIL鈴木シャッター
防火設備の全体構成例
参考:国土交通省
現行の防火設備は、主に図のような構成となっています。
- 防排煙設備用の煙感知器3種(感度低め)💬
- 連動操作盤(自火報の受信機と一体のものもある)📣
- 防火シャッター(手動閉鎖装置がある場合も)✋
- 防火戸(電気信号で閉鎖するラッチ式)⚡
また、古い建物ですと、防火戸が電磁式のラッチによる開閉機構ではなく、旧式の温度ヒューズという炎の熱で低融点の金属が溶けて動作するものが設置されていることがあります。🔥
以下で紹介する福岡市診療所火災でも、旧式の温度ヒューズが設置されており、また機能していなかったことから問題視されています。✅
(´-`).。oO(管理者様、一度防火戸のご確認を…。。)🚪
防火設備の検査項目など
検査項目と検査事項は以下のようになります。✍(´-`).。oO✨
①設置状況→閉鎖の障害となる物品などが放置されていないか。
②連動制御→感知器や連動制御器の作動状況など。
③安全装置→危害防止用連動中継器の電源の状況、運動エネルギーの確認など。
④駆動装置→開閉器、ローラチェーンなどの状況。
⑤本体と枠→スラット、座板の変形がないかなどの確認。
⑥総合的な作動状況→感知器を作動させて防火シャッター閉鎖状況を確認。
参考:国土交通省
防火設備定期報告制度の背景
福岡市診療所火災を受けた対応
平成25年に福岡市の診療所で発生した火災で、死者10名、負傷者5名という被害が出ています。🏥
死因は一酸化炭素中毒の可能性が高く、ベッドの上で心肺停止状態で見つかった患者も複数いたことから、逃げ遅れによる被害拡大が示唆されます。(´-`).。oO(出火原因はコンセント…。。)⚡
また、以下の建築基準法違反も大きな問題となりました。💡
- 防火設備(防火戸)が旧式の温度ヒューズ式で不適合。
- 防火区画(無届で増築した部分の吹抜けに防火設備なし)
- 無届の増築時に窓のない部屋があり、排煙設備もなし。
- 非常照明設備が廊下に未設置であった。
旧式のヒューズも壊れており、針金で防火戸が閉まってこないように固定してあったり、ロープで手すりに縛ってあったことも報告されています。👮
参考:福岡市整形外科医院火災
煙が充満することによる一酸化炭素中毒
火災事例と規制の見直し(防火関係)
消防法と同様に、建築基準法も大規模火災による被害の経験を踏まえた規制の見直しが、その都度行われています。🗼💦
今回の防火設備に関する法改正も、福岡市診療所火災が発端となっています。🏥 参考:国土交通省
同じ被害を出さないためにも、建物所有者様と、我々のような設備業者がますます連携していく必要があるのではと感じます。👷
まとめ
- 防火設備不作動による事故の再発を防止するために、 “防火設備定期報告制度” が誕生した。✅
- 防火設備について、専門的な知識と技能を有する者(防火設備検査員)が検査を行うこととなった。✅
- 防火設備検査員資格者講習は “学科” と “実技” に分かれており、高額な上、受験資格があった。✅
- 弊社には有資格者が既にいるだけでなく、これまで消防用設備点検と並行して建築設備・特定建築物の点検・調査を行ってきたノウハウが蓄積されていた。✅
- 同じ被害を出さないためにも、建物所有者様と、我々のような設備業者がますます連携していく必要があった。✅
所感
防火設備定期調査なる新たな点検報告義務が発生したことを、弊社も防災屋としてお客様の為に啓蒙する必要があると思っています。
まず、このような点検業務で気になる事の一つとして “費用” の面が挙げられます。💸
いきなりお客様に『このような点検義務が建築基準法で定められましたので、お金を払ってください。』などと口頭で伝えようものなら、もう頭の上は “?” で埋め尽くされることとなると想像できます。(;´∀`)💡笑
そして正直、点検報告料は馬鹿になりません。
どうすれば気持ちよく防火設備定期検査・報告をしていただけるでしょうか。✅
やはり調べるとすぐに出てくるように、防火設備をメンテナンスしなかったから大事故が起きたという法改正の背景も説明して、納得していただくことが一つ重要なことであるかと感じます。
一応罰則規定もありますが、消防用設備点検と同様に徐々に適用事例が出てくる流れになるかと考えられます。🚒
- 是正命令違反(建築基準法 第98条 第1項):3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人の場合:1億円以下の罰金)
- 無報告・虚偽報告(建築基準法 第101条 第2項):100万円以下の罰金(法人も同じ)
このような罰則を広報するよりも、できるだけ対象建築物の所有者様の善意に訴えかけるべきではないかと思ったりします。
消防用設備点検もそうですが、法令で定められているからしょうがなく…の要素が思いのほか強いと日頃から感じます。📅
税金のような認識ではなく、いざというときに自分の身も守る命綱であるということを知っていただきたいです。💡
そして、もっと興味を持っていただく方が増えれば、市場も拡大し、規格品である消防用設備や建築設備のレベルも向上しやすくなるのではないかと思います。
(´-`).。oO(受講者が増えれば、いずれ防火設備定期検査員の資格講習も安くなっていくのではないかと……。)💰笑
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