パッケージ型消火設備は、“屋内消火栓の代替設備” として認められている消防用設備です。※ただし、設置基準があります。
既設の建物の用途変更や規模拡大により、後から屋内消火栓の設置義務が生じた場合、水槽の設置や電気配線が困難・高価となるため、パッケージ型消火設備が代替設備として選ばれます。
ただ、消防署員の方々も防火対象物の関係者に屋内消火栓の設置を指導する際に、代替品としてパッケージ型消火設備を選択できる場合、いくらほど価格面で有利かという情報が必要になってくると考えられます。
以下に、パッケージ型消火設備の設置基準と価格を記します。…
◇パッケージ型消火設備の設置基準
まず、当該防火対象物にパッケージ型消火設備を、屋内消火栓に代替可能かどうかを調べる必要があります。以下の項目をご参照ください。
※ただし、建物の状況によっては、所轄消防署との協議により、特例が認定される場合もあります。
■パッケージ型消火設備Ⅰ型を設置することができる防火対象物
- 耐火建築物にあっては、地階を除く階数が6以下であり、かつ延べ面積が3,000 ㎡以下のもの
- 耐火建築物以外のものにあっては、地階を除く階数が3以下であり、かつ、延べ面積が2,000 ㎡以下のもの
※地階・無窓階・火災時に煙が著しく充満する恐れのある場所を除く。
■パッケージ型消火設備Ⅰ型の施工について
屋内消火栓と異なり、消火水槽やポンプの動力も不要です。必要なのは、表示灯用の電力のみ(ただし、耐熱配線・専用回路)です。
防火対象物の階ごとに、その階の各部分からパッケージ型消火設備のホース接続口までの水平距離がⅠ型にあっては20m以下になるように設けなければなりません。(ちなみに、通常の屋内消火栓は25m以下になるよう設置します。)
◇各メーカーの製品比較
青木防災はモリタ宮田工業の代理店であるため、取り扱う製品はモリタ宮田製ですが、お客様はメーカーにこだわりがあるわけではないと思います。
そこで、インターネット上に公開されているパッケージ型消火設備のメーカーさんのホームページを拝見させていただきまして、その価格や特徴を比較させていただきました。以下をご覧ください。…
1. モリタ宮田工業のパッケージ型消火設備Ⅰ型
モリタ宮田工業のパッケージ型消火設備Ⅰ型 “スーパーボックス” の本体希望小売価格は、露出型が¥650,000円、埋込型が¥680,000円です。
(´-`).。oO(何か外観はただの箱だけど、消火能力高いからとりあえず “スーパー” ってつけとこうぜ。…という感じが伝わってきます。笑)
薬剤容器を4本にして、薄型化を図ったコンパクトタイプもあります。
2. ヤマトプロテックのパッケージ型消火設備Ⅰ型
ヤマトプロテックのパッケージ型消火設備Ⅰ型 “パッケージ1one” の本体価格は¥650,000円<露出型>となっています。
(´-`).。oO(モリタ宮田工業のスーパーボックスと同じ値段やん。…)
ただ気づいたんですけど、薬剤タンクが3本に分かれてる分、奥行き寸法が230mmと、スーパーボックスより20mmスリムですね。
スーパーボックスのコンパクトは奥行180mmでさらにスリムですが、¥680,000円とスリムにするために¥30,000円課金する必要があります。
3. 日本ドライケミカルのパッケージ型消火設備Ⅰ型
日本ドライケミカルのパッケージ型消火設備 “K-80P(Ⅰ)” の標準価格は¥702,000円(税込)となっています。
税込みのお値段ということで、現在の消費税率8%を差し引くと…。
702000÷1.08=650000 (´-`).。oO(また¥650,000円やん…)
4. ハツタのパッケージ型消火設備Ⅰ型
こちらのサイトにはハツタ社製の “スーパーアウルNSシリーズ” の価格は記載されていませんでしたが、もう一つのHatsutaのホームページに、これと同じものが¥634,000円(税抜)とあるのを発見しました!(^^)/
メーカー希望の定価が一番安いのは、今のところハツタ社製のパッケージ型消火設備Ⅰ型です。
しかし、青木防災で実際にパッケージ型消火設備Ⅰ型を施工する際は、これよりも大幅に値引いた価格となっています!(;´Д`)👌
ぜひ一度、お問い合わせの上、ご相談下さい!
5. その他メーカー製のパッケージ型消火設備Ⅰ型
上記メーカー以外にも、パッケージ型消火設備Ⅰ型は製造・販売されています。希望小売価格が掲載されていなかったので、リンクのみを以下に記させていただきます。
興味深かったのが、能美防災さんのサイトに、 “パッケージ型消火設備は、『必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等{客観的検証法(ルートB)}』として位置づけられています。” という一文が入っていたことです。
- ルートA: 従来の仕様書的基準
- ルートB: 必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する基準
- ルートC: 特殊消防用設備等(特殊の消防用設備等その他の設備等)を設備等設置維持計画(特殊消防用設備等の設置及び維持に関する計画)に従って設置・維持する方法。
平成15年の消防法改正で特殊消防用設備について言及する際に、このルートBなどという分類方法が登場するわけです。
上記分類をご覧の通り、パッケージ型消火設備は従来の消防設備とは違うが、特殊でもないという中間地点にある存在です。
パッケージ型消火設備をホームページ上で紹介する上で、あまり必要ない一文だと感じませんか?(´・ω・`)
『屋内消火栓設備の代替……』からで、お客様目線ではいいのではないかと思います。
今後、パッケージ型消火設備の進化形のような特殊消防用設備が出てくることを見越して、意識して能美防災さんはこれに触れたのでしょうか。
私はそんな気がしました。さすが防災業界のパイオニアだなと、勝手に関心しています。笑(・∀・)
すみません、話がそれました。
まとめ
- パッケージ型消火設備は屋内消火栓の代替設備となりうるが、設置基準を満たしている必要があった。
- パッケージ型消火設備のメーカー毎の希望小売価格に、大きな差はなかった。
- 青木防災は、メーカー希望小売価格より大幅に値引きしているため、お客様に選ばれていた。【お問い合わせはコチラ】
コメントをお書きください