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泡消火薬剤の発泡倍率と25%還元時間

泡消火設備模型
阿倍野防災センターにあった泡消火設備模型。

泡消火薬剤の定義は、以下の通りです。💡

「基材に泡安定剤その他の薬剤を添加したもので、水(海水を含む) と一定の濃度に混合し、空気又は不活性気体を機械的に混入し、泡を発生させ、消火に使用する薬剤」🚒

 

つまり、泡原液そのもので消火するわけではなく、使用時に水や海水で 一定の濃度に希釈し、泡水溶液として用いられます。🌊

 

液状の泡消火薬剤は たん白泡” “合成界面活性剤泡” “水成膜泡 の3種類があります。🍼

また、合成界面活性剤泡は “低発泡” と “高発泡” に分類されています。✌💦

 

✍(´-`).。oO(2類の消防設備士試験では、、以下の泡消火薬剤の物性を問うものや、発泡倍率25%還元時間の簡単な計算問題が頻出されています…。。)🔢

泡消火薬剤の3種盛り


全てが水の泡” というがあるように、水面の泡は普通すぐに消えて無くなります。👼

 

しかし、それとは異なり以下の泡消火設備の “泡” は全然消えず、炎を包み込みます。🔥

 

泡消火設備は消火設備の中でも、危険物施設などの消火困難とされるラスボスのような存在に果敢に挑んでいます。⚠

 

以下にその、へこたれない泡のメンバーを紹介します。🎤♪

 

(´-`).。oO(2類の消防設備士試験に落ちても “泡” を見習って、へこたれないで…。。)


①たん白泡消火薬剤


たん白泡消火薬剤
牛などの動物の蹄や角などのたん白質が原料。

たん白泡消火薬剤は、牛などの動物の蹄や角などのたん白質を原料としています。🍼✨

 

暗褐色の粘性溶液で、たん白特有の味噌を焦がしたような?臭いがすると言われていますが普通に “獣” のニオイです。🐄笑

 

泡を形成する際に、主成分であるたん白質が空気との接触により酸化し分子連結など複雑構造を形成し固く安定した泡膜を作り出します。☁

 

主に、石油貯蔵タンク等の固定泡消火設備に使用されます。⛽

 


②合成界面活性剤泡消火薬剤


合成界面活性剤泡消火薬剤はシャンプー
シャンプー等の炭化水素系界面活性剤が主成分。

合成界面活性剤泡消火薬剤は、シャンプー原料に使用される炭化水素系界面活性剤を主成分です。

 

膨張率(発泡倍率)で以下の2種類に分けられています。✌

  • 10倍前後の低発泡
  • 500倍~ 1000 倍の高発泡

しかし、我が国や欧米各国では、泡の耐火、耐熱、耐油性が乏しいという理由から低発泡は使用されていません。🗾

 

少量の泡消火薬剤で多量の軽い泡を形成できる高発泡が、倉庫・航空機格納庫・LNGタンク周囲などの大空間を泡で満たしてしまうという消火方法で使われています。🎈


③水成膜泡消火薬剤


左から「たん白泡」「水成膜泡」「合成界面活性剤泡」
左から「たん白泡」「水成膜泡」「合成界面活性剤泡」

水成膜泡消火薬剤と合成界面活性剤泡消火薬剤の組成は似ていまが、水成膜泡消火薬剤には表面張力を低下させる “フッ素系界面活性剤” が添加されていることです。

 

✍(´-`).。oO(フッ素コーティングされたフライパンは、、表面張力が低いので卵とか貼りつきにくいですよね…。。🍳)

 

その為、液体可燃物表面上への流動展開性が改善し、水成膜泡消火薬剤ではよりスピーディな消火が可能となっています。💨

 

水成膜泡という名称が示すように、泡から排液した泡水溶液が水性のフィルム状薄膜 を液体可燃物表面上に形成し、可燃物の蒸気の逃散を抑制する能力があると言われています。🚫


発泡倍率の計算


発泡倍率測定に用いる器具は “たん白泡・合成界面活性剤泡” と “水成膜泡” で異なります。💡

 

その為、発泡倍率の計算で使う泡試料を採取した際の値も違う ので注意が必要です。🔢

 

甲種2類消防設備士の試験でも、泡消火薬剤の種類に対して適切な値を覚えておいて、答えを算出する必要があります。💭

(´-`).。oO(試験に落ちても “泡” を見習って、へこたれないで…。。※2回目)

 

以下に、泡消火薬剤種類別の測定器具と、計算式を記します。✎


たん白泡消火薬剤又は合成界面活性剤泡消火薬剤の発泡倍率測定


泡試料コレクタと、泡試料コンテナ1400㎖とその台。
泡試料コレクタと、泡試料コンテナ1400㎖とその台。

たん白泡消火薬剤又は合成界面活性剤泡消火薬剤の発泡倍率測定器具には、“泡試料コレクタ” と “泡試料コンテナ” とその“台” があります。

泡試料コンテナは1400㎖のものを2つ用います(写真の丸い容器)。

これを写真左の泡試料コレクタにセットし、泡試料コレクタの勾配を泡が流れていくことでコレクタに回収されるという仕組みです。

コンテナに入った回収した泡は、泡試料コンテナ台にセットした100㎖容量のメスシリンダーなどに移してその量を計測します。

発泡倍率計算式にコンテナ容量1400㎖
式はコンテナ容量1400㎖の値を使用。

発泡倍率は、 空気混入前の元の泡水溶液量に対する最終の泡量の比 を測定するため、 予め泡試料コンテナの重量を測定しておきます。


水成膜泡消火薬剤の発泡倍率測定


1000㎖目盛付シリンダ2個の泡試料コレクタ。
1000㎖目盛付シリンダ2個の泡試料コレクタ。

水成膜泡消火薬剤の発泡倍率測定では、コンテナを用いず直接コレクタから1000㎖メスシリンダーに泡試料を採取して分析します。

目盛付きシリンダの1000㎖容量
分子には目盛付きシリンダ1000㎖容量の数値を代入。

 

発泡倍率は、 空気混入前の元の泡水溶液量に対する最終の泡量の比 を測定するもので、 あらかじめ1,000目盛付シリンダの重量を測定 しておき、 泡試料をグラム単位まで測定し、 計算を行います。 

 

また、泡の25%還元時間は、採取した泡から落ちる泡水溶液量が、コンテナの泡に含まれている全泡水溶液量の25%廃液するに要する時間を表したものをいいます。

 

以下に紹介します方法で測定・計算されます。


25%還元時間


全てが水の泡…、という諺がありますが(2回目)、25%還元時間“全てではなく1/4の泡が弾けて水溶液になったとき” の時間を指します。💡

 

測定は発泡倍率測定の資料で行い、泡試料の正味重量を4等分することにより、泡に含まれている泡水溶液の25%容量(単位㎖)を得ます。🍺

 

この量が還元するに要する時間を知るためにシリンダを平らな台に置き、一定時間内にシリンダの底にたまる液を泡を容易に分離していることが判然とする計量線で測定します。⏰


例:25%還元時間の計算式


測定の例を以下に示します。

 

例; 今、泡試料の正味の重量が200 gであったとすると、1 gを1 ㎖として換算し、

従って、50(㎖)になる時間を測定すれば、その泡消火薬剤の性能が判定できるということです。📝

 

簡潔に言うと、“どんだけ泡が弾けずに保てるかを測る目安の量が、採取した泡水溶液の25%を基準に判定する” という事です。💡

 

低発泡の場合は、1分以上の25%還元時間が基準となります。高発泡の場合は、3分以上の25%還元時間が基準となります。※

【補足】


※泡消火薬剤の発泡性能と、泡消火設備設置後の試験・点検基準の発泡性能の値は異なります。📝

 

🔎(´-`).。oO(以下の2つの表を、、見比べてみて下さい…。。)

 

表1 泡消火薬剤の性状

  たん白泡 合成界面活性剤泡 水成膜泡
膨張率 6倍以上 500倍以上 5倍以上
25%還元時間 1分以上 3分以上 1分以上

表2 試験基準・点検基準の発泡性能

  たん白泡 合成界面活性剤泡 水成膜泡
膨張率 5倍以上   
 25%還元時間  1分以上  30秒以上  1分以上

 

…テストに出そうですね。👻笑

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まとめ


  • 泡消火薬剤は たん白泡” “合成界面活性剤泡” “水成膜泡 の3種類があった。✅
  • 全てが水の泡” というがあるように水面の泡は普通すぐに消えるが、2類の消防設備士試験に落ちても “泡” を見習って、へこたれないで欲しかった。✅